近代後期、あるいは近代
地域によって異なるが、基本的にはアメリカ独立戦争やフランス革命の起こる18世紀末を境にして、1870年前後までを対象とするのが近代後期である。
近代化の典型ともいえる国民国家の形成が、18世紀末に世界で初めてヨーロッパで起こる。他の地域には遅れて波及する。1870年代になっても近代化していない地域はあるが、そのころには世界は現代に入っている。

概説:国民国家の形成
　絶対王政期に、他国の干渉を排除して、国境、国民、国家主権が干渉されるべきではないものという価値観が作られた。国民国家とは、ヨーロッパでは絶対王政の後の国家政体をいう。絶対王政の主権者、国家の権力を握るのは国王だった。国民国家では市民が主権者となる。絶対王政から国民国家への変化はアメリカの独立戦争、フランス革命などの市民革命を通じて起こった。フランス革命の後に起こったナポレオンのヨーロッパ支配により、国王のいない政体/共和政が都市国家ではなくても、大きな国でも成り立つと知った各国の市民は横暴な国王に抵抗をするようになる。ポーランド、ギリシアのように他国に支配されている国は自治を目指し、エジプトのように自治を認められている国は独立を目指し、南北戦争中のアメリカ、ドイツ、300の国/藩に分かれる日本、イタリアのような分裂国家は統一を目指し、独立国家は共和政の国民国家を目指し、或いはトルコのように立憲王政を目指し、すでに立憲王政の英国は市民が政治参加を求めて選挙権拡大運動をする。

□アメリカ独立革命　

問１　三択　 正解を選びなさい
問 　1763年に、フロリダはスペインから英領土へ移る。但し独立戦争で植民地側についたスペインは英国の敗戦に伴いフロリダを取り戻す。そして、1819年に米国へ売る。1763年に、フランスから得たミシシッピ川の東側を英国領ルイジアナとした。英国は、アメリカにおける植民地人の西進を阻止するために国王布告により、先住民の保有地を容認する。七年戦争後、財政が悪化した英国は外国産の砂糖を輸入する際に1764年の砂糖条例で、新聞の発行や公的文書の作成時に1765年の印紙条例で課税を強化した。これに対し、パトリック・ヘンリーが「（1.代表なくして課税なしor我に自由を与えよ、さもなくば死をorモンロー宣言を忘れるな）」と演説し、植民地人の権利侵害だとして反発する。英国の財務大臣の名に由来するタウンゼンド法でガラス、紙、ペンキ、茶へも課税がなされる。反発が強いので茶以外は撤廃した。加えて、東インド会社を救済する目的で、東インド会社だけに茶の独占販売を認め、インド茶の免税も容認する1773年の茶条例に対し、えこひいきだ！と茶を海に投棄する（2.ニューヨークorフィラデルフィアorボストン）茶会事件が起きた。1774年の第一回大陸会議では、フィラデルフィアに集まった各州の代表が「権利の宣言」を議決した。その内容は、不平等課税の拒否である。
解答　 1.代表なくして課税なし2.ボストン

問 （3.1773or1774or1775）年、（4.タイムズスクエアorチェサピーク湾orレキシントン）及びコンコードの戦で独立戦争/独立革命が始まる。総司令官は（5.アダムズorジェファーソンorワシントン）である。総司令官の人選は1776.5/10にはじまり、フィラデルフィアでの第二回大陸会議で6/15に決まった。この会議は同じペンシルヴェニア州のランカスター、1777年にはヨークへ移動して、最後にフィラデルフィアに戻り、1781年までつづく。1776年にトマス・ペインが「（6.コモンセンスorコモンノセンセイorコモンロー）」と題するパンフレットを出して、共和政の利点を説き、独立が常識と訴えた。パトリック・ヘンリーは「（7.代表なくして課税なしor我に自由を与えよ、さもなくば死をorモンロー宣言を忘れるな）」と演説した。1776年7/4第二回大陸会議で（8.権利の章典or憲法制定or独立宣言）がなされる。原案を考えた、つまり起草者は、第三代の大統領になる（9.トマス・ジェファーソンorアンドリュー・ジャクソンorジェームズ・マディソン）、避雷針を発明したベンジャミン・フランクリン、第二代の大統領になるジョン・アダムスである。
アメリカの独立戦争には英国の（10.シャルル・ド・モンテスキューorジャン・ジャック・ルソーorジョン・ロック）の思想、つまり、自由・平等（州の自主権含む）・革命権・民主主義が影響している。1777年に、連合規約で憲法・国号・国旗の制定、また1777年にはサラトガの戦で勝利した。
解答　 3.1775 4.レキシントン5.ワシントン6.コモンセンス7.我に自由を与えよ、さもなくば死を8.独立宣言9.トマス・ジェファーソン10.ジョン・ロック 1775年-1783年が独立戦争。