介護業界でのVR活用の可能性~VR認知症体験~

先日、株式会社シルバーウッドさんが行っている「VR認知症体験プロジェクト」に参加しました。
このプロジェクトでは、認知症患者さんから実際に話を聞いた上で作られたコンテンツを、VRで体験してもらうというもの。
認知症を学ぶのではなく、「体験する」ことに重きを置いています。

実際に私が体験して思ったのは、「体験してみないとわからない」ということ。
私は介護の中でも認知症については、特に興味があるのでこれまで勉強を重ねてきました。
けれど、やっぱり当事者ではないとわからないことっていうのは、机上の勉強では全く身につかないと言うことを痛感しました。

そりゃそうですよね。
だって、認知症介護のやり方を考えているのって、当事者じゃなくて介護する側ですもの。
私達がどう頑張っても、今すぐに認知症患者にはなれないので、完全に気持ちを分かってあげることなどできない。
そんな当たり前のこと、忘れていたのかもしれません。

今回体験したVRでは、認知症になると実際にどのように周りが見えて、私達の声かけや介助がどのように感じるのか、幻覚はどんな風に見えているのか、と言ったことがリアルに感じられました。
認知症患者さんが安心できるようにと行っていることが、実は不安をあおっていた、なんてこともあるんだ、と驚愕したくらいです。

シルバーウッドさんは綿密な取材をされて、当事者の意見をきちんと映像として作り上げています。
ですから、VRの得意とする疑似体験がものすごく良い方へ働いていると感じました。
だって、認知症ってこういうことなんだって、頭の中ではなく、耳と目で本当にありありと感じられたんですから。

介護業界って、残念なことになかなかIT化も進まなくて手書きカルテなんてとこも本当に多いんです。
はっきり言って時代の波に取り残されまくってます。
「人の心は人でなければわからない」って古いやり方をいつまでも続けていては、介護の担い手は減る一方。
上手に新しい技術を活用していくことって、本当に大切なんです。

最近介護レンタルの申請が通らなかった排泄予知の機械だって、あれで助かる家族や介護職って多いハズなんです。
当事者だって、機械があることで人に頼らずトイレに行けるかもしれない。
排泄面って最も人に触れられたくない領域なんですから。

話が少し逸れてしまいましたが、私はこのVR認知症体験に参加して、介護職のレベルの底上げにも役立つんじゃないかって思いました。
きっと、こういう活動をしていけば行くほど、風当たりは強くなる。
悲しいけど、それが今の介護業界。
でも、私達が声を上げて支持を続けて拡散していくことで、大きな力となり介護の世界も動かせるんではないか。
そんな、介護業界の明るい未来を感じさせてくれたのが、「VR認知症体験プロジェクト」です。

全国で体験会されていますので、興味がある方はぜひ体験してみて下さい。
目からうろこ落ちまくりますよ。

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