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    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

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【読書感想】西洋美術史入門

画像はメタリックな梅です。もうすぐ春ですね。 毎月月末になると続々と読書感想を投稿する謎の秘密結社でおなじみジェイラボのけろたんです。今月も組織構成員のゆーろっぷさんとイヤープラグさざなみさんと一緒に本を読みました。取り上げたのは『西洋美術入門』(以下、本書) です。イヤープラグざざなみさんによる書評、イヤープラグさざなみさんとゆーろっぷさんによる読書感想note記事は次のリンク先です。 ゆーろっぷさん、さざなみさんとは 英国 The National Galleryのバ

    • 読書感想:野崎幸助『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』

      ヘッダー写真はスターチスのドライフラワーです。枯れているのか枯れていないのか。 野崎氏の性欲の強さに驚いたのは、自分自身のことを欲のない人間だと思っていたからかもしれない。しかし、よく考えてみると生物的機能としてはあまり変わらない。40年で4000人と関係を持つ (『紀州のドン・ファン』の副題参照) とすれば、単純計算で1年に100人。雑に3日に1回射精と考えても 、理解不能なほど氏の性欲が強いわけでもない。かくいう自分も筋トレをはじめ、肉を多く食べるようになってからはこの

      • 読書感想:伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』

        この記事はなんなのか? ジェイラボというコミュニティに所属しているけろたんです。ジェイラボでは、月に一冊、3人一グループの一人が推薦した書籍を読み、大いに語るという読書&書評活動があります。本稿は同チームのゆーろっぷさんに選んでいただいた伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』を読んだ感想です。 ゆーろっぷさんと、同じく同チームのイヤープラグさざなみさんの記事はこちら。(ゆーろっぷさんさんによるジェイラボ公式サイトでの簡潔な書評記事と、ゆーろっぷさんとイヤープラ

        • ジェイラボワークショップ第69回『部員が聴く 』【情報科学部】[20231127-1210]部長総括#JLWS

          今回のWS(座談会)の概要 みなさんこんにちは。けろたんと申すものです。(この記事はだいたい2500字ぐらいです。) このたび僕が部長を務めるジェイラボ情報科学部で2週間の発表 & ジェイラボのみなさんとのディスカッションを行いました。 Discord上で行われたテキストでのディスカッションは副部長のTsuboさんがまとめてくださります。(リンク未設定) この記事では部長総括として、オンラインミーティング形式で行われた座談会から、生活習慣と約束という2つのトピックについて掘

        【読書感想】西洋美術史入門

        • 読書感想:野崎幸助『紀州のドン・ファン 美女4000人に30億円を貢いだ男』

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          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          ジェイラボ基礎教養部の活動として蜆一朗さんに紹介していただいた加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』を読んだ。この記事はその読書感想である。面白い本を紹介していただいた蜆一朗さんに感謝(*>ω<*)ゞ!! 蜆一朗さんの記事はこちら。 Yutaさんの記事はこちら。 ● 簡単なまとめ この本には「数学が自由だ」という言い回しが何度か出てくる。 部分的に正しさを棚上げして理論を構築し、実り豊かな概念体系を得ることを指している。数学者の筆者から見ると、理論のある種の穴が、

          加藤文元『物語 数学の歴史 正しさへの挑戦』[基礎教養部]

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]部長総括#JLWS

          ジェイラボという秘密結社で情報科学部の部長をやっているけろたんです。 2週間に渡って情報科学部の発表を行いました。この記事では総括として、WSの企画意図の説明とそれがどの程度達成されたかの振り返りを行います。 WSでどのような発表、議論が行われたかを閲覧するためのログはこちら(副部長のTsuboさんがまとめてくださいました。) https://note.com/frasche/n/n16b2e8ffd303 ジェイラボ内部では、テキスト上でワークショップ的なものを再現する

          ジェイラボワークショップ第64回『語=言+吾 』【情報科学部】[20230918-1001]部長総括#JLWS

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          Yutaさんさんから紹介していただいた『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』を読みました。 Yutaさんによる書評はこちら↓! 蜆一朗さんの書評はこちら↓! <内容の感想> 第6章で、人間の子供は「AはBである」から「BはAである」を引き出すアブダクション推論が行えるということが紹介されていました。ふつうのチンパンジーにはできないらしいです。この生物的な特殊性がテコとしてはたらくことで、子供は言語を習得すると考えられているそうです。アブダクションによる知識は推量に

          今井むつみ・秋田善美『言語の本質』【基礎教養部】

          【書評】『反=日本語論』/話す技術【基礎教養部】

          蓮實重彦「反=日本語論」を読みました。内容もさることながら、フランス関連の雑学が身につくお得な本でした。民主主義や「制度」のところは急に話が大きくなってびっくりしました。 お盆で地元の人や親戚の人と話す量が増えるタイミングの前後で何度か読むことになり、コミュニケーションについて考える機会になりました。 口数が少ないためか思慮深いと思われてしまうことがあるのですが、脳がフリーズして話ことを構成するのに時間がかかっているだけです。過度に期待されても気まずいため、考えていることを考

          【書評】『反=日本語論』/話す技術【基礎教養部】

          養老孟司、甲野善紀『古武術の発見』【基礎教養部】[20230730]

          地球という惑星に生息するある種の毛のないサルは環境を改変する。そのサルは自分たちが群れて生活する場所を都市と称している。都市内外の物資輸送のため、障害物が排された移動経路は道路と呼ばれている。道路は大昔の動物の死骸が高熱・高圧環境で圧縮されたためにできたと考えられている油を加工した黒くて硬い粘土で覆われている。アスファルトと呼ばれるそれは、ときに一般名詞としても用いられるがたいていは単に最も近い恒星のことを指す太陽という星から放射された熱を蓄える。その熱量が季節というものを赤

          養老孟司、甲野善紀『古武術の発見』【基礎教養部】[20230730]

          ジェイラボワークショップ第60回『人工知能史から考える『頭がいい』とはどういうことか?』【情報科学部】[20230710-0723]部長総括#JLWS

          今回のワークショップでは、部員一人一人(部長除く)に、人工知能技術について調べてもらってことをまとめて発表してもらいました。(副部長のジパングさんによるまとめ記事が完成次第リンクを張ります。) 専門分野が人工知能に近い部員には技術的な内容を、そうでない部員には過去の人工知能技術について発表してもらいました。 座談会は部長欠席のため一瞬で解散になりました。近頃部長としての活動に魂が入っていない自覚があるので、この機会に情報科学部の部活動におけるWSの位置付けを再考します。

          ジェイラボワークショップ第60回『人工知能史から考える『頭がいい』とはどういうことか?』【情報科学部】[20230710-0723]部長総括#JLWS

          河合隼雄『子どもの宇宙』【基礎教養部】

          まえがき ジェイラボメンバーのイスツクエさんに紹介していただいた『子どもの宇宙』という本を読みました。(イスツクエさんの書評、note記事は以下のリンクから。) はからずしも、弊書評チームで岩波新書のタイトルが連続しました。前回は『人工知能と人類』という人工知能史の概観と人間の知性についての哲学的な考察を行う本でした。 (書評はこちら) うってかわって今回は、児童心理を分析した本です。自分がまったく触れないジャンルの本でした。普段目にする心理学的な知識といえば、ネットで

          河合隼雄『子どもの宇宙』【基礎教養部】

          長尾真『人工知能と人間』【基礎教養部】

          長尾真『人工知能と人間』を読みました。 書評はこちらです。 <2023-06-01 追記> Daikiさん、イスツクエさんに感想を書いていただきました!! この記事は感情についての雑感です。 人工知能が感情を持ちうるかが取りざたされるのは、人間には当然感情が備わっているとみなされているからだ。人間にしかできないことが機械にもできると、神秘性が失われるような気がする。「すくなくとも人間というやり方では実現できていることなのだから、ほかのしかたでできないことはないと思う」と

          長尾真『人工知能と人間』【基礎教養部】

          ジェイラボワークショップ第48回『都市と資と利と』【情報科学部】[20230206-0219] #JLWS

          筆者が属するコミュニティ上で2/6~2/19の2週間、ワークショップの発表を情報科学部として担当しました。この記事はそのまとめです。情報科学部部員があらかじめ「大都市はどうやってできるのか」を読み、要約とそれに関連する質問を投稿してジェイラボの皆さんに意見を募るという形で進行しました。 初日けろたん みなさんこんばんは。けろたんです。 今回の情報科学部のWSのテーマは、社会の情報化を検討するにあたって避けては通れない「都市」です。 題材として「大都市はどうやってできるのか

          ジェイラボワークショップ第48回『都市と資と利と』【情報科学部】[20230206-0219] #JLWS

          野口悠紀雄「『超』整理法」[20221211]

          この記事は、次のリンク先で書評を書いた(未設置) 「超」整理法に関係があるようなないような話です。 「超」整理法の著者である野口悠紀雄氏は、近著で音声入力によるアイデアのメモを推薦しています。また、経済評論家の勝間和代氏もブログ上で音声入力でいかに楽に文章を作れるかを発信しています。私もこの二人に影響を受けて、音声入力を取り入れてみようとしたのですが何度か挫折して今に至るまで使わないままです。 以下がその理由です。 1. 読むに耐える文章を口述する作る能力がないので、口述に

          野口悠紀雄「『超』整理法」[20221211]

          ジェイラボワークショップ第41回『喧々研究科学諤々』【情報科学部】[20221010-1023] #JLWS

          ========================= この記事は筆者が所属している秘密結社の活動ログです。 ========================= 皆さんこんばんは。けろたんです。 本日から2週間情報科学部WSよろしくお願いします ジェイラボ部活動の名前を見ているとあることに気づきました。 科学とつくのは情報科学部しかありません。 ということで、科学がどんなものが議論していきたいと思います。 WSのタイトルは「喧々研究科学諤々」です。 進行は以下の流れです。

          ジェイラボワークショップ第41回『喧々研究科学諤々』【情報科学部】[20221010-1023] #JLWS

          倉下忠憲「『やること地獄』を終わらせるタスク管理『超』入門」[20221009]

          呂布カルマがマイクの持ち方がなっていないラッパーワナビーに小言を言っていた。 どんなにいいこと言っても聞こえなければ意味がない。 非本質に見えて、それがなければ本質もなりたたないような技術の集積がアウトプットの基礎になっている。 手先の運動制御から集中の保ちかたまで、それ自体はささいな、行為に特有の技術で支えられているのは考えることも同じだ。 我々は学校を通じて教育を受ける。机に座れない子供を机に座らせるようにするのが教育である。それは学ぶうえでは非本質だが、学校で教える

          倉下忠憲「『やること地獄』を終わらせるタスク管理『超』入門」[20221009]