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繋がるために1人になる


世の中ではこれからは「風の時代だ!」なんて言われている。

「風の時代」と聞くとなんだジブリかなんかのファンタジーの世界の話か?感が否めないけれど、風の時代とは、これまでと”価値”とされるものが大きく変わる社会の流れを言うらしい。ちなみにこれまでは地の時代だと言われていたそうだ。

金、物質などの所有が価値とされてきたこれまでとは変わって、人脈、体験、情報、またそれらをシェアすることが価値になるそうだ。常識には囚われない柔軟さや斬新さ、革新が求められる。組織ではなく個人が重要になり、個人同士の繋がりが大切になるらしい。

大企業に入ることが昔よりも意味をなさなくなって、フリーランスの働き方が浸透してきた今日この頃。巷じゃこれからの時代は情報が財産になると言われ、企業はビッグデータを集めることに必死。そんな世の中の流れは確かに「風の時代」ってやつなのかもと思うのでここで少し風の時代について考えてみる。

風の時代の特徴は、価値の基準が人との繋がりをベースとすることから人との関わり方の変化だろう。

これまでよりボーダーレスで異業種交流・協力が当たり前になり、縦社会は崩壊、個人が持つ人脈がこれまでよりも仕事に影響を及ぼすようになって"人脈"の重要性が増す。

「風の時代」と言うふわっとした響きに、いやいや何を言っているんだ!?と思う人も少なくないと思うが、話題のclubhouseもまさしくボーダーレスで異業種間でも誰とでも情報や意見を交換する、そんなアプリだからこそ、風の時代を感じずにはいられない。実際にclubhouseを使ってみると、普通に生活していたらなかなか話す機会がないようなテレビの中の人、遠い場所に暮らしている人、友達の友達、そのまた友達と当たり前のように話せたり繋がれたりしてしまう。2020年12月末から風の時代は始まったそうで、早速のclubhouseの流行っぷりにこれが...風の時代...!と予言が現実になったような、映画の伏線を回収したような、なんだか不思議な気持ちでいる。


さて、私が風の時代に対して思うことは、一人時間の大切さだ。人との繋がりが重要な時代だからこそ。

clubhouseに始まったことではなく、現代に生きる私たちはSNSの存在によって永遠と誰かと繋がっているのが当たり前だ。朝起きてから眠りに落ちるまで、永遠にだ。
それはある意味では豊かなことだが、使い方を間違えると貧しいことなのかもしれない。私たちはあまりにも現実世界から抜け出して、画面の中の豊さに執着する余り現実世界の豊かさを失っているような気がする。

正直なところ、clubhouseは新たな情報源や人脈構築に最高なアプリだけれど、リアルタイムでしか参加することしかできないclubhouseはこれまた乗り遅れてはいけない精神や置いてけぼり感を刺激しやすい。SNSホリックになってしまいやすいような気がする。

TwitterやInstagramの今自分が手にしているもの以上を求めてしまったり劣等感を食らうストレスとはこれまた違う種のストレスを生産する可能性は大いにある。

10年ぐらい前、「携帯電話」という曲をRADWIMPSが出していた。電話帳を眺めてこの人誰だっけ?となったり、誰かからの連絡を待ったり携帯電話に疲れて電源を切ってみたりする、 そんな4分ぐらいの曲だ。きっと今この曲を書き直したら4分なんかじゃ収まらないぐらいに私たちは携帯電話に支配されている。連絡を待つ、通知、お気に入り機能、ひっきりなしに更新されるストーリー、趣味嗜好にそったおすすめ...スマホがこちらに提案してくれるものは良くも悪くも無限だ。私たちはあまりに現実に生きていない気がする。

そんなSNSでよく見る流れに乗ってサウナに行き始めたので、ここでいきなりですがサウナの話を。小さい頃には冷たいときゃっきゃっするためだけの存在だった水風呂による"ととのう"を初めて経験しまんまとサウナ沼にハマってしまった私。サウナにハマった理由はととのうこと、だけではない。"強制的にスマホから離れる空間"であることも実は結構大きい。最近の私と言うとお恥ずかしながらコロナ禍でスマホから離れる機会がなかなかなくスクリーンタイムは人には言えないようなスコアを叩き出している。

そんな中、ただただ湯に浸かり水に浸かり暑い部屋に入って何もしない、スマホをいじらない、という体験がむしろ新鮮だったし、そうなってみて初めてああ依存しすぎだなあと実感することができた。まるで恋愛。

そこで私は日頃なあなあにしていた目標を考えることだとか、自分が何をしたいかだとか、やっと考えることができた。

サウナ通い最大の気付きは、画面の中に生きすぎて現実の自分の世界を大切にできていなかったこと。(普段の生活がひどい)

繋がりが大切になるこの風の時代において、この人と繋がりたい!と思われるような人にならなくては風に乗れないし、組織よりも個人が大切になるならば、個人、自分の個性を大切にしなくちゃいけない。現代の中ではSNS疲れなんて言葉が生まれているけれど、これから"繋がり"が加速する上で、SNSも、SNS疲れもきっとトップギアで加速するのではないだろうか。

勢いを増すSNSを上手く使って風に乗るには、SNSを活用して疲れないためのセルフケアと個性を高める自分時間が必要になるのではないかと思う。それがきっと私にとってはサウナなのだが、自分をケアして高めて、それをSNSやどこかで上手く発揮して繋がりを作っていく、そんなようなことがこれから必要になるのだと思う。

SNSがなんだかんだ大切なツールであり続けるであろう風の時代において一人で考えられる時間を持つことの重要性、そして貴重性までもが、これまでよりも高くなると思う。意識しないと一人になれないという、なんとも面白い時代で風に乗るために今日も私はサウナへ通う。

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