ペン回し研究室の移転に付いて

「ペン回しの世界は〝グローバル〟と表現しても良い程に広大です」

 ……なんて事はわざわざ記す必要がないぐらいに当たり前の事だと個人的には思いますが、この記事をお読みになっている方の中には、もしかしたらペン回しの世界を詳しく存じない方も居るかも知れません。

 その場合はスマホなりPCなりを用いて「ペン回し 世界」とググると良いかと思います。グーグルの検索結果の2ページ目に入る前に、この記事の1行目の文字列に間違いなく同意する……いえ多分同意してくれると思うので。

 さて改めて。

 ペン回しはグローバルです。World Wide的です。

 どうして指と言う比較的ちっちゃい部位(でも大胆な動きが出来る妙な部位)をメインで扱う動作が世界規模に至れたのかと考えると、やっぱりあらゆる地点を繋ぐ事が出来るネットの力が大きいんじゃないでしょうか。

 でもただネットがあったから世界規模に至れた――と、説明するのは言葉が足りないような気がします。ネットを介して自分の意見を発信する事が出来る仕組みがあったからこそ……。

 つまり〝ウェブページ〟を世界中に発信する……或いは黒歴史を全世界に惜しげもなく晒す事が出来るようになったからこそ、色々な人達が交流出来て盛り上がって、コンテンツが発展して行ったのだと思います。(まあ、黒歴史も時間が経てば良い思い出になりますよね。……なりますよね?)

 ところで、ペン回しを主に扱った日本の最古のウェブページとは、一体何でしょうか?

 恐らくですがその最古は、HIDEAKI氏が立ち上げた『私のペン回しの歴史』(以下便宜上『歴史』と表記します)になるでしょう。その設立はノストラダムスの大予言(この言葉の意味を知っている中高生はどれぐらい居るのでしょうか?)が話題になり世間騒がせた以前。1997年に遡り、ペン回し界に多大なる影響をもたらしています。

 影響ってどんな影響だよ? って方は再びグーグル先生のお世話になるとしまして、この『歴史』の中には『ペン回し研究室』(以下便宜上『研究室』と表記します)と呼ばれる掲示板があります。

 この掲示板は例えば、JapEn1stに登場したスピナー――故Bonkura氏、Cir氏、Index氏など――が活動していた場所であり、2000年代初頭のインターネットのペン回し界では最も栄えていた場所であると個人的には思います。

 私は当初、この『研究室』はアドレスが変わる事もなく90年代から連綿と続いて来た、と思っていたのですが、調べて行く内にそうではない事が解りました。

 その本題の『研究室』の前に、まずは『歴史』の方の移り変わりを見て行きましょう。

新しいビットマップ イメージ

 こちらはgeocitiesサーバーで運営されていた頃の『歴史』のキャプチャになります。(2002年12月時の物)。この水色+音符(?)の背景が何と言うか、昔の手作りホームページっぽくて良いですよね。

 私は1997年の設立当時から変わらずにこのgeocitiesサーバーで『歴史』は続いて来た――と思っていたのですが、それは大間違い。実は2003年3月頃に一度移転していたのです。(この記事の末尾に移転前のホームページURLを記しています)

画像2

 こちらがその移転前の『歴史』のキャプチャになります(1998年1月時の物)。

 水色+音符(?)と言う組み合わせではなく、まっさらな白背景ですが、これもやっぱり古き良き手作りホームページっぽくて良いですよね。

(……さっきから書いている〝手作りホームページっぽくて良い〟って言う表現の意味が良く解らない、ですか? 2000年代初頭のホームページにはこんな感じの背景が良く見られたんですよ。因みに私もかつてはペン回しのホームページを作っていまして、真っ青の背景に文字は赤色でした)

 あまりにも目に優しくない組み合わせで、昔の私は一体何を考えていたのか未だに良く解りませんが……。

 まあ、それはともかくとして。

 この1998年1月時点ではサイトに『研究室』へと続くリンクは確認出来ませんが、1998年12月ではリンクが確認出来ました。ただしそのリンクは現在の『研究室』とは違う掲示板に繋がっており、2000年12月にはさらに別の掲示板へと続くリンクが記されていたのです。

 この事から『研究室』は少なくとも二つの掲示板を経て、今の『研究室』へと移行している事が判明しました。

 ではその二つの掲示板を簡単に説明して行きましょう。


   ◆   ◆   ◆


画像3

初代『研究室』(1998.??.?? ~ 2000.11.24)
 http://www.tcup5.com/511/konhide.html (現在は消滅)

 これが確認出来る最古の『研究室』になります。(青の背景に赤文字の箇所がある……)

 掲示板名は「ペン回し研究室」であり、初期からこの名称が用いられていました。書き込みで頻繁に見受けられるのは「ペン回しの存在は知っていたけど、こんなに奥深い物とは知らなかった」と言った物でしょうか。

 またこの頃は『スーパーソニック1』(恐らくソニック→ノーマルのコンボ)『スーパーソニック2』(ソニック→ガンマンのコンボ)と言った、現在では使われない名称が用いられていました。(なんかこう……中学生が好きそうな名称ですね)

 2000年11月24日にHIDEAKI氏はこの初代『研究室』にて掲示板移転の報告を行い、『研究室』は二代目へと移行する事になります。


画像4

・二代目『研究室』(2000.11.25 ~ 2003.??.??)
 http://ybbs.nazca.co.jp/1/konhide/ (現在は消滅)

 この掲示板はWeb Archive(簡単に説明すると、何らかの原因で消滅してしまったホームページ等を閲覧する事が出来る超便利なサイトです)を用いても閲覧する事は出来ず(でも今回は駄目でした)、404ページへと飛ばされるだけとなっています。

 個人的に予想外で非常事態でした。

 スクリプトキディよろしく他者が作って頂いた物しか活用出来ない私は涙目になり途方に暮れかけましたが、しかしHIDEAKI氏が作って頂いていた二代目『研究室』の過去ログによって、ある程度どのような書き込みが為されていたのかを確認する事が幸運にも出来ました。(危うくこの記事がゴミ箱行きになるかと思いました……)

(因みに上のキャプチャはその過去ログの物になりますので、実際の掲示板の表示とは異なる場合があります)

 さてこの二代目『研究室』の書き込みの幅は多岐に渡ります。○○の技が出来ました、得意な技は何ですか、この技は何と言う名前ですか、皆さんの年齢はどれぐらいなのですか、等々……。

 ペンスピナーに解り易く例えるならそれは、初代JEBの2006年から2007年の間のよう、と表すべきでしょうか。活気に富み若さが満ち溢れ、ペン回し界の発展して行く様をこの目で確認する事が出来ます。

 眩しいです。眩し過ぎて老人にはキツイです。

 ところがこの『研究室』へと続くサイトのリンクは、2003年8月には別のリンク。

画像5

【必読!ペン回し研究室ガイド】
 http://www.geocities.jp/hatsune95/pen/keijiban.htm (現在は消滅)

 ここに繋がるようになります。ここは掲示板に書き込む際の注意点を示しているページなのですが、そこから先に繋がる掲示板のリンクは現在の――或いは三代目とも言える、『研究室』に繋がるようになっていたのです。

(ここでちょっと補足を。『過去ログ』の中では実は初代研究室の事を『旧掲示板』、二代目研究室の事を『新掲示板』と表記されているので、本来であればそれと同じように記すべきですが、この記事中では掲示板の移り変わりを解り易くする為に、あえて初代研究室、二代目研究室と表記しました。これらの呼称はあくまで私独自の物です)

 さて、タキオンも恐れおののくような速さで『研究室』の移り変わりを説明して行きました。初代から数えるとざっと20年以上の歴史(1世紀の5分の1、と表記するとその凄さが良く解る!)がある訳であり、その歴史の長さを考えると一つの記事の中で説明する為にはページが幾らあっても足りません。

 なので、その歴史に対して興味が湧いて来た方は、記事末尾に記されているURLとWeb Archive等を用いて、初代や二代目の研究室などを探索してみましょう。様々な書き込みを調べて行く内に、きっとあなたは驚きや感動を抱く筈ですから。

 ……そして時折垣間見えるであろう黒歴史的な書き込みに対しては、暖かい目で見てあげて下さい。誰もが通る道です。


   ◆   ◆   ◆


 この記事に登場した『私のペン回しの歴史(移転前・後)』『初代研究室』『二代目研究室』『二代目研究室の過去ログ』『必読!ペン回し研究室ガイド』のURLを載せておきますので、参考にして下さい。

(『二代目研究室』のページはWeb Archiveを用いても404ページに繋がるだけです)

・私のペン回しの歴史(移転前)
http://www.tcp-ip.or.jp/~konhide/pen.htm

・私のペン回しの歴史(移転後)http://www.geocities.jp/hatsune95/pen/pen.htm    

・初代『研究室』http://www.tcup5.com/511/konhide.html

・二代目『研究室』http://ybbs.nazca.co.jp/1/konhide/

・二代目『研究室』の過去ログhttp://members.fortunecity.com/angenehm/log_main.htm

・必読!ペン回し研究室ガイド
http://www.geocities.jp/hatsune95/pen/keijiban.htm


(このコラムはTakanさんが主宰した『夏の陣』に寄稿し、展示させて頂いた物を加筆、修正した物になります。展示された物の内容とは若干異なる場合があります)



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