第6回 レイバーデイ明けに要注意

「レイバーデイ明けに要注意」は本当か?

私は「レーバーデイ・アノマリー」にはまったく無頓着でそもそも9月のシーズナリティは弱いというくらいの意識でした。実は9月と言う月は1年の中で最も” 強くない”月です。” 弱い” ではなく強くないという言い方はヘンですが、9月は1年の中で月単位の成績がベストパフォーマーとなったことがありません(過去40年くらい)。ではレイバーデイ明けが何故弱くなるか?2013年の記事ですが下記記事をご参照ください。

レイバーデー明けは要注意!今週、まったく新しいトレンド発生の可能性も|世界投資へのパスポート|ザイ・オンライン (diamond.jp)

これマジで言ってるんですかね?これでカネ取ってる職に就いてるのなら、このNoteも100円で売ってもよさそうな気が...。このお気持ち理論であれば当然Xmas明けもそうなるでしょう。しかしそんな話は聞いたことがありません。勿論、日本株が4月に弱いということもありません。

実践!レーバーデイ明けに買ってみた!

論より証拠。実際にレーバーデイ明けにNYダウを買ったらどうなるか?1986年以降のレーバー・デイの翌日の引けに買った後のパフォーマンスは以下の通りです。

ぱっと見た目酷いです。特におよそ月末までの15営業日は圧倒的なマイナスです。因みにNYダウを買って15営業日の平均リターンは+0.58%ですからこの期間はやはり季節的な何かがマイナスに作用してるようです。

9月と言えば?

ところが今年と同じように利上げ年である94年やテックバブルが崩壊した2000年は堂々のプラスです。

1994・2000年のレイバーデイ明けパフォーマンス

一方でイラク戦争(92年)、アジア通貨危機(98年)、同時多発テロ(01年)、チャイナショック(15年)など米国の経済成長とは無関係の大きな事件が9月あたりに集中していることがあり、この時期の平均リターンを押し下げていることも事実です。この手のナンチャラ・ショックが起きてる年を除いてその他の通常年だけを取ってみましょう。次のグラフの赤線は1985年を起点としレーバーデイ明けの15営業日” だけ” に35年間投資し続けた結果です。青線は先に挙げた特殊年(92,98,01,15年)のリターンをゼロとしています(※11年の米国債務問題は自業自得なので除いてません)。

勝率こそ余り変わりませんが圧倒的なパフォーマンス改善が見られます。つまり、9月の弱さはこの特殊年の押し下げによるもので半分は説明できます。今年は戦争が続いていることもあり何かが起きそうな「特殊年」の匂いがプンプンします。しかしながら、冒頭に示したように全期間の15営業日平均リターンは+0.58%であることを考えると、特殊年を除いても平均+0.28%で+0.3%も負けてるというのはやや物足りない数字ではあります。かと言って、これがレイバーデイ・ディスカウントなのかと言われるとそう簡単には結論付けられません。ヒマがあればその他の期間も含めて季節的アノマリーの実態を調べてみようかと思います。

今回は以上です。

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