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軍事600文字解説記事:人民解放軍の進化


いまだに人民解放軍を甘く見る人々

「人民解放軍は弱い」「人民解放軍は練度(質)が低い」という認識はSNSで多く見る事がある。
これは一部保守層・現職自衛官・自衛官OBにもおり、「人民解放軍よりも自衛隊の方が素晴らしい」という論調は消えることはない。
ハッキリ言えばこの論調は「古い人民解放軍」のイメージから脱却できておらず失笑するしかない。

「世界一流の軍隊」を目指す人民解放軍

習近平政権はこれまでの10年間で、人民解放軍の改革をおこない装備品・能力・質など広範な分野に及ぶ改革を実行してきた。
第一九回党大会では、中華人民共和国の建国一〇〇周年となる二〇四九年までに、人民解放軍を「世界一流の軍隊」にするとの目標を掲げた。
これは米軍を抜きさるという認識で間違いない。
陸海空軍の戦力は着々と整いつつあり、海軍では、ブルーウォーターネイビー(世界的に活動できる海軍)に変貌し、規模は海上自衛隊を超えるものになり、東アジアに限定すれば米中の戦力は逆転している。

核戦力の強化へも注目を

米国防総省の年次報告書では、中国は2030年代には1500発の核弾頭を保有すると指摘された。
これは冷戦時代から続く核抑止体制は米露の2か国だったのが、米露中3か国の時代となることを意味する。
中国・ロシア・北朝鮮の三つの核保有国に囲まれた日本はさらに厳しい立場に追い込まれるのは明白であり、国民全体を巻き込んだ安全保障議論が必要だ。


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