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日記

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2022年12月の記事一覧

2022年12月22日(木)

会議の関係で月に一回だけ白シャツを着る日があってそれが今日だった。白シャツの私の存在によって、ああ今日はあの会議か、と従業員たちが思っている、という想像をするが誰も私のことなんて気にしていないよ。白シャツを着ている自分というのに違和感があるが、これは似合う似合わないの問題ではなしに、もう少し概念レベルな話である気がする。社会性を発揮している自分に対する嫌悪、というとそれはそれでダサいが結局そのよう

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2022年12月21日(水)

物欲がとめどない。アウターの玉突き移籍が起きている。これを買ったからこれを売ってその金でこれを買おうという皮算用を、永久にやっている。ボリュームのあるフードの膨らみに勝てないプレーンな造作なので、そのようなダウンを放出するか。

2022年12月20日(火)

スリッパに対して自分が持っている感情が、好きなのか嫌いのかということを決めかねている。そもそもそれを履く習慣が長らくなかった。新居に来るに伴って、妻と色違いのそれを買った。まだそれがある生活に慣れていないから、床の冷たさに触れてしばらくするとその存在を思い出す、という程度の関係性でしかない。暖かいが、それは諸手を挙げて喜んでいるという感じではなくこの冷たさの前には背に腹は代えられないという感覚で、

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2022年12月19日(月)

自宅から最寄駅まで辿り着くルートに複数の選択肢がある。歩道が広いからか住民の経済状況からか、前に住んでいたところよりも大型犬を多く見る。冬の犬は外界の冷たい空気に触れされる自分の身体部分の表面積を少しでも減らそうとしているのか、尻尾を尻にくっつけている。

2022年12月18日(日)

鳩の湯に行く。前に住んでいたときからだいぶ綺麗になっている。コンサル銭湯のど真ん中という風情だった、五名ほど収容可能なサウナもあった。背中に和彫りが入っている方が、彼らが仲間なのか全く無関係なのか悩む程度にはその絵柄が類似していた、二人いた。彼らはいずれも、より熱を感じられる上段にはたとえそこが空いていたとしても上がってこなかった、私はこぞって上段を確保した、併置されている二人の背中に彫られた絵柄

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2022年12月17日(土)

大学の頃の友達の家に行く妻に途中までついて銀座に行く、行き方としては東京駅までまず行ってから八重洲口から歩いていく。東京駅の出口のうちのあまり来ない方という印象がいつまで経っても抜けない、それは実質の来訪頻度とは別のところで決まってしまってこの先更新されることなど余程のことがない限りないだろう。タリーズで時間を潰してから銀座の天龍に向かう。一口という単発ではなく累積で考えられている、口に運んだとき

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2022年12月16日(金)

地下通路に敷き詰められた正方形のタイルの溝と、私と並走する人間が引き連れているスーツケースのキャスターとがかき鳴らす音の安定した音程とリズム、時折挟まれる点字ブロックによる破調。かねてから要請で、オフィスグリコへのグミの導入がなされていた。忍者めしのハード版。

2022年12月15日(木)

昼時までは一人で在宅勤務だった。昼飯に、以前東京都から送られてきた食糧支援物資に含まれていたインスタントのカルボナーラのパスタソースを食べる。液体としてのカルボナーラソースが小分けにされたりすることなしに、パウチの中に二人前ぶん入っている。バランスを取るべく必然的に、茹でる麺量も二人前になる。食べる人間は一人しかいない。
妻が健診から帰ってくる。順調に育っている。性別判定のために股間部分を執拗に撮

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2022年12月14日(水)

部下と面談をする。一丁前だと思う。多かれ少なかれ演技をしている日常の、その度合いがピークに達するこれは瞬間である。上長としての思想の核を欠いているから、その指示の出し方や相談を聞く振る舞いもその場凌ぎになる。

2022年12月13日(火)

新居における在宅勤務の日の朝に作業するための場所の候補のうちの一つに行く。東京の都心部では決してない土地のリージョナルチェーンのカフェ特有の広さ。かつてはそこは同じ企業が運営している別形態のファミレスだった、内装のリノベーションや家具の新調はなされているけれども席の配置はそのときから変わっていない。学生時代はそこでテスト勉強をしていた、そのときの残滓は特にない。

2022年12月12日(月)

議論をどこまで収束させずにいられるのかというのが目的なのか? という会議に身を置く。私もその一旦を担う。不相応な役割に求められるであろう発言を、心底思っているわけでもないのにしてしまう。

2022年12月11日(日)

生活をより良くしていくということに、特段疑問を持つことなしに、それを感じそうになっても真剣に取り合わず棚上げしながら没頭できているモードであるうちに、たとえば無印良品で石膏ボードの壁に刺せる壁掛けフックを三つ買う。そのうち二つを家に帰って装着する。それは何らかのアウターを一時的に引っ掛けておくことを想定している。アウターを探しているが、アウターというボリュームを持ちがちな洋服が似合う顔面をしていな

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2022年12月10日(土)

採寸が適当だったがゆえに先週購入したのでは足りなかったカーテンを買い足しに立川のIKEAに行く。生活のサンプルを並べているゾーンをスキップし、目的のカーテン売場まで近道を駆使して進んでいく。レジでは来訪者のエリア分析をするための情報収集として郵便番号の調査が行われていた。妻がずっと昔に住んでいた場所の番号をあえて入力した。千葉との境目に住んでいる人間が立川まで来ることはあるのだろうか? そういう楽

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