[AIの限界] 電子は実在であるかと訊く

これは、言葉の定義に問題がある(物理では2つある)のと
射影仮説をベースにする量子情報論学者(実在性はない)と
目の前を素粒子が飛ぶという現実をまの当たりにする素粒子論学者
(新しい実在の定義が必要)の論争が、20世紀~今世紀初頭ありました。
AIが両論併記でなく一方だけ答えたり、まだ論争中であるように
答えるということが「AIの限界」と思います。
定義1.仮説やモデルではないという意味の「実在」
定義2.EPR論文でいう意味の「実在」
    標準の(学部で習う)量子力学では「実在」ではない
    多世界解釈では「実在」である(難点が多い)

問1 物理では、電子は実在ですか

chatGPT3.5:
>物理学の観点から見ると、電子は実在すると考えられています。
>電子は素粒子の一つで、標準模型と呼ばれる素粒子の理論的な枠組み
>において存在しています。電子は電荷を帯びた粒子であり、
>電磁気相互作用に関与しています。
>、、、
>したがって、物理学において電子は実在すると考えられ、
>その性質や挙動に関する研究は広く行われています。
//   
MS-Copilot:
>物理学における電子の存在については、量子力学という理論が
>中心的な役割を果たしています。
>量子力学の一つの解釈である「コペンハーゲン解釈」によれば、
>世界を構成する基本物質である原子や電子、素粒子は「実在しない」
>とされています。
>しかし、これはあくまで一つの解釈であり、
>物理学者の間でも議論の対象となっています。
>したがって、電子が「実在する」かどうかは、どのように「実在」を
>定義するか、またどの理論や解釈を採用するかによります。
>このため、物理学における「実在」の定義や理解は、常に進化し続けて
>いるのです。
//
問題点:
chatGPT3.5では、EPR論文でいう「実在」は完全に無視されています。
MS-Copilotでは、「物理学者の間で議論の対象となっている」
「実在の定義や理解は、常に進化し続けている」とありますが、
それは、20世紀~今世紀初頭の話です。
「議論」は、「わかっていない学者」がするだけと思います。

問2 電子は、EPR論文でいう実在ですか

chatGPT3.5:
>、、、電子に関しては、量子力学の観点では波動関数によって
>記述され、特定の位置や運動量が観測される前には確定していない
>とされています。
>したがって、EPR論文の議論においては、電子は要素実在性に反する
>可能性があります。
>しかし、このような議論は量子力学の解釈に関する哲学的な側面に
>触れており、異なる立場が存在することに注意が必要です。
//
MS-Copilot:
>、、、したがって、EPR論文で主張される「実在」の定義に基づくと
>電子は「実在する」ものと言えます。
>しかし、量子力学全体を考慮すると、その「実在」は、
>局所的な影響のみを考慮する古典的な理論とは異なる性質を持つこと
>が明らかになります1。
>このため、電子や他の量子粒子の「実在」についての理解は、
>量子力学の枠組み内で解釈する必要があります。
//
問題点:
chatGPT3.5では「電子は要素実在性に反する可能性があります」ではなく
「反する」のは明白です。
MS-Copilotでは、「電子は「実在する」ものと言えます」は、
誤りです。
また、量子力学のある極限が古典的な理論ですから
「量子力学の枠組み内で解釈」というのはナンセンスです。

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