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詩集『本棚のうえの小石たち』

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湖の畔を散歩していると、つい小石を拾ってしまう。帰ってきて、ポケットの中の小石たちを本棚に広げてみる。すると、いろんなところから来たそれらの小石たちは、ずっと前から一緒にいたかの… もっと読む
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記事一覧

『玉子サンドと花火』

ゆでたまごはきらいだけど きみとたべた玉子サンドは 笑ってしまうほどおいしかった 花火はド…

かい@森
9か月前
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『いのちの唄』op. 3-3

ぼくのいのちはどこへ向かっていくだろう ぼくのいのちはどのようにしてここにいるのだろう …

かい@森
1年前
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『いのちの唄』op. 3-2

ぼくはいのちを恐れる いのちは食い食われる いのちあるぼくが原っぱへ行けば 雀蜂が飛んでき…

かい@森
1年前
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『いのちの唄』op. 3-1

動きつづける ぼくがいなくても 夢のなかでも法螺貝に気づくぼくの鼓膜 大きな影に驚くぼくの…

かい@森
1年前
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前奏曲『奥会津』op. 2-3

過去としてしか現れない自分 未来になら生まれようという自分は 果たして生きているのか 裸足…

かい@森
1年前
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前奏曲『奥会津』op. 2-2

いくばくかの時が経ち こんなことを言う人が現れるかもしれない ここにかつて炭で遊ぶものが…

かい@森
1年前
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前奏曲『奥会津』op. 2-1

いのちの証しを掘り出して碑にするのは誰か? 碑を建てないと消えてしまうものは何か? 生まれては消えてゆくものが また生まれてきますように 碑は多くを語らない ただ感覚器の風通しを良くしてくれるだけ なつかしいけど思い出せないあの香り どこかでいつか 聞いてみても答えは見つからず 山鳥茸の裏発 nowhere 行き 実は気づかないだけ? 碑はたくさん転がっている? 足は何かに追われるように急いで回る ここにいるよ でも過ぎ去っていく足音 雨が垂れ 僕はもう外へは行け

『緑柱石』

緑柱石の松の葉は透き通り 虚無の彼方へ僕の視線を放り出してしまうほどの冷酷さは備えず 自…

かい@森
2年前
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『ツリーハウスの唄』op. 1

地上5メートル板のうえ お日さまわた雲いっしょになって スポットライトあて回る きらきら光…

かい@森
2年前
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『ある夏の夜』

ある夏の夜。まとわりつくような湿気と、ざらざらしたコンクリートが、僕を部屋へと追い立てた…

かい@森
2年前
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