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てんしのおつかい

高い、高い、空の上。そこには、てんしや かみさまたちが住む、てん国がある。てんしは かみさまに言われて、まいにちおしごとを するのだけど、今日はちょっと かわったおしごとを いいつけられた。

「ちきゅうにおりて、今はやっているものを もってかえってきておくれ」

てんしは、すぐにちきゅうに向かって とんで行った。
ふわりふわり 風にのって、青くてきれいな ちきゅうにおりて行った。

すとん。

てんしが さいしょに おりたったのは、 大きな大きな町。
しんごうが青になると びっくりするくらい たくさんの人が、
いっせいに 歩き出す。
今日はなにか、おまつりでもあるのかな?

町の中を あるいていると、てんしは あることに きがついた。
「みんな 白くてみじかいものを 耳にさしている あれはなんだろう? どこにいったらかえるかな?」

十字かのマークが ついてるお店。ここにはあるかな?
なかった、ここはくすりやさん。
こんどは 本のマークのお店やさん。
ここにもなかった、ここは本やさん。
なんだかいいにおいがする、ここはどうかな?
やっぱりなかった、ここはクレープやさん。

たくさんあるき回ってつかれた てんし、クレープをかって一休み。
クリームたっぷり、それに大きなイチゴが入った、イチゴのクレープ。
あまくておいしい。

ちょっと元気になったてんし、こんどは 大きなたてものに 入ってみた。

「あ!あったあった!あれだー!」
はねを ぱたぱた、おおよろこびのてんし。
「ねえねえ、これ、なーに?」と、ちかくにいたおにいさんに きいてみると、「これは イヤホンといって、おんがくをきくものだよ」と、おしえてくれた。

けれど、てんしは さっきクレープを 食べたから、 お金がたりない。どうしたものか、うーん、うーん、としあんがお。

そのとき、ちかくのたなに イヤホンとにている 白くてみじかいものを みつけた。ねだんをみて 「よし、これならかえる!かみさまもよろこぶな」と、スキップしながら レジにいった。
いちおう、そこで これはなにかも きいてみた。レジのおにいさんは、「これはね、でんちといって、きかいをうごかすのに ひつような ごはんみたいなものだよ」と言った。

ぴゅーーーーんと そらをのぼる てんし。

てん国につくとすぐ、かみさまのところへ でんちをもっていった。
「かみさま、これ、たくさんうってたの!」と、てんしがいうと、かみさまは、ふしぎそうに それをうけとる。「うむ、これはなんと、おもしろい。それで、どうやってつかうのじゃ?」かみさまがきくと、てんしは じまんげに レジのおにいさんが おしえてくれたことを はなすのだった。

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