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有権者からの信頼のために。品川区長選・再選挙を勝ち抜いた、森澤区長の意外な戦略。


昨年12月に行われた品川区長選の再選挙。法定得票数に届かずに行われる首長選挙の再選挙は、東京都内では初となる異例の出来事となりました。そんな波乱の再選挙を勝ち抜いた、森澤恭子さんに当時の思いや勝因についてお話を伺います。

今回はkaeka代表・スピーチライターの千葉佳織がインタビューを行いました。(以下、敬称略)

登壇者紹介

森澤恭子さん@kaeka銀座校

品川区長 / 森澤恭子
東京都品川区長。1978年神奈川県茅ケ崎市出身、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2002年に日本テレビに入社し、外報部や政治部の報道局記者として勤務。日本テレビ退社後は森ビル株式会社広報室、ベンチャー企業を経て、2017年から東京都議を2期5年務めた。2022年12月より東京都品川区長。


千葉佳織 

株式会社カエカ代表取締役 / 千葉佳織
株式会社カエカ代表取締役・スピーチライター。 弁論を15歳からはじめ、全国弁論大会で3度の優勝、内閣総理大臣賞の受賞を経験。 2019年、株式会社カエカを設立。経営者や政治家などを対象とするスピーチライティングやトレーニングのほか、教育機関でも講師や研修を手掛け、これまで4000人以上に指導を行ってきた。


振り返ると再選挙は貴重な時間に。有権者に頼れる姿を見せるために森澤区長が選んだkaekaの伝え方トレーニング

千葉:改めて再選挙を振り返って、いかがですか?

森澤:こう言ってしまうと結果論になってしまいますが、振り返ると再選挙の時間はよかったと感じています。改めて政策をじっくり深める時間を取り、それを話すことで自分の政策に自信をつける期間になりました。

また、1回目の選挙で自分に足りなかったところを踏まえて改善して成長するというサイクルの中で自分自身としても成長することができる貴重な時間だったと思います。その過程で、さらに努力を積み重ねる必要があると思い、戦略の一つとしてkaeka の伝え方トレーニングも受講させていただきました。

千葉:kaekaの伝え方トレーニングを選んだ理由を教えていただけますか?

森澤:1回目の選挙を終えて、2回目の選挙にのぞむことになったとき、 有権者の方に、リーダーとしてより一層信頼していただける、頼りがいのある姿を見せなければならない、と強く感じました。
有権者の方に頼れる姿を見せ、信頼を勝ち取るために鍵になると思ったのが、演説であり、伝え方でした。

話すことにはもともと悩みを抱えていて、改善したいと思っていたんです。自分の話し方はアナウンス口調のため声が高くなる傾向にあり、演説で力強く人に訴えかけることができていない、ということが悩みでした。ただ、改善方法が分からず、自己流でやっていました。

自己流ではなく専門家に習って、自信をつけて演説に臨みたい、そんな時にkaekaの伝え方トレーニングに出会いました。kaekaでは、実績のあるスピーチトレーナーが専属で自分の伝え方への悩みに向き合ってくれます。一人一人に合わせた個別のトレーニングで悩みを解決することができ、政治家のサポート経験が豊富である、というのも決め手になりました。

千葉:実際にトレーニングを受けてみて、1回目と2回目の選挙で変化はありましたか?

森澤:街頭演説を立ち止まって聞いてくれる人が増えた、と一番目に見えるところで実感しました。自分としても1回目より自信を持って話すことができるようになっている感覚があり、トレーニングの成果がしっかり出ていたと思います。

2回目の出陣式の後、普段からよく私の演説を聞いてくださっている支援者の方から、「出陣式での演説が本当に良かった、施策についてもちゃんと伝わってきた」と言っていただいたのもよく覚えています。
実は1回目の出陣式では演説が終わった後に、高齢者に関する施策について言及はないの?と言ったご意見をいただいていたんです。ただ、当時かなりの割合で高齢者に関する施策を話していました。それを聞いた時に、内容が全然伝わってない、聞いてる人に残っていないんだと気づいたんです。そんな反省もあったので、2回目の出陣式後の感想は特に嬉しく、記憶に残っています。

千葉:そうですね。話しているとどうしても聞き手に全て伝わっている気がしてしまいますが、実際には聞き手は話をすべて覚えることは不可能です。内容を細かく正確に聞き取ることはとても難しいことだと思います。話をすべて伝えているはずが、話し方のせいで伝わらなくなるのはもったいないです。
例えば、「2つ目の政策は従来行われてこなかった子育て政策を行うことで、すべての人が安心して暮らし、誰もが笑顔になれる場所づくりを実現します。」という文があったとします。伝えているようで、重要なワードが多すぎて音声で聞くとなんとなくしか理解できません。しかし「2つ目は、子育て無償化です。」と短く区切って話をすると、話の構造がわかりやすくなる、かつキーワードを相手に印象づけることができます。
演説は限られた時間の中でいかに印象づけられるかが重要です。だからこそこのような細かい配慮の連続が必要です。その配慮には、言葉の構成だけでなく、音声情報の工夫、身振り手振りなどの動作工夫も入ってくるんです。相手ありきの細かな配慮で作る一つ一つのアクションが、覚えてもらうためにも大切だと考えます。

森澤:本当にその通りですね。kaekaでは演説内容はもちろん、ジェスチャーや視線、抑揚といったあらゆる面からたくさんアドバイスをいただきました。


森澤:あと演説以外では、1回目よりたくさんの方々がボランティアに集まっていただいたことが印象的です。「投票するだけじゃ変わらないから、自分も何か力になりたい」と言って、会社への出勤前後に集まって助けてくださった方がたくさんいました。私は無所属で選挙に望んでいたため、こうした様々な人の協力、その熱量が集まってこそ、選挙に勝つことができたという事実に本当に感謝しなければいけないと思います。


kaekaで話すという行為に真正面から向き合い、政策を伝えるということに全力を注いだ森澤さんが気づいた、言葉の力と伝え方の力ついて

千葉:改めて言葉の力についてどのようにお考えでしょうか?

森澤:いい政策があっても伝わらないと意味がないです。そして政策を伝えるというのは、思っているよりもとても難しい気がしています。興味を持ってもらって、話を聞いてもらって、初めて政策が伝わるので。
だからこそ言葉の力はとても大きいですね。伝え方一つで、好印象にもその逆にもなります。言葉の力を味方につけると、かなり強いと思います。

あとは、伝え方が自信につながるということも改めて感じました。話し方が人格形成の一つになり、そこも含めて自分として見られますよね。だからこそ、伝え方が一つできるようになることで、自分も自信を持てるし、人にも認められると感じます。

千葉:伝え方ができるようになると、結果につながりやすいというのはありますね。特にリーダーをやる人には本当に大切なスキルだと思います。

森澤:私もそうでしたが、演説の仕方ってどうしても自己流になりがちなのでぜひ基礎から学ぶことがすごく大事だと思います。プロに教わると、伝わり方が変わりますからね。

千葉:kaekaでの学びで特に印象に残っていることがあれば教えてください。

森澤:本当に全部印象に残っているというのが率直な意見です。意識していたはずの腹式呼吸について、改めてやり方を教えてもらって正しいやり方を知りました。間の確保についても、ゆっくり話すことと間をとることは別のことで、間よって話の印象が全然違ってくる、という気づきを得ました。他にもジェスチャーや抑揚などあげればキリがありません。
ただ、一つ言えるのは話すってなんとなく誰にでもできることのような気がするけれど、話すという行為にきちんと向き合って自分の中で考えて練習するっていうプロセスのなかに話し方の上達があるということ。当たり前ですけど、練習が必要で、かつ継続しないと忘れてしまうので、反復練習、継続練習は必須ですよね。

千葉:森澤さんは前向きなお人柄やこれまでの実績から、もともと説得力のあるお話をされていらっしゃいますよね。すでに実力をお持ちの森澤さんが学ぶことによって、さらに伝え方が伸び、ご自身の確固たる強みになっていらっしゃるのではないかと思います。


今後の品川区は、誰もが自分らしく暮らすための道を切り開くことができる街を目指す

千葉:品川区長としての活動をスタートされた今、ご自身の話し方について思うところはありますか?

区長として話す機会が多いからこそ、より話し方の訓練は必要になりますね。選挙の演説の時は練習して臨むことができたんですが、今取り組んでいる挨拶なんかは練習できないものも多いので、そういう場でも自分の言葉で伝わる話し方をしていけるようになりたいです。話し方から、区長としてもっと頼れるぞっていうところをしっかりと出していきたいです。


千葉:今後の品川区長としてのビジョンに関して教えてください。

今年は「新時代のしながわ」の元年にしたいと思っています。「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川」を作るためにも、しっかり一つずつ政策を進めていくというところですね。

品川って意外といろんなものがあるんですよ。旧東海道などの街並み、武蔵小山や戸越銀座商店街、目黒川や天王洲などの水辺空間...みたいに。そういった、いろんなものがうまくつながって、品川のブランディグになり、活気を帯びるきっかけになり、経済の活力になって欲しいと考えています。

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