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「過程」は門外不出の能力を育てると思う話


いちねんせーになったらー
いちねんせーいになったらー
友達100人できるかな〜

っていう歌ご存知ですか?
まどみちおさん作詞の童謡で
幼稚園の卒園間際によく歌う曲です。

この曲には、友達をたくさん作って、小学校でも楽しく過ごして欲しいという大人の願いが込められていると考えています。

正直、本当に友達がたくさん必要かといえば、
100人作ったとて全員と毎日遊ぶのは無理な話で、
それって友達か?いや知り合いだろ。と突っ込みたい気持ちはありますが
そういうことではないと思うんです。

ここには「本音と建前」が隠されています。
多様性を認め合う現代社会で、「人間関係の構築はこういうもの」と1つの方法しか子どもに提案しないのは疑問に思いますが
いきなり何の基準もなしにスタートするのは酷なんじゃないかな?
文字も習ってないのに本を読めって言うようなもの。

幼児教育を勉強している学生(私)の意見ですが、
未就学の子どもに他者との関わりを教えるとき、「ゴメンね」と「良いよ」がセットになってしまっているような形式ばったものがいくつもあります。
教員は子どもに「言葉」や「言葉の使い方」を教えるのが主な仕事で、実際に問題が発生した状況において「ごめんね」という言葉を使う練習をしてみるというのが、この「ごめんねセット」のスタートだったはずです。
このセットは、現場に時間的な余裕がなく簡略化されちゃったと思うので、いろんなところで様々な誤解を生んでいるけれど・・・

本来は時間をかけて子どもの気持ちに寄り添い、それ以外の選択肢もあることを教えた方が良いと私は考えていますが、「オールドスタイルは必要ないから全く教えなくてもいい」と決めつけて選択肢から外すのも違う気がするのです。教育上、やっぱり教えた方がより良い人間関係を作れるだろうからと思ってセット販売されてるはず。順序というか基礎みたいなものがあると無いじゃ大違い。

今は本当に色んな考え方があって、
だから今の教育が詰め込みすぎになっているんだろうけど。

大人になり社会に出たら「本音と建前」で過ごさなければいけないこともありますよね。幼稚園の役員をしていた去年の私みたいに「まじ嫌い!!アイツ絶対許さん!」と思っていたって、チームを組んで働くしかないのです。
建前だけで生きるとかなりしんどいよ、でもそれに助けられることもあるんだよね。


どんな状況にせよ

子どもが自分で選べたら、

それが私的にはそれがベストと思うから
選べる環境にしてあげたい。
どんどん失敗して、自分でどうするか考えてほしい。


お姑さんが「100人友達作れっていうのは、小学生のあいだにいろんな人を観察しろってことだよ。」って言ってました。

色んな人と関わって、自分を見つめ、集団生活の中でどのように振る舞えばいいのかしっかり学べってことだと思います。
それを「友達100人」って表現したんじゃないかな。

私も含め、大人の世界にいる保護者は何かを素っ飛ばして「正解」を求めがちです。もちろん全員じゃないよ、でも不安商法のような教材や成功法則のようなネット記事がたくさんあって、子どもはこうやって育てるんだよみたいな情報に振り回されているのは確か。
色々と選べるのは非常にありがたいのですが、どれがうちの子にピッタリなのかって子どもが大きくなるまでわからない。

ってか大きくなってもわからないよね。
どこの時点で何を基準にしてどうやって判断するのか?って話だよ。
よって、

成功も正解もないんじゃない?

私は人生で数えきれないぐらい失言してきたと思いますが、まだ今でも失敗します。でも失敗してきた過程があるから、誰かに謝るときには反省した状態だし、少人数精鋭な友人たちは「替えがきかない大事な人たち」です。
私は35歳過ぎてようやく、無理をせずに他者と付き合うコツとか、そういうものを持てたと思う。
でも、だからといって
私が成功してるかどうかなんて死ぬまでわからないよ。



てか何の失敗もなく、
いきなりうまく出来るん??


今はYouTubeをみたら、どうやったら最短距離で成功できるのかすぐに知ることが出来ます。ピアノも、絵の描き方も、ダンスも、受験勉強も、親としての心構えも、すでに習得したプロたちが丁寧に何回も無料で教えてくれる便利な世の中です。

いきなり正解にたどり着いて得られるものは
残念だけど正解だけです。


仮説を立てて試行錯誤する力、
何回も失敗して凹んだ時の気持ちの回復方法、
やっと誰かに認めてもらえたときの嬉しさ、
他にも色々
過程で身につくいろんな能力を得られないような気がします。


これって門外不出なんだよね~。

もしかしたら親子ぐらいの距離感なら教えてあげられることもあるかもしれないけど、そもそも教えてって言われて教えられるものではないし、自分で経験しないとわからない。
そういうものこそが、その人の魅力になるんじゃないかと思うんです。
正解にすぐ辿り着くってすごく便利なんだけど、使い方を間違えると、徐々に人間として劣化していって機械になってしまうような気がしています。


友達の話に戻るけど、
いきなり親友は出来ないですよ。
「はじめまして」から、喧嘩したり大笑いして、お互いのことを理解して初めて親友といえる状態になれます。もちろん時間かかるし、嫌な面も知ることになるし、迷惑かけることもあります。つらい別れがあって、今度は相手を大事にしようって思うんです。

誰かと親友になって切磋琢磨して
楽しく青春を過ごすために、
幼稚園では基礎を教えて、小学校に入ったら(とりあえず誰でも良いから)友達100人作ってみて、人間関係をつくるための下積みをしなさいよってことじゃないの?

人間としての成長を考えたとき
「過程」を素っ飛ばして効率よくと思ったらダメな気がするよ。


子どもの教材を解釈するには想像力が不可欠です。
私も、赤毛のアンぐらいの想像力が欲しいぜ。。。


最後まで読んでくれてありがとうございます。 スキ、コメントは私のやる気になります!!それだけでとっても嬉しいです♪♪もしサポートしていただけるのなら、娘達の野外活動に使いたいと思います!!