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普段は、Twitterで活動しており、平凡な政治・ミリオタです。 中立的な立場から、是々非々で安全保障・政治ネタについて記事を不定期で投稿しています。 是非よろしければフォロー等をしてくれれば幸いです。

最近の記事

軍事600文字解説記事:人民解放軍の進化

いまだに人民解放軍を甘く見る人々 「人民解放軍は弱い」「人民解放軍は練度(質)が低い」という認識はSNSで多く見る事がある。 これは一部保守層・現職自衛官・自衛官OBにもおり、「人民解放軍よりも自衛隊の方が素晴らしい」という論調は消えることはない。 ハッキリ言えばこの論調は「古い人民解放軍」のイメージから脱却できておらず失笑するしかない。 「世界一流の軍隊」を目指す人民解放軍 習近平政権はこれまでの10年間で、人民解放軍の改革をおこない装備品・能力・質など広範な分野に

    • 国家戦略の重要性

      国家戦略ができた時期はいつなのか? 国家戦略というのは外交・安全保障・経済など様々な分野に大きな影響を与え、戦略に基づいて各中央省庁が具体的な政策を実効していく。 アメリカでは大統領選挙に伴い4年に一度国家戦略の改定が行われ、2017年12月トランプ共和党政権が国家戦略を改定によって、対中政策の見直しが急激に進んでいった。 まさに国家戦略というのは「自国がどう生き抜いていくか」というのを示す道であると言っても過言ではない。 それにもかかわらず戦後日本では国家戦略という概念

      • イスラエル情勢:積極的介入は西側に破滅をもたらす

        本日バイデン大統領は日本時間09時00分にホワイトハウス執務室からハマスの攻撃を受けたイスラエルについて国民向けて演説した。 バイデン大統領は、イスラエル支持を表明しウクライナとイスラエルへの支援は民主主義諸国を共通の脅威から守り、米国の利益となるとし国民の支持を求めた。 現状、アメリカはイスラエルのハマスに対する反撃を支持しているもの、民間人に対しる被害・攻撃に対しては自制を促している。 ハマスの攻撃に対して厳しく批判し、米議会に追加予算総額約1千億ドルを要求、イスラエルに

        • 韓国特集:韓国国内の台湾有事に関する動き

          尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の動き現在、東アジアでは台湾有事をめぐる問題で日米韓の連携が急速に強まり、5年ぶりに日韓首脳会談が今年3月に開催され、尹政権は日本との融和政策にかじを取り、中国に対しても厳しい対応をとっている。 安全保障面でも年間を通じて中国軍機が飛来することが常態化しており、黄海周辺の緊張も徐々に高まりつつある。 尹政権発足以前から韓国の有識者や実務家からなる少数派のグループが、台湾有事にどう対応していくについて議論がされてきた。 国家情報院傘下の国家安保戦

        軍事600文字解説記事:人民解放軍の進化

          白リン弾への誤解:国際法の視点から

          2023年10月7日早朝、パレスチナ自治区・ガザ地区を実効支配するイスラム主義組織・ハマスの軍事部門カッサーム部隊の攻撃により、イスラエルは戦争状態となった。 イスラエルはガサ地区に対して報復として精密誘導弾等による攻撃を激化させており、少々ではあるが白リン弾の使用も確認された。 これに対してパレスチナ側は白リン弾の使用に「非人道的」「国際法違反」と避難しており、一部メディアにおいてもイスラエルへの非難がされている。 だが実際のところ白リン弾に対する批判の中には誤った認識によ

          白リン弾への誤解:国際法の視点から

          「前例のない攻撃」イスラエル地上作戦と今後の展開

          2023年10月7日早朝、パレスチナ自治区・ガザ地区を実効支配するイスラム主義組織・ハマスの軍事部門カッサーム部隊がイスラエル各地に向けてロケット弾を多数発射し、ガザ地区に隣接するイスラエル南部各地に戦闘員を侵入させて、イスラエル人多数を殺傷し、多数を拉致してガザ地区内へ連行した。ハマスはガザ地区からのロケット弾発射を続けている一方、イスラエル軍は戦闘機・ドローン・砲兵を用いてガザ地区を空爆・砲撃している。 現時点で、イスラエル軍は予備役30万人を招集した地上作戦実行に向け

          「前例のない攻撃」イスラエル地上作戦と今後の展開

          自衛隊の地対艦ミサイル部隊

          防衛省自衛隊は南西防衛へシフトしてもう数年になり、陸海空自衛隊の装備・配置・予算は大きく変わった。 現在は5個地対艦ミサイル連隊編成となっており、現有装備は88式地対艦誘導弾・12式地対艦誘導弾の2つを配備している。 地図にあるとうり沖縄から北海道まで部隊は展開しているが、南西方面シフトに基づき12式の配備は南西方面が中心である。 以下配置戦力一覧 ○北部方面隊第1特科団所属 ・第1地対艦ミサイル連隊(北千歳駐屯地 :4個射撃中隊基幹) ・第2地対艦ミサイル連隊(美唄駐

          自衛隊の地対艦ミサイル部隊

          ハマスによるイスラエルへの強襲

          10月7日パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスによってイスラエルが攻撃をうけた。 数千発のロケット弾による攻撃によりアイアンドームなどの防空システムを突破しイスラエル領内に着弾、数百人以上の死傷者が出ている。 これに対してイスラエル軍は空爆による報復を実行し、100人以上の死傷者を出している。 イスラエルのネタニヤフ首相は、「作戦や一時的な戦闘ではありません。戦争です。」とコメントし、イスラエル側は官民一体となって反撃の体制を整えている。 ハマスの残虐行為し

          ハマスによるイスラエルへの強襲

          トマホーク導入が一年前倒しに

          木原稔防衛相は4日、米国防総省でオースティン米国防長官と50分ほど会談し、巡航ミサイルトマホークを取得する時期について、従来から計画されていた2026年度から25年度に1年前倒しすることに一致した。 旧来の計画では2026 年度から2027 年度にブロックⅤを取得する予定だったが、ブロックⅤの一部を現行型であるブロックⅣに変更することも確認されている。 防衛省からもプレスリリースが出され、トマホーク導入が一年前倒しになることが確定している。 一年前倒しになった背景 トマホー

          トマホーク導入が一年前倒しに

          鈴木宗男議員訪露の見方

          日本維新の会の鈴木宗男参院議員がロシアに訪露し、ルデンコ外務次官と会談した。 昨年2月にウクライナ侵略を開始して以降、日本の国会議員の訪露が明らかとなるのは初めてとなる。 会談でルデンコ氏は鈴木氏が日露関係の発展に貢献したと指摘し、日本の対露制裁に対して遺憾の意を表明した。 鈴木宗男氏はウクライナ戦争についてロシア側への擁護や戦争の即時停戦を求める発言を繰り返し、ニュース番組でも多くのコメンテーターと激論を繰り広げてきた。 今回の訪露によって処罰を求める声が上がっており、維新

          鈴木宗男議員訪露の見方

          映画:沈黙の艦隊を見た感想

          今回は沈黙の艦隊を見た感想について書きたいと思います。 気難しい話は今日はしません。 数日前に沈黙の艦隊を見に行きます。 Xを見ている人達は既にご存じだと思いますが、本日はそれについて発言をしたいと思っております。 ネタバレしない程度に話しますのでご安心ください。 実写化を聞いた時 先ずは沈黙の艦隊を実写化するというニュースを聞いた時は大きく驚きました。 この作品は小学生時代に漫画・OVAアニメで見ましたが、非常に面白い作品だと思いましたが、実写化には向いていないと思っ

          映画:沈黙の艦隊を見た感想

          防衛政策は防衛省だけでは不可能

          昨年12月、岸田政権は国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定し、日本の防衛政策の大転換をおこなった。 現在、防衛省自衛隊は台湾有事に備え急ピッチで防衛力整備に取り組んでおり、令和6年度概算要求において7兆7385億円を計上した。 正面装備だけではなく、継戦能力向上のため弾薬の確保に約9303億円、装備品の部品不足解消や可動率向上に約2兆3515億円を充てられている。 自衛隊では予算不足により弾薬の確保や隊舎の整備にしわ寄せが及んできたが、防衛予算の増額によって今まで放置

          防衛政策は防衛省だけでは不可能

          反撃能力とインテリジェンス 

          安保3文書に書けばゴールなのか? 昨年12月、政府は国家安全保障戦略など「安保3文書」を閣議決定し、日本の防衛政策の大きな転換点となり、反撃能力の保有についても明記されることになった。 これによってこの方針を現実にする為に膨大な作業が必要になり、防衛省自衛隊は急ピッチで体制を整えている。。 インテリジェンスがなければ反撃はできない 反撃能力による攻撃に着手するためには、敵部隊の詳細把握・標的設定・損害評価といったものを強化すると必要がる。細かい話をするともう少しあるが今

          反撃能力とインテリジェンス 

          岸田総理 一般討論演説を読み解く後編

          皆さんこんばんは 本日は昨日投稿した記事の後編です。 今回は北朝鮮関連の内容で初級編ということもあり、かなり簡潔にまとめています。 岸田総理は国連総会の一般討論演説において、北朝鮮による拉致問題の解決に向けて、金正恩総書記との首脳会談を実現するため、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してことを述べた。 5月27日都内で全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席した際も、「あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、私直轄の

          岸田総理 一般討論演説を読み解く後編

          岸田総理 一般討論演説を読み解く前編

          アメリカ合衆国ニューヨークを訪問中の岸田総理は、国連総会の一般討論演説に臨んだ。 演説で岸田総理は、ウクライナ侵攻を受け、「現在の世界を反映した安保理が必要だ」と発言した。 一方で日本国内からは内容に対して「内容が薄い」「なにも言っていない」と批判が目立つ。 今回は、私独自の視点で今回の一般討論演説で特に注目した内容を読み解くこととする。 岸田総理の核に対する認識 岸田総理は演説で協調すべき分野として、みずからがライフワークに掲げる核軍縮について触れた。 大きなトピックは

          岸田総理 一般討論演説を読み解く前編

          第2号(2023年3月8日)ウクライナ戦争の行方とロシア軍の現状

          【ロシア教書演説とロシア軍の実態】ウクライナ戦争1年経過  2022年2月24日プーチン大統領はウクライナ東部での「特別な軍事作戦」の実施を発表し、首都キーウなどへのミサイル攻撃や空爆を開始した。 それと同時にウクライナ東部・南部・北部の3方向より陸上戦力による電撃侵攻をおこない、首都キーウを制圧、ゼレンスキー大統領を捕縛・殺害を計画していた。  しかし、ウクライナ正規軍及び各民間防衛組織の抵抗によって、キーウを周辺にいたロシア軍は押し戻され、現在はウクライナ軍とロシア軍の

          第2号(2023年3月8日)ウクライナ戦争の行方とロシア軍の現状