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感動したことがあると早口でまくしたてたくなるオタク

高校生の頃は渋谷や原宿が大好きだった。
なんなら八王子の実家から、ドアドア2時間かけて毎週のように渋谷に赴き、都内に住んでいる友達と遊んでいた。

私みたいな田舎者は渋谷なんかの都会に憧れるけど、実際渋谷って、あるもの八王子と同じじゃない?やること八王子にいる時と同じじゃない?
と今なら思う。
だけどJKだった頃は、渋谷でマックやサイゼを食べたり、渋谷でプリクラを撮ることが重要だったのだ。渋谷の全てが輝いて見えた。

…今日この記事で何を書きたいかというと、日比谷の映画館でボヘミアンラプソディの応援上映を観たよ〜!ってことです(今までのなんだったの?)

今までの私の脳内を振り返って説明しよう!

日比谷の映画館にボヘミアンラプソディ観に行こう〜!→日比谷銀座有楽町丸ノ内って最高だな〜…ビルが高くて街並みが綺麗で劇場や映画館もたくさんあって洗練された雰囲気を感じる…→よく昔は土日の渋谷とかあんなゴミゴミしたとこにわざわざ楽しく遊びに行ってたよな💢→みんなこんな人混みに何しに来てるんだよって思うもんな💢(あんたもその群集の一部だよ)→冒頭に戻る

というわけである(どういうわけだよ)

木曜日の夜19時から、日比谷のTOHOではずっとボヘミアンラプソディを上映している。
かく言う私は本作の大ファンである。公開当初は映画館で2回観たし、サブスクでも何回も何回も見たし、テレビの地上波で放送された時は「今日俺ンチでボヘミアンラプソディ見ようよ!ついでに泊まってく?^^」と友人を自宅にお持ち帰りしたりした。ちなみに泊まってはくれなかった。

そんなこんなで、数年ぶりのスクリーンでのボヘミアンラプソディに、無い胸は弾みまくった。

銀座駅で降りて、少し歩くと日比谷ミッドタウンに辿り着いた。

私はミッドタウン日比谷がだ〜いすきである。
好きなショップが入っているとか、行きつけのご飯屋さんがあるとかではないが、なぜかミッドタウン日比谷に来るとワクワクした気持ちが止まらない。
日比谷のTOHOは美術館のように綺麗で、いつもうっとりする。普段ミニシアターにばかり行っているからか、大きい映画館に来ると、ポップコーンの香りも相まって、ディズニーランドに来たかのような気持ちになるのだ。
ガラス張りになった大きな窓から見える東京の大パノラマは本当に感動する。映画を観に来ているはずなのに、2度美味しい気持ちになる。

映画館は4階、チケット売り場に行ってお目当てのチケットを買う。
この映画館では、ボヘミアンラプソディを再上映ではなく、4年以上続けて上映を続けているらしい。なのできっとそこまで混んでいないはず、、と思って座席の状況を見ると、6割ほど座席が埋まっていた。
そして気になる文字がある。

「ボヘミアン・ラプソディ(応援上映)」

…ほう、応援上映か。
応援上映!?

「ふーん、応援上映ね。。」

なんて心の中の越前リョーマは生意気を言ったが、人生初の応援上映(しかも一人映画)に正直ビビった。隣の席の人が大熱唱したり、全員指笛できたり、ウィーアーザチャンピオンで肩とか組む感じだったらどうしよう。そういうノリが嫌いなわけではないが、未知のノリに緊張する。

ポップコーンの匂いのする長い廊下を歩いて、シアターに到着する。
足を踏み入れると、早速前列にフレディーマーキュリー(のコスプレをした人)がいた。サイリウムを持ってる人もいる。
緊張ボルテージがさらに上がってきた。言うならば、ライブビューイングを観にきたのに本物のライブが始まるかのような気持ちである。

そして、緊張と共に映画は幕を開けた。



ヴッウヴッ…ううううっ…うわああああ〜最高だった〜〜〜〜!!!!最高だ〜〜〜!!!ウィーアーザチャンピオン〜〜〜〜

指笛も無ければ隣の人と肩を組むこともなく、みんな曲終わりには拍手をし、レディオガガを静かに踊るくらいの応援上映だった。そしてレディオガガの裏拍がめっちゃ難しくて私は一度もリズムに乗れなかった。

はあ、泣いた泣いた。

いつも涙が出てくるポイントがあるんだけど、今回はライブエイドの舞台袖でウルウルしてるメアリーたちに私は涙ドバドバだった。毎度お馴染みのクラシアン呼びたかった。
最後のさ、ライブエイドが終わって、エンドロールに入る時に「トゥナーイ…」って切なくもほろ苦いメロディー流れてくるのほんとやばくない!?ズルじゃん!!!(オタク特有の早口)

というわけで、n回目のボヘミアンラプソディの鑑賞は最高だった。
何より、4年経ってもこんなに多くの人が劇場に足を運びたくなる、愛され続けている作品に出会えたことに特大感謝なのだ。

熱い目頭と、粛々と流れゆく鼻水を啜りながら映画館をあとにした。

夏に「リバー、流れないでよ」を観に来た時は灼熱地獄で霞んで見えた日比谷、肌寒くなってきたからか、たくさん泣いて目が洗浄されたからか、ついでに心も洗浄されたからか、いつもよりも街が澄んで見えた。

おしまい

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