見出し画像

カスタマーサクセスで大事なこと・実現したいこと

メリークリスマス!株式会社mikanの吉田です!
いよいよ本日がmikan Advent Calendar 2023のラストになります!

昨日はhoshitocatさんが「分析基盤をAthenaからBigQueryへノーコードで移行した話」という記事を上げていたので、みなさんそちらも読んでくださいね!(特にバックエンドエンジニアの方には興味のそそる内容になっています!)


今回は私がカスタマーサクセスとして経験してきて感じた大事なこととmikanで実現したいことについて話していこうと思います!

はじめに

まずこれから話す内容は馴染みのない方もいらっしゃるかと思うので、ここで一旦前置きを。
株式会社mikanでは、toC向けのサービスがメインではありますが、実は2022年4月から「mikan for School」というtoB向け(学校や塾向け)のサービスを展開しています。

興味がある方は以下のWebサイトを覗いてみてください!


私はそのtoB向けのサービスのカスタマーサクセスを担当しているというわけです。

カスタマーサクセスとは

※これ以降「カスタマーサクセス」という単語を多用するので、「CS」と略します

もともと、CSとはどういう意味か?
言葉通りの解釈なら「顧客の成功」です。
つまり、「顧客を成功に導くための取り組み」と言えるでしょう。

これだけ見れば、かっこいい華やかな職種に感じますよね。

でも、「CSってどんなことをするの?」と聞かれると、この言葉の定義だけでは具体的なアクションまで起こしづらいと思います。

なので、もう少し深く考えてみます。

「顧客を成功に導くか、成功、、、顧客の成功??」

たまにCSとはなんだろうと考えだすと、大体こんな感じで迷走します。(笑)
ですが、自分なりに本やセミナーから得た知見と業務での経験則から考え抜いた結果、CSの定義は以下だと捉えています。
(もちろん、CSの定義は企業によって異なることは前提です)

✅ カスタマーサクセス(CS)とは、顧客がある商品やサービスを利用することで、期待した成果を得られたり、達成したい目的を達成できた状態


この定義でCSを考えると、顧客との期待値コントロールがとても重要になることがわかるかと思います。

一方で、これまでの話はどちらかというと、顧客目線でのCSの話かなと思いますが、自社としてCSの存在意義はどういうものかも合わせて考えたいと思います。

それを考えるにあたり、当たり前ではありますが、企業は営利を目的として存続していることを理解することが重要だと思います。

CSの定義は先ほどあったように、顧客を成功に導くためですが、もっと先にあるのは自社の売上維持とさらなる売上アップです。

なので、ざっくりとCSの存在意義をまとめると、以下のようになるかと思います。

 ✏️ <CSの存在意義>
1. サービスを解約せずに継続してもらうこと(売上維持、LTV増やす)
2. 顧客の期待値を超えて、プランアップしてもらうこと(売上アップ)

前職のCS経験談

私はmikanに入社する前、SaaS(Software as a Serviceの略)企業でCSを1年半ほど経験してきました。
そこでは、中小企業様をターゲットに自社で開発した複数のSaaSプロダクトを販売し、デジタルマーケティングを浸透させ、顧客を成功に導くための施策を伴走するといったことをしていました。
私は数あるプロダクトの中でも、自社開発したCMS(Contents Management Systemの略でWordpressのようにHPを専門知識なく作成できるシステムなど)をご契約いただいている顧客を約100社ほど担当していました。
クライアントの業界柄は特に製造業の企業様が多く、「Webサイトを新しくして、お問い合わせを増やしたい」といった、デジタルマーケティングを始める第一歩としてお取引をしてくれた企業様がほとんどでした。

引き継いだ後、CSとして最初に行ったのはクライアントとの「目標設定」でした。
ここで意識していたのが、先ほども触れた顧客との期待値の調整です。

なぜか?

それは、自分たちが「成果が出た!」と感じていても、顧客は「成果が出ていない…」と感じた場合、解約の可能性が高まるからです。

例えば、A事業部として来年3月までに売上を昨年より+1,000万円増やさなくてはいけないので、月10万円で最低利用期間1年間のBプロダクトを導入する決断をした企業がいるとしましょう。

クライアントのBプロダクトに対する期待値は「昨年より+1,000万円売上アップ」ですが、導入してもらったBプロダクトは売上に直接影響を与えることはできず、あくまでも「新規顧客からのお問い合わせ数を増やすこと」が得意なプロダクトです。

ここで、クライアントと自分たちとで期待値が異なってしまっているのがわかります。

クライアント→「売上」
自分たち→「新規顧客からの問い合わせ数」

こういった状況は双方にとって厄介です。

なぜなら、追っている指標が異なっているので、自分たちは期待している成果に貢献したという事実があったとしても、顧客にとっては「あれ?想像していたのと違うな…」となってしまうからです。

ですので、できる限り導入初期の段階で、この目標指標の共通認識をとっておきたいというわけです。

ここで重要なことは、実現できそうにない顧客の期待に対して正直に伝える覚悟と、間接的に顧客の期待に貢献できることを伝え、理解してもらうことです。

先ほどの例で言うと、クライアントは「売上アップ」を期待しているけれども、導入したプロダクトは「新規顧客からの問い合わせ数を増やす」ことが得意です。

この時点で、正直にこのプロダクトの強みや解決できる領域を伝え、現在クライアントが期待している「売上アップ」には直接影響を与えることができない可能性があることを直接伝えていました。

しかし、これだけで終わってしまうと、顧客の期待値やモチベーションは下がるだけで、これからそのプロダクトを活用しようといった気力をなくしてしまう可能性が高くなります。

顧客が「これからプロダクトを使っていこう!」というモチベーションが一番高い時期は導入初期なので、できないことを伝えるだけで終わらないようにする必要があると思います。

じゃあどうしたらいいか?

上記でも書きましたが、その答えは「間接的に顧客の期待に貢献できることも伝える」ことだと個人的に思います。

間接的にというのは、クライアントが考える理想の状態を達成するために必要な要素を分解し、そのプロダクトが貢献できる要素を明確にし、クライアントと認識をすり合わせるということです。

例えば私がよくやっていたのは、クライアントとの目標設定時に「売上を増やす」という理想に対して売上の増やし方を「新規顧客の獲得数」と「既存顧客のアップセル数」といったように要素分解をし、さらに「新規顧客の獲得数」の中でも、「Webサイトからのお問い合わせ数×商談化率×成約率」といったようにクライアントとさらに要素を分解していきました。

最後には、プロダクトの特徴や優位性(例えば、新規顧客のお問い合わせ数を最大化することが得意)を伝え、理想とする売上を達成するためには、今の商談化率や成約率から逆算すると、どれくらいのお問い合わせ数が必要かを逆算することで、クライアントと共通の目標を最終的に設定していきました。

この要素分解をすることによって、顧客の考える理想な状態の実現には何がどれくらい必要なのか解像度が上がり、追うべき指標が明確になるため、期待値が調整しやすくなります。

mikanのCS経験談

改めてにはなりますが、弊社が提供しているmikan for Schoolについておさらいです。
mikan for Schoolは塾や学校に導入いただき、生徒がmikanを使って英語学習をするプロダクトです。

mikanに入社してから約2ヶ月ほどCSをしてきましたが、これまで経験してきたCSと決定的に違う点が1つあります。

それは、「顧客が営利目的で導入しているわけではない」ということです。
というのも、前職でCSをしている時は法人顧客がほとんどだったので、顧客の成功の定義は究極この3つに集約されるなと感じていました。

1.「売上を増やしたい」
2.「コストダウンしたい」
3.「組織をよくしたい」

このいずれかに対し、自社が提供できるプロダクトの価値を最大限活かせる施策を考え、顧客と伴走することで、ある一定の成果を出すことができていました。

つまり、大体のクライアントは、営利目的でプロダクトを導入してくれていたのです。

しかし、mikanのCSはちょっと違います。

なぜか?

それは顧客が塾や学校になるので、成功の定義が先ほどの3つに集約されることが少なかったり、弊社のプロダクトがこの3つのいずれかに直接的に貢献できるものではなかったりするからです。

学校は売上を上げるために、何かプロダクトを探して導入するかといったらそんなことは起きづらいです。一方で、塾は売上を上げるためにプロダクトを探したりすることはあるでしょうが、弊社のプロダクトはその文脈と少しずれてしまいます。

なのでmikanの場合、「プロダクトの活用率」が成果の指標として定量的に設定しやすいため、クライアントに成果を報告する際に、そういった話をすることが多いです。

つまり、どれだけの生徒がmikanを活用して勉強しているかどうかを成果指標として追っています。

しかしながら、クライアントの多くは授業中の英単語テストでmikanを活用してくださっています。週に一回の頻度でクラスごとに単語テストが実施されています。

そうなると、テストの実施日は必然とmikanが活用されるため、活用率が上がります。

では、「活用率が高くてしっかり活用できていますね!」「活用率が上がってきて良かったですね!」といった声かけでCSとしてはOKなのでしょうか?

個人的には何か引っかかってしまいます。

なぜなら、クライアントが求めている期待は単語テストだけできればいいといった範疇に収まっているわけではないからです。

クライアントが本当に求めていることは『テスト直前にテスト範囲の勉強をちょこっとしてテストに臨んでほしい』ではなく、「テスト関係なく、普段から少しずつ英語を継続して勉強することで、英語学習の習慣を身につけてほしい」といったニーズがほとんどです。

そう考えると、この場合の活用率は

「mikanを単語テストで活用した生徒数/契約した全生徒数」

では正確な成果指標になっていません。

活用率といっても、分母と分子をどう定義するかによって追うべき指標は変わってきます。

ですので、活用率の定義を曖昧なままにするのではなく、クライアントの理想の状態をよくヒアリングし、より詳細に定義することが重要です。

最低でも以下の項目は導入当初に握っておけると、クライアントの期待値や成果指標の設定をしやすくなります。

・導入いただいたきっかけ
・何を弊社プロダクトに期待しているのか
・その期待はいつまでに達成していたら望ましいか
・達成するためにどんな取り組みをすると効果的と考えるか

ここに前の会社の先輩からの言葉で意識していることがあったので、書いておきます。

「CSはクライアント先の社員よりも、そのクライアントに関する情報に詳しくなれ」

クライアントの解像度を上げることが、正しい成果指標を設定することに繋がり、その成果のためにやるべき施策が実行でき、その結果、プロダクトを解約せずに継続して活用してもらえたり、アップセルを実現できるだろうというのが私の考えです。

mikanのCSとして実現したいこと

一番はmikan for Schoolに対するクライアントの期待に応え、ずっと使ってもらえるプロダクトをつくりたいです。

というのも現在では、本当に多くの学習系アプリやICTツールがあり、大企業は莫大な予算を投じて生成AIを活用したプロダクトを開発したりしています。

そんな中、弊社のプロダクトを選んでくれたクライアントにはmikanを大好きになってもらいたいなという気持ちが強くあります。

現時点のクライアントの期待としては、『できるだけ多くの生徒にmikanを気軽に楽しく活用してもらうことで、英語学習が習慣化する一つの手段となってほしい』が強いなと感じるので、その数を増やしていきたいと思います。

そのために、実際に活用している先生や生徒から直接声を聞き、要望や期待を吸収し、プロダクトの改善に努めています。

まだまだ改善すべきことはありますが、『mikanのおかげで英語が好きになった』や『mikanのおかげで単語が覚えられるようになった』といった声を生徒から直接聞いたりすると、こうして顧客と一番近い距離にいれるCSは素敵な職種だなと感じます!

さいごに

mikanは絶賛採用強化中です!!

私が所属するmikan for Schoolチームは代表の髙岡とCSから開発までやってしまう鈴木の3人で日々仕事をしています!(その他にも業務委託メンバーがいます)

ここまで読んでくれたあなたはきっとmikan for Schoolチームに縁があると思います(笑)

代表の高岡はmikan for Schoolの創業当初から現在までの振り返りを赤裸々に書いていますので、ぜひ読んでみてださい!


CSから開発までなんでもこなす鈴木は最近話題の生成AIを活用してシステム開発した話について書いていますので、ぜひ読んでみてください!


二人ともシステムの開発に関する知見が豊富で、かつ最近の学校・塾の動向や生成AIについての情報のキャッチアップが凄まじく、日々良い刺激を受けながら仕事ができています。

私としては、最近こういったこともやってるので、カジュアルなトークからでもなんでも大歓迎です!


少しでも興味を持ってくれたら、ぜひぜひお話しましょう!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!✨


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?