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レッドローズ【特命三田と四本の薔薇4/4】


理由なき情熱 


「               」


 あの日の君が夢の中で言った。

 こうして見る夢に、どんなヒントがあるというのだろう。先に繋がるヒントを探りたくて、とにかく覚えているうちにググってみたりした。夢には意味もなく、無駄なことだと知っていながら。

 それでも知りたいことがある。

 乾ききった心に、刺さって抜けないトゲがある。それは大抵過ぎ去ったこと。今と未来には関係のないこと。

 風が吹くのを待つか、風に乗ってみるのか、それとも、自ら風を起こすのか。    

 正解を求めたいわけじゃない。

 だって、君の人生だもの。

 そこに僅かたりとも関わったならば、君はそれを「責任」とでも言うのかい?

 ある時は風に乗るし、風が通りすぎるのを待ってやり過ごすこともあるだろう。柔軟に、適当に生きていくことがどれくらい大切か、それを分かっていながら君はまだ、過去につまづいた小石を心のどこかに置いたままにしている。

 熱を帯び、没頭している君のその姿が今だって目に浮かぶ。
 だって、かけがえのない君だもの。瞬間的な感情に、理由なき情熱が、きっと戻ってくるのだから。


【特命三田と四本の薔薇のうちのブルーローズより】
※この作品は、2021年12月24日・blossomdate製作委員会発行の『特命三田と四本の薔薇』にて、読者様が選べる夢のストーリーとして描いたものです。4本のバラに見立て、それぞれのカラーテーマのストーリーが出てまいります。楽しんでいただければ幸いです。(香月にいな.20221212)

特命三田と四本の薔薇

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