中国が良く使う戦略「〇〇は明や清の時代に朝貢冊封していたから中国に属するものだ」というプロパガンダを知ろう

中国の朝貢冊封というのをご存じだろうか。

中国は歴史的に、中国の各王朝が他国/中国の周辺国に対して、「中国の皇帝にあいさつに来てくれ」とお願いしたり、脅迫したりしてきた。
これを朝貢といい、朝貢をした国々に対して中国が一方的に称号を与えてきた。
これが意味するのは、「君には、中国の属国として、この称号を与えよう。これで君は中国の属国だ。」と中国側が一方的に認識するというものであり、冊封体制と呼ばれる。

この朝貢と冊封を併せて、「朝貢冊封」と中国は呼んでおり、中国は朝貢冊封をした相手国を「中国の属国となった証である」と主張してきた。

これはとんでもない話で、中国にお願いされるから、対等な交易関係にある国として中国に使者を送ったという国でさえ、中国から一方的に称号が与えられて、「朝貢冊封として中国の属国になった」と言われるのである。

中国はこの理屈を使い、世界中の様々な国や地域を、「かつて中国の属国であったのだから、中国のものにすべきである」などというプロパガンダを流している。

日本でこの被害にあっている最たる対象が沖縄である。

沖縄はかつて琉球と呼ばれていた。
戦国時代に薩摩藩の島津氏との戦いに負けて以来、島津が琉球を支配した。
江戸時代に入ってからも、島津は琉球を支配することを江戸幕府から許可を得たことによって、薩摩藩が琉球を支配していた。
江戸時代は鎖国政策がとられていたため、長崎の出島を通じて江戸幕府の許可がなければ外国と貿易することが出来なかった。
だが、薩摩藩は琉球を「琉球王国」として、あたかも、日本とは違う外国のように見せて中国やアジアなどと貿易を行っていた。
つまり、本当に琉球王国というものが存在したのではなく、当時の日本政府である江戸幕府の鎖国政策の抜け道を作って外国と貿易をするために、「琉球王国」という看板を沖縄は持つこととなった。
その「琉球王国」は中国と貿易するために、「琉球王国」として中国に朝貢冊封していたのであり、当時の資料からも、中国の明王朝や清王朝は「琉球王国」は薩摩藩の支配下にある日本国の一部であることを認めていたことがわかっている。
にもかかわらず、中国は現在、「中国はかつて、明や清が琉球王国を朝貢冊封の対象としていたから、琉球は中国の属国だった」という嘘をついているのである。


中国はかつて、中国に朝貢冊封した国として、日本の他に、イギリス、イタリアなども挙げている。
これをもって中国はかつて日本やイギリス、イタリアに対しても、「お前の国は中国の属国だ」と主張したことがあるのである。
この考え方は現在の中国共産党でも変わっておらず、現在も隙があれば、いかなる国も中国の属国として乗っ取ろうとしているのだ。

中国というのが、いかにとんでもない存在であるかを認識することは、国家安全保障上、重要なことなのである。


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