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■ 『無罪請負人』とは何者なのか?

こんにちは、経沢香保子です。

最近では、カルロス・ゴーン事件でマスコミを賑わせ、以前は、ロス疑惑の三浦和義氏や政治家の小澤一郎氏を逆転勝利、厚生省の村木厚子さんの冤罪をはらすなど

数々の時代の風を受けた事件を担当し、多くの『無罪請負人』となった弁護士の弘中惇一郎先生が新著『生涯弁護人』を出されました。

しかもベストセラーになったそうです。

先生おめでとうございます!私の手元にも書籍をいただいたので(講談社様もありがとうございます)感想をnoteいたします。

私と弘中先生の出会いはもう10年くらい前になるのでしょうか? 

私がとある事案や名誉毀損で悩んでいるときに「弁護士に相談したら?弁護士って人によって全然違うから、最強の弁護士を頼んだ方がいいよ」と友人に言われました。

「弁護士ってすごい、難しい資格を通過してるのに、それぞれ違うの?」という疑問を持つくらい世間知らずで、頭の中がお花畑だった私。それまでは大きな事件とは無関係な世界に生きてきたからでしょう。

でも流石に自分で創業した会社を上場させたり、たくさんTVに出していただいたり、新領域に事業拡大をしていくと、未知な壁や難解な出来事にもぶつかることが増えました。

「そんな理由で窮地にいるなら、カミソリ弘中って弁護士に会いにいけばいいじゃん、絶対助けてくれるでしょ」と言われて、ある人を紹介してもらってお会いすることに。

「カミソリ」ってあだ名すごいな、怖い人なのかなぁ『無罪請負人』と呼ばれるほどの弁護士さんにお願いするのは、「黒を白にして欲しい人」みたいかなぁ、でも、自分一人の問題じゃないから尽くせるベストは全て尽くすぞ、思って先生の事務所、ご本人までたどりつきました。

とにかく話を真剣に聞いてくれる方

第一印象はそんな感じでした。もう私の父くらいの年齢で(実際にお嬢さんが私と同世代で偶然にも同じ学校出身だった)これほどの実績を持つのに、あだ名と事前評判の文言の印象とは打って変わって、本当に優しいというか暖かいというか。

一番覚えているのは、私がさまざまな出来事に、怒りや悲しみの感情に支配されて、過去ばかり向いている時に、

「経沢さん、あなたはまだ若いのだから もう一回起業しなさい。名誉回復は自分がしてあげるから。人生は前にしかないんだよ」

と言ってくださったこと。今の自分があるのは本当に先生のおかげです。

過去のもつれや誤解を解くには 時間がかかる。相手から見る世界と、自分から見る世界では全然違う、一致させるのはなかなか難しい。でも、 自分の人生を立て直すのは 自分次第でできるんだと、前を向いて生きることの大切さを教えてくれました。

その後、弘中先生とはずっとさまざまなお仕事や、プライベートではゴルフやお食事をご一緒させていただいたりして、いつも明るく楽しい時間をいただくのですが、本当に本当に先生の尊敬するところは「本質的」「前向き」こと。

例えば、「カミソリ」っていうあだ名は、相手を傷付けるという意味ではなく、揚げ足を取ったり些細なことに泥沼になったりせず、みなが難解だと思う問題や絡み合った状況の本質を見破って、スパッと明快な誰もが唸る提示をするという意味ので「鋭さ」という意味でした。

先生のような立場になると、次々と「今、人生で最もピンチです」っていうマスコミなどでも渦中の人が訪れてくるでしょう、悩みを聞いたり、複雑な状況を整理したり、当事者の人生の分かれ目や、今後の判例になるような裁判を担当したり、心臓がいくつあっても足りないように思うのですが、「大丈夫、大抵はなんとかなりますよ」と。

「無罪請負人」って言われることについては、「お会いすると白か黒か分かります」「依頼者のこと好きになっちゃうんだよね〜」「依頼人に恵まれてきたよ」と冗談半分で笑ってくれます。お金儲けとか、恨みを晴らすための争いとかではなく、本当に依頼者の人生が良くなること、社会が前に進むことを考えてアドバイスをくれるようなスタイルな気がします。

それが法律的なこともであれば、依頼者を鼓舞することもあるでしょう。

いつも私には「あなたは社会のためになるいい事業をやっているのだから、時間がかかっても、もっともっとやりなさい。いつでも相談に乗りますから」と絶対的な応援をしてくれます。

本を読むと、時には、時代のエアポケットにハマってしまったような人や権力や社会に曲解されてしまった人のために、権力と戦う激しい場面もがたくさんでてきます。

私自身が接していても、本を読んでも感じるのは、とにかく最後まで依頼人を見守って味方でいてくれるという感じです。なので『生涯弁護人』という本のタイトルなのでしょう。

この本の中では、カルロス・ゴーン事件、薬害エイズ事件、三浦和義さんの事件、野村沙知事件や中森明菜さんなどの著名人やプライバシー侵害などを扱った事件ファイルも

その間に書かれている先生の「弁護士」としての立場や考え方が勉強になります。

私がこれまで弁護をしてきた人たちは、社会から敵視された人、敵視されるように仕立て上げられた人が多い。
「なぜあなたは好んでそういう悪人の弁護をするのか?」
と質問されることもよくある。
しかし、逆に私は問いたい。「なぜあなたは彼らを悪人と言うのですか?」と。彼らは悪人ではない。一時的に悪人にであるかのように書き立てられただけである。私自身、彼らを「悪人」だと思ったことは一度もない。
世間がどう噂しようとも、弁護人が依頼人に対して先入観を持って接するべきではない。世間から「悪人」とみなされていることを理由に弁護を断ることなどない。弁護人の元に来るのは、不当に弾圧されたり、非難されたりしている人たちだ。「悪人」とみなされ深刻な被害を受けているからこそ弁護士を頼ってくる。それを「悪人だから受けない」と言うのはそもそも弁護士の存在意義がなくなってしまう。
通じて言えることは、寝技や裏技が不得意な私とは、どんな事件でもただ真正面から取り組んで言ったということである。私は、弁護士とは、法律的な知識、考え方が多少に身についている者として、依頼者が抱えている問題解決のために戦う対等な立場だと思っている。

先日、先生と忘年会を兼ねて出版のお祝いをさせていただいた時、「どんな人に読んで欲しいですか?」と伺ったら「弁護士を目指す人や弁護士の人には読んで欲しいなぁ」とおっしゃっていたのが印象的でした。

一生懸命に生きていても、誰でも事件の当事者になることはある、その時は絶望しかないけれども、弁護士という存在のおかげで救われたり、社会が成り立っているのだなと思います。特に弘中先生のような崇高な(だけどチャーミングで面白い)存在を前にすると、そういう力強い味方がいるのだからこそ、これからも前に向かって頑張ろうと思える。本当に弘中先生及び事務所の皆様にはいつも感謝しております。

前がきやあとがきだけでもかなり勉強になるので、ぜひ興味がある方は手に取っていただけると嬉しいです。弘中先生、講談社の皆様、ベストセラーおめでとうございます!

本日も、最後までお読みいただきありがとうございます

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