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短歌

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短歌-3

短歌-3

日時計と なめらかに動く 秒針は 「刻む」と無縁 無音の中で

実験的人生 毎日黒焦げで 生きている

初結露 観測したのは スイミングスクールバス

眼の前に 広がる家々 その空気 薄暗い車内からの 解放

5.短歌-2

5.短歌-2

建物が 壁と化す街 渡るとき 左の先に 月と目が合う

闇の中 とくとくくろぐろ した葡萄 音と香りに境界なし

電車が失速し 耳に流れ込む 虫のうた

秋雨や 打ちつけるのは 蝉の腹

3.短歌-1

3.短歌-1

交差点 眼鏡の水面 赤青黄

おじさんの でかい態度と 肩幅に わたしはすっと小さくなる

さくぱらら いのしし踊る 茶筒からふわり