先天性食道閉鎖症が発覚した時の話②
前回までの経緯は以下の記事で。
https://note.com/kaeuta_sono/n/nabdb45b9857d
初めて知る病名、先天性食道閉鎖症
不安でしばらく眠れなかったとは言え、やはり出産は大仕事だったので、知らないうちに少し眠ってしまっていましたが、深夜2時過ぎの夫からの電話で目が覚めました。そこで告げられたのは以下の事。
全部検査が終わったが心臓や脳は全く問題なかったこと。
喉にカテーテルを入れた時に、奥まで入らずに先端がカーブしてしまうから、もしかしたら食道と胃が繋がっていないかもしれないこと。
今は夜間で小児科の先生がいないから、明日の朝しっかり調べてもらって、場合によっては手術になる可能性もあること。
これを聞いても、いまいちすぐにピンとこないことばかり。
ただ、一刻を争うというわけではなく、現に娘は、不安そうにキョロキョロしていたもののすごく元気そうだとのことで、少しほっとしました。
筆者と同じくらい不安だったはずですが、直接付き添っていた夫が落ち着いていたことがせめてもの救いでした。
そして、翌日一緒に娘がいる病院へ行くことに。
電話を終えた後こそ、様々な考えが頭を巡りました。
命には問題ないということでよいのだろうか。
食道と胃が繋がっていないとは、どれくらい深刻なことなのだろうか。
病気の知識が全くないので不安になります。
「新生児 食道と胃が繋がっていない」と検索してみたところ、初めて目にする病名が出てきました。
ー先天性食道閉鎖症ー
約5000人に1人の割合で発症する先天性奇形。
同じ病気でもいくつかのタイプがあり、半数以上に当てはまる型から、稀なものまである。
心臓や肛門など、他の臓器との合併症がある場合が多いという情報も。
その型によって、手術の難易度はかなりかわること。
どちらにせよ難しい手術ではあるようでしたが、症例はある程度多いこともわかりました。
そこから、ほぼ寝ることができませんでした。
娘は、今日産まれたばかり。
なのに、早くも手術する可能性がある。
あんなに小さな体で、手術に耐えられるのだろうか。詳しくは翌日検査してみないとわからないとは言え、喉に管を通して奥まで入らなかった時点で、可能性はかなり高い訳です。
あれこれ考えるうちに、結局朝を迎えました。
心配してくれた義両親に車を出してもらい、4人で病院へ向かいました。
出産の際出血が多く貧血の数値が出ていたようで、看護師さん達から外に出るのを心配されましたが、お産の疲れも寝不足も、産後の腹痛も貧血も、全く感じないくらいに、頭は娘の事でいっぱいでした。
病院へ着くとすでに諸々の検査は終わっており、すぐに結果を聞くことができたのですが、やはり先天性食道閉鎖症でした。医師から伝えられた内容は、自分たちで調べたこととほぼ相違はありませんでしたが、検査結果に加え、手術の内容、考えられる様々な可能性やリスク、術後の処置の進め方に関して、健康保険に関して、高額医療に関してなど、娘に対する心配で埋め尽くされていた筆者の脳には、どれもすんなりと入ってきませんでした。
ただ、その翌日に早々に手術ができるよう病院がスムーズに手配してくださったことが何より有難くて。もちろん、手術してみなければわからないことはまだいくつかあったものの、手術をすることで確実に状態は良くなるのです。
やはり何も状況がわからなかった前夜とは比べ物にならない程、自分の気持ちは安定していました。手術に対する不安はあれど、あとは専門医に任せるのみ。命に別条がないことが分かっただけでも、有難さでいっぱいになりました。
その翌日に、6時間に及ぶ大手術を無事に終えたのですが、その後NICUでの入院を経てわずか3週間強で退院という順調な回復を見せてくれたので、これ以降の話は一旦割愛しようと思います。
ただ、退院してからも何度か入院手術をしたり、食事面で苦労したことはたくさんあるので、またそのうちエピソードごとに書き残していこうと思います。
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