雨のち晴れ

天気予報で聞く言葉。

日常的に使う言葉。

太古の地球では、3,000年も雨が降り続いたという。

気が遠くなりそうな、人間には永遠とも思える3,000年もの長い月日の果て、雨が降り続いた最後の日、その日も雨のち晴れというのだろう。

「百年の孤独」という物語の中に、「四年十一ヶ月と二日、雨が降り続いた」という一節がある。

3,000年に比べれば、一瞬でしかない「四年十一ヶ月と二日」でも、人間にとっては途方もない時間だろう。

雨は外界、天候を表す言葉であると同時に、人の心の状態を表す言葉でもある。

しとしと雨

土砂降り

霧雨

雨を眺めながら、まるで誰かの心情のようだ、と思うこともあるだろう。

3,000年はなくとも、四年十一ヶ月と二日も降ることはなくても、一向に降り止まないと思うこともあるだろう。

雨は恵み、という面もある。

雨はこの星を循環する命の源だから。

そして、人は生かされている。

花も。

花守も。

雨は、3,000年降ったとしても、3,000年と一日後には止む…そうと知ったら、安堵することだろう。

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