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中国人女子は電車で座っていても足を閉じない

日本でもここ数年「フェミニズム」や「フェミニスト」、「ジェンダー」などの言葉を聞くことが増え、ネットでも性による差別をなくそうという運動やそれによるごたごたやもめ事も見かけるようになってきた。

ようやくという感じ。

私は小さいころから、弟に向かって「男のくせに」などと発すると、よく母親に怒られた。「男だからとか女だからとか、そういうのはよくない」と。

意識が高いかと思いきや、一方で、電車の中では「女の子が足を閉じて座らないのはみっともない」だとか、ガサツな女子を嫌うような発言もあった。ダブルスタンダードってやつだろう。

上海で、中国人の友達と少し言い合いになったことがある。
彼女は高校生から今まで10年ほど日本の関西に住んでいたため日本語は堪能で習慣などもよく知っている。

一緒に地下鉄に乗っていた時に私が「中国では女の子も電車で足を閉じてないけど、みっともないとかいう意識はないものなの?」と何気なく口にした。

彼女は「なんで男性はよくて女性がだめなの?」と言う。
これを聞くと、日本人の多くは ”やっぱり中国人はそういう意識なのね”  と思うかもしれない。「女性は足を閉じる」というのは日本では多くの女性が親に言われてきたことだろうし、それが世界の常識と信じていた節もある。少なくとも私はそうだった。

「ほら、あの子もすごくきれいなのに、(足をきっちりと閉じてないだけで)品がないように見えるよ。あれでは男性にも印象が良くないんじゃない?」

私は食い下がったが彼女は何てことないように言った。

「男性だって、女性はきっちり足を閉じるのが当たり前、だなんて誰一人思ってない。だから何も問題ない」と。

すごくショックだった。今までずっと常識だと思っていたことがここでは違う。そんなことは海外で生活していればよくあるかもしれないが、食事マナーや生活習慣の違いとは全く別の衝撃だった。
確かにそうだと納得したからこそのショックだった。

何が正解なのかはわからない。
私は今でも電車で女性が足を閉じていないのはみっともないと感じてしまう。ずっと刷り込まれていたことはそう簡単に変わらない。

思えば中国での生活は気を使いすぎることもなく「女性」を意識することもなく非常に楽だった。
それからは「もしかすると日本の女性って大変なのかもしれないな」とちょっと思うようにもなった。

なので最近のネット上でのフェミvs反フェミみたいな戦いを見てると悲しくなるし、戦っていて偉いなとも思う。私などは情けないことにロム専(って今もいうのかな)なんだけれども。時々「そこにまで噛みつく?」と思うことがないわけではないが、もうそれくらい言っていかないと直らないんだろうなと。

「女性だって男に奢ってもらったりして得することもある」なんて反論している男性を見かけると、本当にちっちゃい男だなーと怒りたくもなる。
…って男だ女だというのがもうすでに古いしだめなんだけど。

先ほどの中国人の友達は私にムカついてたと思う。これは地下鉄の話よりかなり後だが、「日本人は自分の常識を疑わずに中国人を批判することが多すぎる」と言っていた。しかも彼女(中国人)がいるのに目の前で悪口を言われることが一度や二度ではなかったと。

常識が本当に常識なのか疑うことって大事だなと思う。

私は中国に住んだことで多少ガサツにはなったが、日本はもしかしたらかなり特殊な国なのかもしれないと気付くことができた。

なんて言うと「中国に洗脳されて帰ってきた」なんて返されるのがオチなのだが。

そういうところだぞ。



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