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六地蔵について

よく見かける六地蔵

 六地蔵は墓地の入り口や、霊場として道端などに置かれていることが多い。

古墳前に設置しされた六地蔵 - 朝来市
竹田駅裏の六地蔵 - 朝来市

六地蔵の起源やその意味に迫っていきたい。

六地蔵の由来

話の概要

 次に記すは神木散策に記されていたものである。「今昔物語集」に似た話があるようでそこからの引用であるかと思われる。

 長徳四年(998年)周州(周防)の神官の惟高という人が、俄かに死に、死の旅路に広野で道に迷った。
 その時、それぞれ違った持ち物、香炉、合掌、宝珠、錫杖、華箱、念珠をもった六人の沙門(僧)に出会った。
 そのうち、香炉を持った沙門が「われは六地蔵なり。六道の衆生を救わんがため、六種の身を現ず。汝は神主であるが、久しく我を信仰せしを持って、国に帰らしむ。汝必ず我が像をつくり恭敬いたせ、我が居は南方にあり。」といった。それを聞き終わると夢がさめるように蘇った。死んでから既に三日経っていたという。
 神官は早速六地蔵を刻んで、供養した。これが六地蔵供養の始まりである。地獄へ行く者を救ってくださる仏様、死後お世話になる仏様として墓地の入口に祀られている。

神木散策

沙門の持ち物

・香炉
   仏具の香炉は炭や火種を入れて香を焚いたり、点した線香を立てるための道具である。(香炉 - Wikipedia)
・合掌
   手を合わせて合掌をしている。
・宝珠
   霊験を表すとされる宝の珠のこと。橋の欄干についた玉ねぎ状のものは疑宝珠という。
・錫杖
   杖の頭についた輪っかに鉄の輪(遊環)がついたもので振ると音が鳴る。
・華箱
   花かごという場合が多い。法要のとき、散華に用いる花を盛る器。
・念珠
   数珠と同じ。

 六地蔵が六体いるのはそれぞれが六道を担当しているからとのことであるという。

地蔵菩薩について

 地蔵菩薩は、釈迦の入滅後から次の仏とされる弥勒菩薩が現れるまでの56億7000万年の間、仏に成り代わって、人々を救ってくれるといわれている。だから人々は長寿息災、子育て、五穀豊穣などいろいろなことをお願いしてきたのである。また、お墓の六地蔵やら、賽の河原で子供を救ってくださる、子供たちの仏という信仰もある。

神木散策

 赤い帽子とよだれかけも子供の守り本尊であるからだという。

お参りをするときお経をあげて祈念するとよいが、簡単なのは
「オン カカカ ビサンマエ ソワカ」
類い稀な尊いお地蔵様という意味の真言か、また、
「南無地蔵願王尊、南無地蔵大菩薩」
と唱えるとよい。

神木散策

真言はどうやら「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」が多数のようである。
南無地蔵願王尊というのは、地蔵菩薩を讃える真言のようである。

参考文献

神木散策
生活歳時記
農民生活史事典
六地蔵菩薩像(https://www.butsuzou.com/jiten/6jizou.html
地蔵歎偈 南無地蔵願王尊(http://www8.plala.or.jp/kanjizai/2-6.html