「ありふれた演劇について」48
ここ最近は俳優と演出の関係について考えることが多い。どうしたら、互いに齟齬のない良好な関係のもと創作ができるのだろうか。作り方がすでに共有されていたり、作品についての共通したイメージがある程度あれば、その関係はうまくいきやすいだろう。そういう意味では実験的な方法論を試そうとする団体よりは、保守的なやりかたで創作する集団のほうが演出と俳優の立場は明確になりやすい。伝統的な方法論を持つアマチュア劇団や学生劇団がしばしば強固な集団性を獲得することからも、それはひとつのありかたとして