私が化粧をする理由

「今日デート?笑」「そんな格好してたら狙われるよ」なんて言われることはもう沢山だ!好きな服着て化粧させろやという話をしたい。


祖父、祖母、母が化粧品メーカー勤務というコスメズブズブファミリーに育てられたからか、私は小さい頃から化粧が大好きだ。物心がつく相当前に母の大量の口紅でお絵かきをして怒られたこともあるらしい。幼いながらにも惹きつけられてしまう凝ったデザインの化粧品たちは、大人になった今でも私にとってただ顔を彩るためだけの道具ではなくある種の鑑賞物だ。見ているだけで心が満たされる。

私は元々の自分の顔がめちゃくちゃ嫌いなので、化粧をすることで自分に自信をつけてきた。武装に近い。化粧がきまればその日1日自信が湧いてくる。
アメリカに留学していた時は、10ヶ月ぐらいしかいないのにお気に入りの化粧品を沢山持っていった。大好きな化粧をすること、化粧品に触れることが私が私自身にできるエンパワーメントであり、自分で自分の機嫌を取る方法だと知っていたから。社会人になった今でも化粧をすると気合が入るし、まつげの上がり具合とモチベーションは比例する。

大袈裟に聞こえるかもしれないけど、私にとって化粧は自信と機嫌と気合の材料になっている。

そして私は割と濃いめの化粧が好きで、濃いめの化粧で出かけることが多々あるが、その時決まって言われることが「今日デート?笑」である。


前述の通り、私が化粧をする理由は単純に化粧が大好きだからなのと、何より自分の為だ。自分の機嫌を自分で取って、更に自分のコンプレックスと和解する。それが私が化粧をする理由だ。

「今日デート?」の発言は、化粧をするのは誰かの気を引きたいからやろ、という偏見に基づいていると思う。確かに気になる人と出かける時にめちゃめちゃに気合を入れて化粧をしたことは全然あるし、気になる人から興味を持ってもらうためにする化粧を全く悪いことだとも思わない。(友達のそういう一面見るの可愛くて好き)
ただ、“誰かの気を引くのための”化粧が私にとっては全てじゃない。でもどうしても「異性(あえて異性、とする)の気を引く為に人は化粧をする」と思っている人が一定数いるのは事実な気がして悲しい。私が化粧をする理由は男の人のためじゃない!自分のためやぞー!と常日頃思っている。


ここからは冒頭の「そんな格好してたら狙われるよ」発言、服装について話そうと思う。

私はシンプルに暑がりなのもあって露出が比較的多い格好が好きで、ショーパン、キャミソール、タイトな服などが多い。その時言われるのが「そんな格好してたら狙われるよ」だ。さっきの化粧のように「今日気合い入ってない?笑」と言われたりもする。

化粧と同様、私の着る服ぐらい私に決めさせてくれ勘弁してくれよと思う。露出の多い服装を着ていれば目立ってしまうこともわかる。だからと言って、狙われる理由になる理由がわからない。


こういう話を聞くたびに、社会学の授業で習ったVictim Blaming(何らかの被害に合った犠牲者に対して、何かと理由をつけて悪いのはお前だ、と責めること)を思い出す。
レイプや痴漢の被害に合った人に対して「誘うような格好をしていたお前が悪い」「そんなの勘違いするだろ、てか誘ってたんだろ」なんていう正気か?と言いたくなるような意見が一定数出てくる。これは典型的なVictim Blamingだ。悪いのは絶対的に理性をぶっ飛ばして襲った加害者側であり、被害者に非など絶対にない。それなのに、第三者の意見が被害者をさらに苦しめるのだ。

露出をしていたら勘違いするバカの為に、何でこちとらが好きな服を着るのを我慢しなければいけないのか。本当悲しくて情けなくてむかつく話である。
狙ってもいいと勘違いさせる服を着てるのが悪いんじゃなくて、服装で勝手に勘違いすることが悪だ。

「そんな格好してたら狙われるよ」は、私に対する親切な忠告なのかもしれない。けれども、まず服装によって人を襲う、その構造が問題なのだ。


化粧と服装、少し話がずれたけど、濃い化粧、露出の高い服が誰かの気を引く為、誘う為なんていう勘違いは決して令和には持ち込みたくない発想だったけど、まだまだあるのがきっと事実でしょう。

海外では体型に関して寛容だから露出の高い日本では着られないような服が着れる!なんていう意見をよく聞くけど、性的な目で見られにくいことも私にとってすごく大きい。(海外でも変な目で見てくる人はいるし国にもよりますが)


化粧も服装も「今日気合入ってない?笑」とかちょっとバカにした感じじゃなくて普通にいつもと雰囲気違うねーとか、そういう言い方すればいいのにな、とも思う。なんで単純に可愛いねー!と褒められないのかなあと思ってしまう。
そしてみんなが好きな化粧をして好きな服を着れるようになればいいと強く思う。


長いこと書いたけど、モテる為に着飾ることは全然悪いこととも思ってなくてむしろあざとい女の子可愛くて大好き!でもみんながそうじゃないから決めつけないでくれ!好きな服着させろ〜!濃い化粧や露出イコール誘ってるって勘違い古すぎだろやめろよ〜!みんなで好きな服着て経済回してハッピーに生きようぜそろそろ〜!が私のめちゃくちゃな結論かつ本音だ。


これからも私は好きな服を着て好きな化粧をするけど、それは私自身の為だと声を大にして言いたい。

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