目くそ鼻くそを笑うシリーズ:日本は報道の自由があるという幻想

あなたは人を騙したい時、どうするか?
どうすれば最もうまく騙せるだろうか?
まずは騙せる方法で騙さなければならないが、相手が騙されたことに気付いた時、相手に反撃される危険性がある。
オレオレ詐欺の優れている点は、もし仮に騙された被害者が振り込んだお金が「(本当はニセモノだが)本物の息子を助けるためにお金を振り込んだ」と思い続けた場合には、被害者は騙されたと気づかない点にある。
そう、相手を騙すときには、相手が騙されたとか、騙されていると気づかないようにするのが最も良いのだ。

テレビや新聞などのメディアは、民主主義国家において国民を「騙されていると気づかされないように騙す」為に作られた。
とある国の歴史教科書の最初の文言に「歴史は改ざんされるものであり、メディアは嘘をつくものである」と書かれている。
これは誰しもが必ず知っておかなければならないことであり、歴史の改ざんやメディアの嘘は世の中にあふれていることを当然に知らなければならない。

日本は幸か不幸か、中国や北朝鮮、韓国、台湾といった、あらゆる自由が極度に制限された国の隣にある。
多くの日本人は「中国には報道の自由がない」、「北朝鮮は独裁国家で報道の自由がなく、国民はとても抑圧されている」と思っており、「日本は民主主義国家で、報道の自由があってとても良い国だ。中国や北朝鮮とは比べ物にならない」と思っている。
果たしてそうだろうか。

日本は世界的に報道の自由度が低いと評価されている。
その最たる原因が記者クラブの存在だと言われている。
記者クラブというのは、特定の報道機関に対してのみ、政府機関に対する取材を許されるというような制度なのだが、その場で必ず報道制限がされる。
つまり、記者クラブで開示された内容を自由に新聞などの記事にして良いというものではなく、必ず「こう書け」「これは書くな」と指示が出され、次回以降も記者クラブに参加できるように、記者クラブ会員の報道機関は報道内容の打ち合わせをする。
特定の話題について大手メディアの記事を比較してみてもらうとよくわかるが、報道内容はほとんど同じであり、酷い時には新聞記事のタイトルが一言一句同じということさえある。

日本には、「そもそも報道されていないので国民が全く知らないこと」というのが山のようにあり、大手メディアは「報道しない自由」を行使することで日本では情報が統制されている。
これにより、多くの日本人は「知らないために騙されていることに気付いていない」ということが多い。

日本と北朝鮮や中国を比較するとどうだろうか?
北朝鮮ではそもそも報道されないので情報統制されていると思いやすいかもしれず、中国も同じような状況だ。
一方で日本では十分に報道されていると思い込まされているので、情報統制されていることに気付かない。
これを時に「日本は明るい北朝鮮だ」と表現されることもある。

中国や北朝鮮を「報道の自由がない国」と馬鹿にする日本人がいる。
だが、報道の自由に関して、日本は中国や北朝鮮と大して変わらない。
報道の自由に関して日本が中国や北朝鮮を馬鹿にすることは、正に、「目くそ鼻くそを笑う」ことなのだ。

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