見出し画像

【給与カット②】3割カットしても高給取りに変わりなし

「身を切る改革」などと嘯き、給与をカットしたりするパフォーマンスはトレンド化しているという話は前回したが、安易なワードに食いついた有権者にも重大な落ち度があることは、改めてここで記しておく。

トップ画像の兵庫県知事齋藤元彦、彼は選挙での公約として「知事給与3割、退職金を5割カットする」とぶち上げ、一応それは条例制定で達成された。本人は維新の色を薄めたい一心で「身を処する改革」などという官僚お得意の言葉遊びを楽しんでいたが、実際のところ身を処していないし切ってもいないのは、当時の新聞記事などをちゃんと読めばよく分かる。

そもそも、給与が3割カットされて、いったいどれだけの給与をもらっているのか有権者は理解しているのだろうか?
※参考資料 神戸新聞の記事 2021年7月19日

記事によると…
兵庫県では、手当などを除いた知事の給料は、条例で月額134万円と規定。3割の削減となれば約94万円になる見通し。退職金は1期4年間を務めれば約4052万円を支給。、半額となれば約2千万円となる。

それはそうなのだが…

考えてもみよう、まず給与そのものだけでまず100万円近い収入があり、そこからいろんな手当もついてくるがそこは減額なし。税金などを引かれたとしても、手取り7ケタは想像に難くないので、単純にボーナス込みで16か月分だと…計算は各自でされるといいでしょう。
それに、首長は政治家なので安易に人に奢ったりもできないから自腹を切ってあれこれというのも多くないし、普段の移動も運転手付きの公用車で持ち出しも少ないし、自宅を知事公邸として借り上げさせているとしたら、その使用料も当然ぶん取れるのです。その額はきっと、一般職員に支給される住宅手当などとは比にならないでしょう。

さらに退職金だが、首長は公選されるので任期満了で退職。そこで退職金を受け取る権利が発生するので、たとえ半分カットしても2000万円はダダ貰いできるのです。退職金支給の是非はあるが、それはここでは無関係なので割愛する。

そして、この給与退職金カットパフォーマンスを語るうえで絶対おさえておかなければいけないのは「条例で定めた減額期間は2025年7月分まで」ということだ。
※参考資料 サンテレビニュース 2021年10月5日

つまり、仮に齋藤元彦が2期目に突入するとしたら、同じ条例案を出して県議会で可決させなければ、給与もボーナスも退職金も全て満額支給に切り替わるのだ。

それは、給与カットを打ち出している全ての首長や議員にいえることで、任期満了でご破算にし、改めて出さなければならないものを出さなくても、有権者は「あの人は給料カットしてるから」という錯覚をし続けるので、簡単に騙せるのだ。

首長や議員の給料が高いというが、ちゃんと働いて何かしら住民生活の向上や幸せの追求ができればその額は高くないと信じているのだが、先日の兵庫県議会では、財政逼迫をネタにして複数の議員報酬カット議案が出るという、パフォーマンスの応酬という恥ずかしい状況があった。
「お礼は見てのお帰り」ならまだしも、その「やってる感」しか生まないような茶番、県民は厳しい目で見てますよ。

ネタが見つかれば、給与カットパフォーマンスという愚策の追及はまたやります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?