門仲〜南砂間の電車日記

電車に乗った時に会う人は、なんとなく電車でしか会わない顔をしている。舞台俳優でもやっているかのような無駄に背の高いおじさんや、かわいいのかかわいくないのかよくわからない女性や、どこでも見たことのない容姿同士のカップルなど、バリエーションは様々だ。おなじ東西線に乗っている者同士ではあるが、地元近辺に彼らが住んでいるということが信じられない。電車に乗っている人は、たとえばRPGのように降りた瞬間こちらから知覚できなくなるのだろうか。わけのわからない赤いメガネをかけたカップルの片割れが降りるのを流し目で見ながら、ふとそんなことを考えた。

これから家族でごはんを食べに行く。あまりにも嫌である。家族は嫌いではないが、どちらかといえば嫌いだからだ。現実逃避の果て、「ご飯」よりも「ごはん」と書いた方が可愛らしいなどとどうでもいいことを考えていた。

もうすぐ南砂がやってくる。これから1〜2時間ほどは、家族団欒の時間を過ごさねばならない。大手町で買ったファンタを手に取り、すごすごと電車を降りた。なんで串カツ田中やねんボケ!

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