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4/2 (火)春の回線

夕食後に電話が鳴り、父が受けた
この時間は、NTTの雰囲気を出す光通信業者の営業が多く、以前も危うく工事日程まで決まっていたことがあったので、警戒し聞き耳をたてていたら、わたし宛だと言う

この家の固定電話にかけてくる人などいなかろうと思いつつ出ると、わたしと一文字違いの名の叔母への電話だった

叔母とは小学校からの同級生で、職場も一緒だったという女性からで、叔母の家にかけたが、繋がらないので、伝手を頼って実家の番号にかけたという

叔母は2年ほど前に亡くなっていることをお伝えすると、ひとしきり叔母との思い出を語られたあと、話はご自身のことに移り、旦那さんが3年前に亡くなり、息子さんも関東にお住まいで、広い家にひとりきり、夜になると寂しくて泣いてしまうのだと、ことばにしながら涙声になっておられた

定年後に戻ってこられる予定の息子さんを心待ちにされているそうだが、あと数年あるという

現在のお住まいは、父母がお世話になっている施設の近くのようだ

お名前を名乗られたが、早口で聞き取れず、会ったこともなければこの先会うこともないであろう方の身の上話と繋がる春の夜

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