【拡散&お願い】熊本に再び水俣病またはそれ以上の公害問題を引き起こさないためのパブコメのお願い

熊本で再び水俣病、あるいは、それ以上に深刻な公害問題が引き起こされようとしている。
熊本市は現在、台湾半導体企業TSMCの半導体工場を熊本に誘致させるために、環境保護義務をTSMCに免除させている。
さらに、急速に悪化する熊本に地下水に関しても、地下水保全に関する規制緩和となる条例の改悪を行おうとしている。

以下に、ご参考までに筆者が熊本市に提出したパブリックコメントに対する意見を公開する。
パブリックコメントは2023年8月28日までで、熊本市に対して以下の方法で意見表明が可能となっているので、是非とも皆さんに意見表明するとともに、出来るだけ多くの方に、この事実を拡散していただきたい。
①メール(kankyourikken@pref.kumamoto.lg.jp)
②ファックス(096-383-0314)
③郵送(〒862-8570 熊本県環境立県推進課)

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「地下水の涵養の促進に関する指針及び熊本県環境影響評価条例施行規則の改正」に関して、改正への反対の意見を表明させていただきます。


①涵養の義務化が明記されていない

まず、今回の改正案では「地下水涵養指針」の「改正の概要」に「地下水涵養指針等改正検討部会」の結論である「涵養の義務化」の文言がありません。
今回の改正では地下水の量および質ともに保全が保障される内容ではなく、解釈によっては要件緩和によって地下水の状況が悪化も可能である内容であるように思われます。
「涵養の義務化」は必ず銘記すると共に、地下水の状況が保全される内容となるよう、強く要望いたします。


②事業者の涵養量は「地下水採取量に見合う量」という曖昧な表現とすることで数値目標がなく悪意の事業者による地下水濫用が許される改正内容となっている

事業者の涵養量は「地下水採取量に見合う量」という曖昧な表現にとどまっており、その上、数値目標が定められておりません。
「地下水採取量に見合う量」という曖昧な表現では、地下水を保全しようとしない事業者によって、いかようにも地下水保全義務を逃れる口実を与えることになります。
事業者が遵守すべき基準は明確に定められるべきです。
今回の改正内容は実質的に規制緩和であり、環境保全に対する条例改悪にあたります。
そのような条例改正に対しては強く反対させていただきます。


③地下水財団へ協力金・寄付金を拠出することで涵養したとみなされる改正内容となっており、実際に涵養が実施されるのかが明確でない

地下水財団へ協力金・寄付金を拠出することと、涵養が保全されることにどのような因果関係があるのでしょうか?
地下水財団へ協力金・寄付金を拠出したからといって、地下水財団が当該事業者への涵養保全行為を全面的に受け入れる保証はなく、地下水財団が当該事業者の地下水に対する取組を監視・是正する機能が地下水財団にないにも関わらず、地下水財団への協力金・寄付金を拠出するだけで「涵養したとみなされる」というのは、どういう意味でしょうか?
賄賂のような上納金を支払えば、事業者は好き勝手出来るという内容にしか読み取れません。
このような規制逃れのための賄賂を合法化するような条例改悪に対しては、断固として反対させていただきます。


④「涵養域産の作物の購入」で涵養量が増えるという根拠が見当たらないにもかかわらず「涵養に資する取組」との位置づけがなされただけでは地下水保全に無意味である

今回の条例改正内容では、「涵養域産の作物の購入」で涵養量が増えるという根拠がないにもかかわらず、それによって「涵養に資する取組」とみなすというのは地下水保全目的としては無意味である。
そればかりかむしろ、農地を含む大量の土地を買収する巨大企業に対して、「大量に「涵養域産の作物を購入したから涵養に資する取組をした」という涵養保全義務逃れを助長しかねないような条例改正である。
このような実質的規制緩和となる条例改正には強く反対いたします。


⑤熊本県/熊本市による情報不開示や権限不行使、権限濫用が甚だしい点について

以上のように、今回の「地下水の涵養の促進に関する指針及び熊本県環境影響評価条例施行規則の改正」については、現在、熊本で環境保護関連の法令を無視して活動を続ける台湾半導体企業TSMCのような巨大企業のための規制緩和の条例改悪としか見えません。
熊本県/熊本市は現在、TSMCの半導体工場に対する環境評価のための環境アセスメントなどの情報開示義務を放棄しておられます。
本来であれば、熊本県/熊本市は地方行政機関としてTSMCの半導体工場などに対して、環境保護関連の法令に基づき、工場設置・稼働に関する周辺環境に対する影響について開示させるように指導し、是正させ、情報開示に従わなければ工場誘致に対して許可取り消しを行うべき立場にあります。

熊本の市民・県民を含めた多くの日本国民からのTSMC半導体工場に関する環境への影響に関する情報開示や、現在急速に減少している地下水に関する情報開示や調査に関しても、本来、熊本県/熊本市が行うべき義務を放棄しているようにしか見えません。

加えて、熊本県/熊本市は今回の条例改正について市民に分かりやすく解説する義務がありますが、パブリックコメント募集のページ(https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/51/179879.html?fbclid=IwAR0wsKTj6ENDzZaaNY_WxE1_Gxt0OMG_unvbWX_YjyKNUuCH4EvnXYahIvM)には簡単な説明しか開示しておらず、詳細な地下水に関する情報は同募集ページには開示せず、市民には資料を見つけるのが困難な別のページ(https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/225854.pdfなど)に開示することで、説明責任を逃れようとしているように感じます。

条例改正の新旧対照表をパブリックコメント募集のページに掲載してしまうと、条例改正の中身が酷いことが明確になるために、このような措置を取られているのではないでしょうか?
このような熊本県/熊本市の態度には不信感しかなく、早急に是正をお願いします。


⑥結論:条例改正の撤回と熊本県/熊本市への義務履行に関するお願い

以上より、熊本県/熊本市には、TSMCのような一部の巨大企業への環境保護義務の免除を与えるような権限濫用を止め、全ての事業者に対して必要な環境保護義務を履行させるように指導すべき熊本市の義務を早急に果たしてください。

併せて、本件条例改正のような条例の改悪を直ちに撤回するよう、強く要請いたします。

以上


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