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「何で山走ってるの?」という疑問への実況中継的note

どうも!かいとです!

現在、石川県の高校に弊社サービスの説明会を行うために来ております。

無料で使えるコワーキングスペース

石川県がスタートアップ支援に力を入れていることに感動しました。

月曜日が学校訪問にもかかわらず、僕は金曜から石川入りをしております。それは「トレイルランナーズカップ2022石川大倉岳」に出場するためでした。

もっぽら最近は出張が入ると、前後の予定に「トレイルランの大会ないかな?」って探すようになっちゃいました。ワーケーションじゃなく、もはやワークラン。(ワークマンとかけようとして滑っている感じですね。)

さて、ここ数年色んな人に「趣味はランニング」ってお話することが多くて、90%くらいの確率で「何で走るの?」と聞かれます。毎度、走ることの魅力をプレゼンすることになっちゃうのですが、今回のは初めて大会直後に大会直前から完走までをnoteにしてみたいと思います。

今回のトレイルランでの学び
・努力をしてないんだからそりゃあしんどいよ
・余裕があるから誰かに声かけ(サポート)ができるのか
・先を見すぎてもダメ。足元ばかり見てもダメ。それより大切な一歩。
新しい学びというより改めての気づきかも。

ランニングしていると大切な気づきに毎回出会えるので、「もうやだ」と思うくらいしんどくても、やめられないのかもしれません。
ただただしんどい大会だったので写真は撮れていません。NIKEランアプリのデータと記憶をもとに実況的に再現していきます。

高低差がエグい。

獲得標高(どれだけ登ったか)は1000mらしく、1000m登り続けるのもしんどいですよね。

まずはトレイルランとは?

案外知らない人が多いみたいなので、僕が説明するより専門サイトから引用します。

トレイルとは未舗装路のこと。つまり、未舗装路を走るのがトレイルランニングです。未舗装路といっても、さまざま。林道、砂利道、登山道などを総称したのがトレイルと考えてください。そして、これらのトレイルを走るのがトレイルランニングです。
TrailRunner.jpより

マラソンとは異なり、舗装されていない坂道を走るという、文字面だけ読むと現代の真逆をいくようなランです。笑

トレイルランナーズカップ2022大倉岳とは?

文字通り、トレイルランの大会です。トレイルランナーズカップは全国で行われているようです。

HPに

「来る夏に心躍らせながら仲間と、親子と思い出の時間。3歳から気軽に楽しめる、日本一敷居の低いレースイベントです。大倉岳で爽やかに体を動かしましょう!」

と書いてあったので、今年初にしてはちょうどいいかなって思ったけど、全然でした。もう二度と山を走りたくないと思うくらいハードです。

さあ、どんな物語があるのか?
できるだけトレイルランやったことない方にもわかるように言葉にしていきます。

スタート前:アウェイ感があるけど道民に遭遇してリラックスできた。

8:30すぎにレンタカーで到着。まずは受付に向かう。受付では、ゼッケンと栄養ゼリーと参加賞として水を汲めるランニング用のボトルをもらいました。札幌からボトルを持ってきたものの、キャップを忘れたため、アミノバイタル300mlだけしかなく、水無しで走ることになったのでもらえたのが奇跡でした。(ウイダー的なゼリー2つも持参しました。)

そして、受付を済ませ、会場に着くとイケイケのランナーがたくさんいて、昨年の大会の話や、「55kmの大会が〜」「ひさしぶりー!」など経験者が多いようでした。

うん、これアウェーだね。
1人で出るのに少し寂しさを感じる。

って思ったのも、人生で初めて1人だけでトレイルランの大会に出ました。と言ってもトレイルランの大会2回目なので前回は友達と一緒に出たり、マラソンなどの大会も基本誰かと出ることが多かったり。だから、1人で参加するとこんな感じかーとストレッチしながら人間観察をしていました。笑

すると、僕の目の前に背中に「札幌RC あいの里」(RCは「ランニングクラブ」の略)が書いてあるシャツを着ているジェントルマンがいたので、思わず声をかけちゃいました。

「札幌から来られたんですか??」
「はい。」
「背中に書いてあったので声けちゃいました。僕も札幌から来たんですよー!」
「そうなんだ!はじめて?」
「そうです。出張のついでに。。。」
「私は47都道府県の大会を制覇しようと思っていて」
「すご!!かっこよすぎます。」
これ完全ナンパですね。

みたいな。札幌から来られた人に出会えてアウェイ感がなくなりました。
もう少し話したかったけど、スタート時間になってしまったので「がんばりましょー!」で終わり。この一期一会感もなんか好き。

スタート〜1km地点「スタートは悪くない。」

スタートは、感染対策上、ゼッケン順に15秒につき、3人ずつスタート。僕は1094だったので、開始から10分後くらいにスタート。

もちろん、登りからスタートするので、登りながら自分のコンディションを確認。ここから背景がグレーになるのは心の声だと思ってください。笑

思うように練習時間を取れなかったからペースを上げるのは禁物。一歩一歩ゆっくりでも歩かないようにしよう。
「」がないときは心の声です。

と1kmまでは走り続けることができたけど、やはりずっと登りだとどうしても歩くことになってしまう。歩き始めたあたりで

もう少し練習しとけよ!まだ1kmなのに歩き始めちゃった。

と自分を攻めるような鼓舞するような複雑な気持ちを抱えながら登る。

4km地点:プロランナーの実力に遭遇

坂がゆるくなると走ったり、きつい坂だと歩いたりという感じで山頂が近づいてきた。この時点で数十人が僕を抜いていく。つまり、僕は遅い。そんなことは最初からわかっていたことなので気にしない。
山頂直前、1回目の気持ち的にしんどくなるタイミングで、後ろから「がんばでーす!」と女性の声が。まさかとは思ったものの、プロトレイルランナー(今大会のゲスト)がランナーの枝元 香菜子が1人1人に笑顔で声かけをしている。

この暑さとしんどさで笑顔なんて凄すぎる。。。きっと13kmは余裕なんだろうなぁ。

きつかったけど、彼女の後ろについて走り出し、大倉岳山頂に到着。彼女はそのまま颯爽と走っていった。まだこの時点で4km。つまり、最初の4kmは高低差300mをひたすら登るという最初からハードモード。
山頂に着いて、北陸の山々を見れたものの、写真撮る余裕などなく、引き続き走り続ける。

キレイな山の形をした高低差。ん?ふたつ山登ってるなこれ。

山頂に着いたので、しばらく下り。僕の特技は下り。サッカーをずっとやっていたのもあって、前ももには自信あり。だから、

下りで時間稼がないと!!

と思い、スピードアップ。結構稼げたなーと思ったら、また上り。下ったあとの上りはかなり足にくる。

5km地点:トレランで初めて膝が外れそうになる。

下りでスピード出しすぎて、下ってから登るタイミングでの心拍数は今回最大の192。

平均170もしんどさを物語っている

下りだと心拍数が上がっていることに気づかず、登りでゆっくりになった時に肺が張り裂けそうなくらい痛くなる。
アップダウンが激しいと肺がものすごく痛くなる。肺のカタチがわかるくらい呼吸をするから息するだけで苦しい。今までにないくらい肺の苦しさと下の長さについに足がきて、石を踏み外し、よろけて膝が伸び切った状態で全体重が膝に乗ってしまい、もう少し体制が悪ければ膝が外れていたかもしれない状況だった。本当焦った。こんな山奥で膝外れたらどうなるんだろう。と余計なことを考えてしまった。

折り返し直前:「もうやめていいかな。」

6km地点で、折り返しが見えてきて、肺苦しいし、膝外れそうになるし、足もボロボロだし、満身創痍な状態で6km〜7kmの折り返し地点で

もうやめようかな。折り返しでやめてもいいって大会の人も言っていたしな。

と何度も思いました。50mに1回は考えたので、折り返しまでに20回考えて、5回くらいは

本気でやめようかな。だって、踏み外して膝外れそうになるくらい足がきてるんだよ?もう限界じゃない?

って悪魔のかいとがささやいています。折り返しが実際に見えてきた時に、応援してくれるスタッフやランナーのご家族らしき人たちが「がんばれー。折り返しだよー」と声をかけてくれたので何とかやめずに残り半分走り切ることを決意。

9km地点:持ってきた水や栄養ドリンクが全て無くなる

折り返しが峠だったため、7km〜11kmまでほぼほぼ登り。泣きっ面に蜂どころから刺されたところをずっと液体窒素で押されるくらい辛い。「もうやめて」と泣きたくなるくらい辛い。

北海道では味わうことのない蒸し暑さに持ってきた水を飲み干してしまう。水がない代わりに栄養ゼリーもしっかり飲み干してしまう。

感染対策のため、給水スポットがない大会だったので、飲み物がない中で走り続けるのは、サウナを10分で出ようと思ったらドアが開かずにもう30分さらに入らないといけないことが確定したくらいの絶望感です。
サウナというのは、例えではなくて、サウナの時くらい汗がびっしょり。何ならサウナより汗が出るのは30度の日に体を動かしているから間違いない。

10km地点:「ドリンク飲みます?」と現れたイケメン救世主

そんな時にSTAFFと書かれたゼッケンを着ているイケメンが「経口補水液飲みます??」と心配してくれて、遠慮せず飲ませてもらいました。「飲まないと、熱中症になっちゃいますからね。後少しで山頂です。乗り越えれば下るだけです!」と爽やかなメッセージまでいただいた。

これが少女漫画で出てくるイケメンってやつか。そら、惚れるわ。

とか、思っていたら颯爽と先に走っていった。彼もたしかプロのトレイルランナー。名前は忘れちゃったけど、イケメンなことだけは確か。

13km地点:下りもスピードが出ないくらい足が進まない+鼻先が痺れ出す。

飲み物を2〜3口だけいただいたものの、やはり水分不足。山頂を越えて下るだけ。

スピード上げてさっさとゴールしたい。

と思っていたけど、もう太ももがパンパンすぎて走れない。走るとまた膝が外れそうになる。膝をかばったせいかしまいには膝裏のすじがつってしまう。

下りなのに歩かないと前に進まない。次第に後続の人たちに抜かれていく。悔しい。

ゴール:水分不足で顔全体が痺れる。

何とか力を振り絞って、意識が朦朧となりながらも、ゴール。ゴール前には応援してくれる人がいるからゴールした瞬間は「やったー!」って思う。ただしんどすぎて、ゴールしてゼッケンを渡して、ゴール横で倒れ込む。雨が降りしきる中倒れ込んで、

あーしんどかったー。雨気持ちいいなー。あれ、このまま気を失うかも。。。

結果は?

遅いなー。100人には抜かれた。

「何で山走ってるの?」の自分なりの回答

決して早くはないし、「山走るの楽しい」って思うの2時間40分走っていたら5分くらいだけです。残りの2時間35分はしんどいです。
「じゃあ何で山走るの?」って思いますよね。

山を走ると豊かな人生の本質みたいなことをたくさん学べるんです。

最初にお伝えした今回のランで学びに少し補足します。

・努力をしてないんだからそりゃあしんどいよ
マラソンも同じくですが、日々練習を積み重ねないといい結果は出ません。直前に練習してもそんな結果にはつながりません。今回もそう。練習していないから2時間30分は切りたかったけど、全然切れませんでした。日々の積み重ねの大切さを教えてくれるのはいつもランです。

・余裕があるから誰かに声かけ(サポート)ができるのか
バンバン追い抜かれる時に一番元気よく声かけをしてくれたのがゲストランナーでした。一般ランナーでも声かけをしてくれるのですが、しんどすぎて、「うっす。」しか言えない時もありました。ダサい。
誰かに声をかけられるって自分に余裕があって気配りできる証拠なんだなって改めて思ったし、みんなで乗り越えようという思いを感じました。ちょっとした一言で心が救われることがあると体験できました。日々の生活でも声かけできるよう余裕を作っていこうと思った。声かけから相手の余裕度が見えると考えると少し俯瞰して見えるかも。

・先を見すぎてもダメ。足元ばかり見てもダメ。それより大切な一歩。
先を見ると「あと10kmもあるのか」って果てしなく感じるし、足元ばかり見ると酔いそうなくらい土や岩があって目まぐるしい景色になるし、ゴールがわかっているなら少し先を見て走れば足元はたまに見る程度で何となる。あとは考えずにただただ足を動かす。時に険しい道のりは一歩一歩丁寧に足を運ぶ。この緩急や視点の違いを楽しめるのがトレイルランかもしれません。


そして、帰りの車でビビった。
車に乗っていると、女性プロランナーがまだ走ってた。しかも、さっきの笑顔とは違って本気の顔。
プロの努力は、素人には計り知れないことを思い知らされた。

主催者の方とパシャリ。俺、びちょびちょ。

いやー、今回のトレイルランのような文章の長さ。
備忘録として、書いたこのnoteを誰が最後まで読んでくれるのだろうか。
最後まで読んだあなたに感謝します。
感謝として一緒に山を走りましょう。連絡待ってます。笑


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