『わたし、定時で帰ります。』続編連載スタート

お知らせです。

今年の4月に刊行されました「わたし、定時で帰ります。」の続編が、新潮社の文芸誌『yomyom』の12月号からはじまります。

主人公の東山結衣は管理職にうっかり昇格してしまいました。周囲の目はより厳しくなり、「定時で帰る管理職」として実績を出すためには、「下請けなら俺たちの働き方に合わせるべき」とパワーハラスメントをはたらく裁量労働制で封建主義的企業から新規案件をとってこなければなりません。

ということで、続編のサブタイトルは「ブラック企業討入り篇」です。裁量労働制自体は悪いものではない、と私は思っていますが、封建主義的な企業に導入されると地獄です。人が人でなくなっていく様を、私も会社で働いていた頃、嫌というほど見てきました。

歴史上の人物から組織マネジメントのヒントを得るのは、ビジネスマンの習い。今回、結衣が彼らのパワハラに抗うべく参考にするのは、日本人なら誰でも知ってる「江戸幕府を揺るがせたパワハラ疑惑事件」です。

時は元禄十四年。千代田の城の奥深く、はたしてパワハラはあったのかなかったのか。それから300年以上も経った21世紀の日本でも、暴力には暴力で対抗するしかないのか。

ホワイトな職場環境を守り抜く戦いの中で、結衣と晃太郎との関係はどうなっていくのか。

ストーリーは前作より重くなりますが、結衣は相も変わらず定時で帰りますし、つぎつぎ新登場する「超ホワイト世代」の新人たちは結衣以上にふてぶてしく、書いていて愛おしいです。
また、先月起きた事件は今月の芝居小屋にかかっていたという江戸っ子の拙速さを見習い、当代のパワハラ事件ネタのパロディもリアルタイムで仕込んでいきます。いくつあるのか数えながら、ところどころ笑いながら、読んでいただけたら嬉しいです。

12月号に掲載されるのは、第1話「自称大型新人」と、第2話「素直すぎる子」。次号には3話と4話が掲載され、お話は赤穂城にむかう早籠のように猛スピードで進んでいきます。

オホホ、ぜひ、『yomyom』誌上にてお楽しみください!

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