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森が燃えるって本当? ヤバすぎるコミューン脱出劇

※2023年夏に書いた文章を再掲しています

森が燃えるって本当?

いま世界中で起きている森林火災。

最近はイタリアやクロアチアの山火事がニュースになりましたが、そもそも森が自然に燃えるなんてことあるのか?と思いませんか。

自分もこんな経験をするまではそう思っていました。


2019年、オーストラリアで大規模な森林火災が起きたニュースはご存じの方も多いと思いますが、ちょうどその頃僕もオーストラリアのジャングルの中に住んでいて、まさに渦中にいました。


あの年の夏は史上最悪の大干ばつで、数ヶ月雨が一度も降りませんでした。
僕が住んでいたコミュニティでは森が蓄えた豊富な水源があり、そこから水を引いて生活に使っていました。

ですがそれも70年代にコミューンが始まって以来初めて枯渇し、生活用水を近くの川や街の水道へに汲みに行くことでなんとか凌ぐような状況でした。


干ばつがはじまりしばらくすると、あちこちのナショナルパークが燃え始め、僕たちのコミューンの近くでも火災が広がっているという話が入ってくるようになりました。
いつも野菜を買っていた近所のファームでも火災で畑と家が全焼し引っ越したりと、日に日に火災が迫って来ていました。


そしてある朝起きると喉や目がイガイガして何事かと思い見渡すと、家の中も外も白煙に覆われていました。


急いで地域のミーティングで状況を確認したところ、自分たちのコミューンがある谷から、ひとつ尾根を挟んだ向こう側に火災が広がって来ていました。

もはや火災を鎮火することも出来ない規模だったため、とにかく急ピッチで荷物をまとめ、その日中に知り合いが泊めてくれるという家へ飛行機で向かいました。


炎に追われるように森を出て、煙の中車を走らせながら、なんとか森が、家が無事であることを祈るばかりでした。



幸い風向きのお陰で僕らのコミューンは火災の被害から免れ、2週間後には戻りまた暮らし始めることができました。

数ヶ月の大干ばつ後に最初の雨が降った日、身体の底から安心感が湧き上がり涙がボロボロと溢れてきました。
口を空へと大きく開けて、身体中で雨を浴びた時の喜びと安堵は今でも覚えています。


これまでにない干ばつや水源の枯渇、これは過度な環境破壊によって引き起こされる人災です。
その結果として森林の火災がある。


都市部では、ある水源が枯渇すれば別の水源を探して水の安定供給がされるように、生活と自然の距離が離れることでその実態をリアルに感じ取ることができません。

東京で生まれ育った僕にとっても、鈍った感覚を揺さぶられるような衝撃的な経験でした。

しかし感覚的に隔たりがあろうと、
現実には燃える森と、僕らの暮らしは地続きです。

だからこそ、地球の現状を知ることは生きる上できっと重要なことです。


少しでもリアリティを感じてもらえるように、かなり長くなりましたが書いてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!!

※ちなみに僕が住んでたジャングルは、70年代のヒッピーたちが森林伐採のプロテストとして住み始め、今ではナショナルパークになってます。

僕らにもまだまだできることはある!

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