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重過ぎる願いのこもった名前が嫌いだけど名前を間違えられるのはもっと嫌

ネタをください企画、第3弾。マホさんからのお題で【名前について】
名前の由来に対する私の思いや兄との縛り、そしてそこからの脱却について書きます。

Thanks マホさん

名前って偉大だなって思う。親からもらって一生持ち続ける、自己のアイデンティティに直結するもの。

というかすごいよなぁ。まだ何も話してない、動けない、泣くしかできない、その状態で与えられるアイデンティティを少し定義するもの。

親からの願いが、本人の願いが、持って生まれたものが、絡み合って一生かけて名前にまつわる想いは変わっていくと感じる。

こんな人に向けて書いてます
・名前に想い入れがある人
・自分の名前が嫌いな人
・名前について考えてみたい人

楓のように美しく、風の子としてたくましく


私の名前に込められた親からの願いは2つ

・秋に綺麗に色づく楓のように美しくなるように
・子供は風の子、元気に育つように

前者については…うん…なかなかな想いが篭っていると感じる。そして特に生まれた頃は親もなかなかこの由来を言いづらかったらしい。笑

というのも私は予定日よりも1ヶ月以上早く生まれ、(だから8月という夏生まれなのに紅葉する秋の意味がある)もうすぐで未熟児という、低体重ギリギリで生まれた。

なんならお腹の中ですでに亡くなってます、死産ですと言われてしまうような状態だったらしく、生まれた頃は赤黒くて小さくてシワシワで。とても美しく紅葉するようには見えなかった…らしい。

とはいえ、20歳になったら綺麗になるんだ!と父の並々ならぬ熱き思いを注がれ続け、無事に成長してこれたので赤黒いシワシワからは無事に紅葉したのかもしれない。

けれどこの20歳になったら綺麗になる、は呪いのように私に付き纏い続けた。反動もあるのか高校時代の私は超ショートカット真っ黒に日焼けしたテニス少年へとなっていく。

そして大抵この美しさに関することって特に最近タブー感があるので、あまりこの由来について話すことはない。


子供は風の子という二つ目の由来の方を人には説明してきた。ワンパクっぷりが自分に合っていると思っていたこともある。

事実、私はかなりワンパクに育った。小さい頃は社宅の庭を裸足で駆け回り、昆虫を素手で捕まえて、近所を自転車でブンブン駆け回っていた。

親の前から風のようにフッといなくなることも多かったようで、恐ろしいエピソードがいくつかある。

親と一緒にCD屋を歩いていて、一瞬見失って気がついた時には陳列棚の角におでこをぶつけ、まるで第三の目のようにパックリ割れて出血してわんわん泣いている私がいたらしい。

しかも似たようなシチュエーションを3回もやらかしたらしく、今でも私のおでこには傷跡が残っている。ハリーポッターみたいな稲妻型ではなく、横一文字が3本(傍目にはシワにしか見えない)

そんなこんなで私はスクスクと育って行った。しかし小学校に入る頃、かなり大きなアイデンティティの喪失感を味わい続けることになる。

身近すぎる、そして似過ぎている名前の偉大な兄


私には兄がいる。兄の名前は「颯」。名前を見てわかるように兄にも同じ願いが込められている。子供は風の子という願い。

しかし、まぁこの名前、誰がどう見ても颯と楓は兄弟だ。名字が割と多くある名前ならまだしも、やや珍しい名字なのも相まって100%兄弟と誰もがわかる。

小さい頃の習い事ってだいたい、お兄ちゃんがやっているからという理由で妹も同じことすることが多いと思う。親の負担も考えると合理的だ。

それ自体は悪いと思わない。むしろ身近にモデルがいるから一緒に頑張って続けてきた。なんなら兄は割と優秀だったので目標としてとても良かった。

でもそれは家族内での話、習い事の先生から見ると、どう見ても私は「あの優秀な颯くんの妹」なのだ。自分で言わずとも明らかに妹。

だから私自身をではなくて、颯くんと比較されることが多かった。颯くんは〇〇なのに、颯くんは〇〇だけど。ポジティブもネガティブもどちらもあったけど、常に颯くんが付き纏った。

書き間違え、読み間違えもたくさんされた。しかも割とショックなことに、ある大会で表彰された時、表彰式で呼ばれた賞状の名前は颯だったこともある。

わかる。読みにくいし、ちっちゃい文字だと区別がつかないのもわかる。でもめちゃめちゃ悲しかった。そしてとってもイライラした。

すっごく名前が好きなわけではないのに、でもなぜか間違えられることだけは許せないくらい嫌だった。多分それは「颯くんの妹」として名前を覚えてもらえなかった過去があるから。

私は私なのに、私の名前で読んでもらえないことがとっても嫌だった。

だから私は絶対に人の名前は間違えないと固く誓って生きてきた。髙橋さんや渡邉さんの漢字には人一倍気を遣っている気がする。

その分、私の名前を間違えられてしまうと結構悲しくなる。けどよく間違えられるんだなぁ、これが。

中学校になると兄とは学校も習い事も違うことになったので颯くんの妹と呼ばれることは減った。それでもやはり楓という名前を見ると、颯のマネしてつけられたんだろうな。みたいな悲しい気持ちがあったのは事実。

英語のおかげでかえでという名前が好きになる


由来を口にするのは恥ずかしいし、近くに似すぎた名前がある。そんな状態で私の自分の名前嫌いは膨らんでいった。

そんな私に転機が訪れたのは、英語を使って話すシーンが訪れたこと。

英語で挨拶をした時、しばしば言われることが、「かえでって名前は初めて聞いた!」ということ。そんなに多くない名前で、アメリカ人には馴染みのない音らしい。

そんな時大体名前の意味を聞かれるのだけど、楓はとっても説明がしやすい。だって、楓は紅葉(maple)だよ!って伝えたらそれで全てだからだ。

そしてmapleと名付けてもらった理由として、秋に綺麗に紅葉するからって説明をすると大抵アメリカ人は感嘆してくれる。

「日本の秋は美しいよね、紅葉が見事だよね。京都行きたいわ。」みたいな。

そうこの体験を繰り返したことで私の名前に対する嫌な気持ちはどんどん薄れて行った。

兄と似過ぎた名前は、アメリカ人にも伝わりやすい名前として。
綺麗になる!という若干ヘビーな父の願いは、日本の美しさを想起させるエピソード
として。

名前に対するネガティブな感情が薄れていくと同時に愛着も湧き、mapleが大好きになった。だから色々なmapleグッズを手に入れるし、カナダ🇨🇦が好きになるし、🍁の絵文字を多用するようになった。

今では私は胸を張って、自分の名前が好きだと言える。たくさんの人と感動を呼び起こして共有できる名前だと言える。

そして秋の紅葉した楓を見るのが好きになった。もうすぐでまた秋が来る。今年もたくさん写真を撮りたいな。


去年の秋、京都の楓


大好きな瑠璃光院の写真

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ここまで読んでいただいてありがとうございました。

親からのいろいろな願いがこもり、人生を共に生きていく名前について、一度深く見つめなおす機会がもらえてとてもよかったなと思います。マホさんの名前についての記事が大好きで、私も名前について考えてみたかったのでネタ頂けて良かったです!
マホさんの記事、ぜひ読んでみてください…!


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