見出し画像

先生、どうか皆の前でほめないでください



 今どきの若者論というのは、だいたい大げさに書いてあるものである。そして、この著者もあらかじめ断っている。
 それに、職場にいる若者も、今どき感と昭和感の間で濃淡がある。
 自分はもう若くはないし、「理解できない!」と言いたくなるどうなというのを承知で覚悟を決めて読み始めた。

 にもかかわらず、これでもかという例示と、
・目立ちたくない
・自分で決められない
・浮きたくない
・同調圧力
などに理解を示したいと頑張ったが、なかなか厳しく、
(特に第3章の「究極のしてもらい上手…いかに、やる気を見せつつ大人の気持ちを刺激して物事をやってもらうか」の一連のプロセスには大人気なく「負けたくない!」と思ってしまった…が多分おそらく負けるのであろう)
もやもやと読み進めた第9章ラストの結論が、痛快。
それは、「若者は「現役選手」しか尊敬しない」
大人の過去の実績は何も意味がなく、今日明日何を実行するのかに興味があるので、「大人のあなたがやるべきだ。まずはあなたが挑戦するべきだ。あなたが挑戦し、失敗し、そして復活するところを堂々と見せるべきだ。」
 これなら、昭和な自分の得意分野、よし、やってやろうじゃない。


最後の「今どきの若い者」に向けた10章は、それまでのもやもやをスカッと切り返すような話で、仕事に普通はない、空気や同調圧力は主観、目的を持った学習、質問力を鍛えることとメモを取ることが大切、とアドバイス。

 やっぱりどんなに時代は変わっても、気質が変わっても、正攻法は正攻法なのだろう。


この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?