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今週号の『龍と苺』が少年漫画史上空前のサプライズ超展開! もう何か凄すぎ。


 『少年サンデー』連載の将棋マンガ『龍と苺』がとんでもない展開になっている。

 何がどうとんでもないのか語ってしまうとネタバレになるし、ここで知らない人に伝えてしまうのはあまりにも罪深いと思うので沈黙を守るけれど、まあ、ほんとうにとんでもない。

 おそらく『サンデー』の歴史でも空前の超展開なのではないでしょうか。

 当然ながらTwitter(もといX)でも話題騒然で、たくさんの人が笑い転げている。怒っている人もいるようですが、それは当然でしょう。

 だって、さすがにねえ。先週までのエモい展開は何だったんだよ! 

 いやまあその、たしかにマンガは何でもありではあるんだけれど、ここまで営々と積み上げてきた作品のリアリティラインを一気に破壊する暴挙であるわけで、もうすごいというかひどいというか。

 とにかく『龍と苺』の読者でまだネタバレを踏んでいない方は今週だけでも『サンデー』を買って読んでほしい。ぶっ飛ぶから。

 「サプライズがあること」を説明するだけでもネタバレだということもわかるのですが、これに関してはいくら想像しても絶対に予想できないだろうから、まあ良いことにしてきましょう。

 もう最終回だとか苺が八冠だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。

 そういうわけでマンガ史上屈指のトンデモ展開だったわけですが、まあ、発想としてはありえないものではない。

 これが驚きをともなうのは、いままで延々と描いてきたストーリーを破壊してしまったからでしょう。

 同様の例としてはいきなりジャンルが変わってしまった(らしい)『タカヤ 夜明けの武炎王』があるとはいえるかもしれませんが、そこまでの積み上げのボリュームが違い過ぎる。

 だって先週までふつうに傑作だったんだよ! しかも最終回目前だと思われていたんだよ! それを容赦なく壊しにかかるなんて思わないじゃん。アホか。アホだ。助けて。

 何か似たようなサプライズがないかなと思い出そうとして見たのですが、やっぱりすぐに思い浮かぶのは永野護の『ファイブスター物語』。

 この作品の第13巻でいままで「モーターヘッド」と呼ばれていたロボットが一挙に「ゴティックメード」へと変わったことはいまとなっては有名ですが、これも凄まじい暴挙ですよね。

 いや、快挙なのかもしれないけれど、とにかく凄い超展開。初めてゴティックメード〈ダッカス・ザ・ブラックナイト〉を目にしたときのショックは忘れられません。

 今回、『龍と苺』で感じた衝撃はそれ以来のものでした。およそ10年に一度のサプライズ。

 もうひとつ思い浮かぶ超展開としては、マンガ『最終兵器彼女』の第一話(正確には同時掲載の第二話)があります。

 それまでラブコメであるかのように続いていたストーリーで突然に戦争がはじまり、ヒロインが最終兵器になってしまうあの展開。

 これ、ふつうに単行本で読んでいると「まあ、そういうこともあるかな」という話に思えるかもしれませんが、連載時はタイトルが隠されていたんですよ!

 なのでそのときの「ええーっ!!!」の度合いは凄かった。ほんとうに世の中には色々なことを考える人がいるものです。漫画家というかクリエイターって凄いなあ。この人たち、天才か狂人かどちらかじゃね。

 ぼくはこういうサプライズ大好きだけれど、『龍と苺』の場合は今後、どのような展開をたどるのかまったく見えない。名作に仕上がるか、駄作に堕すか……。いやはや、今後のお話に注目です。

 ため息。

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