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「自分の中では90点」と満足そうな44点を取った男の子との話


どうも!
すみかのかいとです!

私は、週1回とある塾で社会科の先生をしていました。1月〜2月だけのピンチヒッターだったため、先日が最後の授業でした。とある生徒とのやりとりが私を最高にハッピーにしてくれたのでnoteにしました。
子どもに関わる方、人材育成をされている方にはぜひ読んでもらえると嬉しいです。

ただ黙って頷くコミュニケーション

中学1〜3年生の集団と個別の授業を担当していました。担当を受け持つ中学2年生の生徒に「こんにちは!」と挨拶しても、目を合わせて表情は一切変えず、コクリと首を頷くだけの寡黙な生徒がいました。
数回授業をしてきましたが、私とのコミュニケーションは首を縦に振るか横に振るか、5回に1回の問いに「うん」と言えるかどうかという子でした。(オープンクエスチョンをしても応えず、3秒ほど間を空けて「わからない」と言うことが多かったです。)

定期テスト直前の授業で「定期テスト何点取りたい?」と聞くと、「50点」と言っていました。「おお!目標あるんだね!それ大切!1週間程度だけど目標に集中して出せる限りの力を出して取り組もう。」と伝えました。

定期テストの数字より自己評価が高い

そして、先日が、定期テストの結果が返却されてから初めて会うタイミングでした。

いつも通りの彼のコミュニケーションスタイルで、「こんにちは!」とこちらが挨拶すると「うん」に代わる頷き。彼に定期テストの点数を聞いた時の感動に溢れたやりとりを再現します。

「定期テストお疲れ様!どうだった?」
「・・・まあまあ。」
「まあまあだったのね。社会の点数何点だったの?」
「44点だった。」
「そうかー。ちなみに誰とも比べなくていいから、自分の中で『めっちゃできた!!』が100点だとして、『正直、あんまりできなかったなぁ』が0点だったとしたら、何点??」
「んー、90点。(ドヤっ)」
「えーめっちゃいいじゃん!そのドヤ顔!!それは嬉しいね!」
「・・・(「うん。」と心の声が聞こえた頷き)」

※本人を特定されないよう実際の点数と異なる点数を表示しています。

この瞬間に立ち会えるから子どもと関わるのは楽しいし、やめられないなぁと改めて思いました。きっと世間的に、44点はあまり褒めるに値しない点数だと思います。ただ、彼の中では「44点=90点」なのです。ここが自分の人生を生きる上での最重要ポイントです。
取った点数は、良いも悪いもなく、ただの数字でしかありません。その後に自分が、そして、周りが良い悪いを決め出すのです。周りはとやかく言ってきます。色んな人が色んなこと言うから、定期テストで90点以上を毎回取り続けているのに、「自分はまだまだ」と誰と戦っているのかわからず劣等感を感じ続けている生徒を見てきました。良いも悪いもその人の価値観で判断しているから「絶対的に良い」も「絶対的に悪い」もありません。だから、自分自身が取った結果に対して、「自分の中では90点」と言える(思っている)ことがとても尊いです。これがまさに自己肯定だと思うんです。

周りと比べていると一生悩む

子どもに関わる皆さん
人材教育をしている皆さん
人と関わる全ての皆さん

目の前にいる人の存在を無視して、常に人と比べていませんか。

常に目の前にいる人はその人なりに頑張っています。人と比べて煽ってもその人は認めれていないと思い込み、「この人は私を見てくれていない」と言ってあなたとの距離を置きます。結果、モチベーションアップには繋がらない。。。
しまいには、「私はあの人と比べて、、、」と自分の心の声を聞かず、一生他者と比べて劣っている自分であると捉え続けます。

お互い対等に喜び合える関係性

「そんな甘いことしているから今の若者はダメなんだ!」

勝手に作り出したアンチ

という声が聞こえてきました。
そのご意見もすごくわかります。お尻叩いて、無理矢理にでもとことんやらせるとたくさん時間をかけるから結果出そうですよね。

ただ逆の立場になった時にあなたの過去にその結果でうまくいったことはありましたか?
どんだけ叱られても、「よかった」と思うのは大前提に信頼関係があるからではないでしょうか。自分のことを思って言ってくれていることが伝わったからじゃないでしょうか。
つまり、怒ろうとも一緒に喜ぼうとも、「私のために言ってくれている」ということが伝わることが重要です。だったら、私は一緒に喜び合える関わり方をしている方がお互いにとって楽しいのでは、と思ってやっています。

答えはその人の中にある

そして、先ほどのやりとりで終わるのではなく、最後は未来を振り返りを終わります。

「90点って十分高得点だけど、あと10点で100点だね。次は1点でも高い点数を取るために今までやっていなかった工夫をするとしたら何をするかな?」
「んー、ノートに書く。」
「おおー!今までテキストにやっていたことをノートに書くのか!ちなみにどうしてその対策するの?」
「何回も解けるし・・・」

対策もしっかり彼は持っていました。

もうお分かりいただけたでしょうか。
子どもの中に答えはあるんです。

この関わり方は今この瞬間からできます。

お互いが楽しく未来を向くための3つの考え方
①相手は対等な人間であり尊敬すべき人であると思うこと
②自分は相手のことを何も知らないというフラットな状態に立つ
③「答えは相手の中にある」と心の底から信じる

私は学校や塾にいたので、特に子どもの場合は、という話になりますが、子どもは相手がどういう姿勢で私と関わっているのか、を肌感覚で掴むのが得意です。どれだけ褒めようと思っていなければ響きません。どれだけ怒ろうと、自分のためを思っているとわかれば伝わります。

あなたの行動は誰の何のための行動ですか??

きっと関わり方次第で、少しずつ変化していくと思います。

にしても、子どもから学ぶことは多いですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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