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介護現場の『仕事ができる』って何だろう?〜職員とご利用者の狭間で〜

こんにちは!ikedaです!


わたしは20歳で介護職員として働き始め、1年経とうとした時に介護老人保健施設に転職しました。

最初の施設で働いていた時に、「老健に行くと勉強になるよ」と先輩に教えてもらったことがきっかけでした。

職員の年齢層も20〜30代を中心として、フロアもとてもアクティブな雰囲気でした。従来型だったため、個別ケアよりも集団ケアの意識が強く、口腔ケアも食事が終わった後にそのまま食席で行っていました。トイレも共用だったため、ご利用者は行きたい意思とは関係なく、食後は全員並ばせられていました。

今振り返れば、ご利用者の尊厳についてちゃんと考えたことがあったかな…と申し訳ないほどに思います。

入浴もみんな並ばせて、服を脱いだ上にバスタオルをかけられて待機。業務に取り組む視点は、限られた人と時間の中で、どうやって終わらせるかという意識が強かったです。

施設に入った時はびっくりしましたが、業務についていくので精一杯でした。

職員の連携が、ダイレクトに業務の遂行力に繋がるのを感じ、業務が遅れないように、シンプルに終われるようにそう思ってやっていました。

今振り返れば、それが「仕事ができる」と恥ずかしながら思っていたのです。

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夜勤は介護職員2人でワンフロア(確か、50〜60人)
ナースは他フロアを見ながらの1人。

ある日の夜勤、介護職員1人が休憩に行った時に、設置されているベッドセンサーの複数が同時になり1人では追いきれず。。
夜勤中のおにぎり🍙1つも食べ終えられないほどの忙しさに、一体自分は何に追われてるんだ?と排泄表を見て数えると、138回の介助の記録。(夜勤中のオムツやトイレ誘導のトータル排泄介助数。)

ひとりで全て行っているわけではないものの、基本的な業務に加え、起き出してきた方たちの対応なども行っていると、ケアの質を顧みる余裕もありませんでした…


自分が行っているのは「介護」なのか???と次第に思い始めました。


ただやるべきことをやるだけだったら誰でもできる。
でも、ここに専門職としての向き合い方、寄り添い方があるからこそ「介護士」と言われるのでは。。

そう思い始めると「仕事ができる」って介護職においては業務を早くこなせることじゃない、今自分が目指しているのは違った方向なのかなと思うようになりました。

耳を傾けてみると、トイレに頻回のご利用者は実は他に心配ごとがあったり、エレベーター前に待機して施設から出ようとするご利用者もそのご利用者なりに理由がありました。

すぐ不穏になると言われてしまうご利用者も、よく見てみると、不穏にさせてしまう職員の対応には共通点があったりしました。

そのご利用者に向き合う、思いを巡らせるってとても基本的なこと!!と言われてしまうかもしれませんが、わたしにとっては遠回りしてやっと少しずつ気づき始めたことでした。

様々な現場、人間関係を経験しながら、遠回りして気付けた介護観は、私の中で反省とともに大切な学びになっています。

現場では多様な介護観のなかで、ご利用者のためと言いながらケアの根拠がいつしか職員主体にすり替わっている事があります。

思いだけじゃどうにもならないのか。。。
何年やっても模索する日々です。

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