心臓に“ねむい”の塊がある。
あくびをする前のほんの一瞬、心臓から“ねむい”の塊がせり上がってくる。
“きちんと、眠る”
たったそれだけのことが、とても難しい。
生きていくために最も必要なことの一つなのに。本能も本能で、最も本能的な欲求の一つなのに。
ちなみに、お腹を空かせてから食べることも難しいのだけど、食べることは難しくない。空腹を感じずに、自分を生かすためだけの食事がずっと続いている。システムとして、“食事”は組み込めるから便利だ。
睡眠は、そうはいかない。
眠る直前までは自分の意思で頑張れるけれど、眠りは意思ではどうにもならない。
かといって、睡眠導入剤には抵抗がある。 というか、精神科系の錠剤全般に抵抗感がある。
心療内科には行ったけど、その実、もらった薬は漢方2種類と睡眠導入剤5回分だった。漢方は背徳感なく飲める。味も好きなので、なんの抵抗感もない。問題があるとすれば、食前30分前に飲まないといけないことくらいだ。
けれど、睡眠導入剤はこわい。たった5回じゃ依存なんてしないだろうけど、自然に眠れなくなる気がして飲めない。
それに、効き目がわからないのもこわい。もし、薬を飲んで起きれなかったら?仕事は?
仕事が原因で眠れず、仕事が心配で薬も飲めない。
これは、仕事から解放されない限り、わたしが睡眠を取り戻すのは難しそうだ。
身を守るために、仕事をやめようと思う。
転職先が決まるのは待っていられない。
12月末で退職できるように動こうと思う。
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