科学者の心得:科学者の卵の君へ捧げる言葉

筆者は科学者の中でも物理学者だと思っている。
物理学者としては、とてもレベルが低いが、それでも物理学的な視点を中心として、あらゆる物事を考える上で科学的な基本を大切にして物事を見ている。

以下の言葉は主に理系の学生や科学者の卵に向けて、科学者の心得として、科学者を目指す全ての者にとって重要な初心を送る。

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科学者としての道を選んだ仲間として、科学者として先を行く者として、科学に対する向きあい方について話したいと思う。

科学には必ず、利点と欠点がある。
全ての物事に利点と欠点があるように、科学にも利点と欠点がある。
さらに、科学というものは未だにわからないことだらけで、絶対というものはない。
学校や大学などで学ぶことの多くも、「現在ではこれが正しいと思われていること」というものがほとんどで、実際には「実は間違っているかもしれない」ということもあることを覚えておいてほしい。
そして、今までは正しいと思っていたことを全て否定するほどの勇気も持ってほしい。

偉い人が必ず正しいことをいうということはなく、偉い人も間違うことが必ずある。
その逆に、偉くない人や若い人が言うことは必ず間違っているということもなく、偉くない人や若い人の方が正しいことも往々にしてある。
要は、変なプライドを持つこともなく、自分を卑下することもないということだ。

大切なのは決めつけないこと、そして、「よくわからないものには手を出さない」こと、「よくわからないことは、わからないままにしておき、『結論はこうだ』と決めつけることは絶対にしてはならない」ということを覚えておいてほしい。

科学はどんな技術についても、利点と欠点があるだけでなく、使い方によっては、人々の暮らしを便利にすることもあれば、人類を危険にさらすようなものもある。
科学者は常に科学は万能ではなく、危険性も持ち合わせたものであるということを忘れないようにしなければならない。

多くの科学者は、偉くなってしまうと自らの知識を過大評価してしまい、科学の危険性に目を向けなくなってしまうものだということも覚えておいてほしい。
科学者のうぬぼれが、多くの人を危険にさらしかねないのだ。
科学技術が発達したように思える現代であっても、様々な科学的な事故が発生したり、薬害問題などが発生するのは、そのためだ。

科学技術を探求するのはとても面白い。
だが、そこにはいつも様々な危険が潜んでおり、使い方次第では、とりかえしのつかないことになる。
巨額の金や利権が絡むことによって、欲に飲まれることによって自らの手を汚してしまう科学者も多い。
科学者としての責務があることを忘れないようにしてほしい。

科学者として素晴らしい人生を歩むことを心より願う。


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