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57 その昔、大阪から東京へ電話をすることが大変なことだった

 固定電話の料金が再来年の1月から距離にかかわらず3分9円35銭になるという。

 今の固定電話は区域内(同じ市外局番)なら3分9円35銭、隣接と20キロまでは3分22円、20キロ超え60キロまでは3分33円、60キロ超えは3分44円となっている(昼間の場合。夜や深夜はまた違う)。携帯電話になれきっている若い人には電話と電話の距離で料金が変わるなんて不思議に思うかもしれないが、自前の交換設備、電話線を維持していく以上長距離は高くならざるを得ないのだ。

 昭和の終わり頃なんて東京大阪間の電話料金は3分300円を軽く超えていた。だから大阪から東京の何かの本社へ電話をかけるときはドキドキしたものだ。1時間超える会話なんてなったら万を超える恐ろしい世界だった。
 ゆえに、遠距離恋愛しているカップルは電話で会話なんてできやしない。インターネットもなかった時代だから紙で書く手紙しかない。ラブレター全盛の時代といえよう。

 今やお互いLINEアカウントがあれば何時間でもタダで電話できる。いや顔を見ながら電話もできる。テレコミュニケーションの進化は様々な恩恵をもたらしたと思う。一方で手紙をはじめ合理性に欠けると判断されたものが消え去ろうとしている。ある程度の年齢の人なら一抹のさみしさを感じるだろう。

(今日で連続57日更新です)

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