カウンセリングを受けるまでがしんどい

よく映画で主人公がメンタル傷ついたりすると次の場面ではカウンセラーと話してたりするから、カウンセリングって必要になったらすぐに受けられるものなんだって思ってたけど、大間違いだった。自分で経験してわかった。
まず近くでカウンセリングやってるクリニックを探して予約をとるんだけど、メンタルがどん底の時にそんなことできない。検索して都合のいい場所や時間や料金を考えるというのが億劫でたまらない。
もちろんメンタルは常に一定ではないので、調べものや電話をかけられる「良い」状態になる日もある。しかしそんな時は「わざわざカウンセリングなんか受けなくても大丈夫」と考えてしまう。
つまり「メンタルどん底で助けが欲しい」状態と「助けを求めるプロセスを踏むためのエネルギーがある」状態が一致する、惑星直列級のタイミングを待たなければ予約を入れられない。私はそうなるまで3ヶ月かかった。
そんなわけで実際に予約を入れる頃には相当心がせっぱつまったことになっている。すぐにでも話を聞いてほしいけど予約日はだいたい1週間後。その1週間は「やっとプロの先生に話を聞いてもらえる」「本当に話をするだけで心が楽になるのか?」みたいに期待と不安が交互に襲ってきてジェットコースターに乗ってるみたいに相当疲弊する。
フラフラの状態でクリニックに行っても初診ではカウンセリングはできない。何十もの項目のアンケートに答え(質問のひとつひとつで嫌な記憶がフラッシュバックする)、精神科医(カウンセラーとは別の先生)の診察を受けて(その都度待合室で大勢の患者さんと共にすし詰めでじっと待ち続ける)ようやくカウンセリングの予約ができる。
私の場合、診察の先生と話がなかなか噛み合わず、「そもそも自分の事を話すのが大の苦手なのにカウンセラー相手にちゃんとコミュニケーションとれるのか」とさらに不安が悪化した。
どうにか2週間後にカウンセリングの予約を入れ、薬を処方してもらって帰る。そこからまた期待と不安のジェットコースターの日々。薬は飲むとボーっとするだけで鬱を抑える効用は感じなかった。それでも自分一人でぐるぐる悩み続ける地獄からは解放されるという望みは確かにあった。
だが2週間後クリニックに行ってもカウンセラーとは会えなかった。その日は特に気分が落ち込んでいて、なんとか力をふりしぼって出かけた。カウンセリングを始める前にまた精神科医の診察を受けるのだが、これがよくなかった。薬がまったく効かないことなどとにかくネガティブな受け答えばかりしてしまい、先生から「そんな考えではカウンセリング受けてもよくならない、自分から良くなろうと前向きに考えないとダメだ!」と怒鳴られ続けた。メンタルを治しにカウンセリングに来てるのにそこでまたメンタル傷つけられるなんて理不尽だな、と思い、もうその時点で心がポッキリ折れて通院はやめますと告げて帰った。
4ヶ月くらいかかってやっとカウンセリングにこぎつけたにも関わらずあと一歩のところですべて無駄になってしまった。
徒労感と精神科医から受けた新しい心の傷が加わっただけで、ふりだしに戻ってしまった。それでも自分ひとりだけでは何も解決しないことはわかっているのでまた別のクリニックを予約しないといけない。
次の惑星直列はいつなんだろう。

(以前ツイッターに投稿した文章を再掲しました)

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