パレスチナにおける自治政府の立ち位置とハマスの立ち位置:「ハマスは最も支持された政党で、テロリストではない」という発言に対する反論

「ハマスはパレスチナの中で最も支持を得ている政党だから、ハマスはテロリストではない」という者がいる。
しかし、それは大きな勘違いであり、大きな間違いだ。

確かにハマスは政党を自称していて、現在最も支持を得ているが、それは他にロクな政党が存在しない上に、ハマスがガザ地区を武力で無理やり勝ち取っているからだ。
軍隊並みの武器をもって、一般市民を大量虐殺した上で、「歯向かう者は殺す」と脅して支配することを「実行支配」といい、ハマスがガザ地区を「実効支配」しているのは、まさにこの状態である。

ハマスはテロリスト集団である。
ハマスはイスラエルを完全に殲滅してイスラエルをこの世から消すことを目的としたイスラム教過激派テロリスト集団である。
だが、ハマスはイスラエル軍にまともに戦いを挑むと全く歯が立たないため、テロリスト攻撃によってイスラエルを攻撃している。
ハマスは世界中から同情の目を向けるために、ハマス自らがガザ地区に住むパレスチナ人を虐殺し、それをイスラエル軍のせいにしている。
日本の大手メディアを含めた多くの世界中のメディアがハマスを擁護しているために、「イスラエルは悪。ハマスは善。」という見方をする人は少なくない。

そもそも、世界は単純な善悪で線引きできる世界などなく、一方の立場から見れば善でもあり悪でもある。完全なる悪はなく、完全なる善はない。
「この世には善と悪しかないんだ」という、善悪二元論によって世の中を見ることが、様々な問題を歪めて見る要因となる。
争いの当事者の一方を「完全なる善」、もう一方を「完全なる悪」とみるのは、仮面ライダーやウルトラマンのテレビの世界や、アンパンマンやセーラームーンのアニメの世界の話でしかない。
勧善懲悪の世界で塗り固められたテレビやアニメを見過ぎた人たちは、「ロシアは悪、ウクライナは善」とか、「ロシアが善、ウクライナは悪」といった、偏った見方に陥ってしまうのである。


ハマスはテロ組織であり、日本で言えばヤクザ組織を何十何百倍も凶悪にしたようなものだ。
日本で有名なヤクザ組織がテロ行為や犯罪行為などを行い続けているにも関わらず、ある日突然、政党を名乗り出したら、そのヤクザ組織はヤクザ組織ではなくなるというのだろうか?
ハマスはテロリスト集団として誕生し、活動のほとんどをテロリスト活動としており、これまでもテロリスト活動を通じて資金を得て大きくなってきた組織であり、2023年10月7日でも膨大な数のイスラエルの一般人を虐殺し、拉致したことは、立派なテロ行為なのである。
実際にテロ行為の現場は残虐非道そのもので、女子供を含む多くの一般人が虐殺され、女性はレイプされ、赤ん坊でさえも殺戮のおもちゃにされた。
ハマスの残虐性は今回が特別なものではなく、これまでもハマスはこのような残虐な組織であり続けている。

ハマスはハマスが行う残虐なテロ活動を隠蔽するために政治部を立ち上げて、「ハマスはパレスチナで最も支持されている政党だ」とか、「イスラエルは残虐だ」とか、「ハマスのイスラエルへの攻撃は正当である」と宣伝している。
ガザ地区のパレスチナ人がハマスを支持せざるを得ないのは、支持しなければ殺されるから。ただそれだけである。

パレスチナにはハマスの他にパレスチナ自治政府というものがあり、パレスチナ自治政府がパレスチナの中央政府的な立ち位置にある。
しかし、パレスチナ自治政府もテロリスト集団とほぼ同じ組織であり、上層部はパレスチナの自治独立のためなどには活動してはおらず、上層部は「パレスチナの自治独立の為に戦う!」などと言って世界各国から支援金を集めて私腹を肥やしている。
実際に、2023年10月7日のハマスによるテロ攻撃をきっかけにパレスチナではパレスチナ人がパレスチナ自治政府に対する大規模デモが行われている。
つまり、パレスチナ人はイスラエルに土地を奪われたことを恨みに思うのと同じくらい、パレスチナ自治政府やハマスに虐殺され、人質に取られ、人の盾に使われ、喰い物にされていることに怒っているのである。

「ハマスはパレスチナという地を不法にイスラエルに奪われた民であり、ハマスを支持するのはイスラム教徒の意思である」という反論をする者もいる。
ここまで話が拡大すると、中東における何千年も前からの歴史を『旧約聖書』『新約聖書』という名の歴史書を元に紐解かなければならない。

しかし、それ以前に「歴史的に自分たちに権利があるから」という理屈は、何の罪もない一般人を虐殺して良い理由にはならない。
「自分たちには正当な権利があるからテロ行為が許される」という理屈を許してしまえば、秩序がなくなり、そのような理屈を振りかざすことが許されてしまえば、どのような残虐行為も許されてしまうのである。
そのような残虐行為は絶対に許してはならないのである。


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