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小学生5年生の姿勢改善のための施術で気をつけること

かじた式骨盤整体スクール修了生から以下のような質問を頂きました。

(質問)
小学校5年生の女の子の姿勢改善でのご予約が入りました。
まだ詳しい事はわからないのですが、側弯症と診断された事はないとのことです。
普段の姿勢が悪いのを親御さんが心配して来店したいとのことなんですが、
小学生に施術するに当たって何か気をつけることや、アドバイスがあればお聞きしたいです。
(生理になっているかどうかは聞いておりません)
宜しくお願いいたします。

(回答)
基本的な考え
「猫背」は腸腰筋(大腰筋)のアンバランスと仙腸関節の不具合が大きな原因になっている場合が多い。子供も大人も同じ。
普段のどのような運動しているのか、どこに座っているのか、視力はどうなのか、なども問診で聞くようにする。



まずは、現状の姿勢を把握するために必ず「姿勢写真」を撮って下さい。
そして、以下の資料を参考に姿勢の分類について説明して下さい。
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○姿勢撮影のポイント
 ・座位
 ※座面の硬い椅子に座ってもらうのは、坐骨がしっかりと座面に当たるほうが骨盤、いわゆる仙腸関節の歪みが顕著に現れるから
椅子の高さは膝が直角になる高さが最適

1 側面から撮影
 足は軽く閉じ、手は膝の上に置いて頂き、目線を下げないで前方を見てもらう。
 「リラックスして力を抜いて座って下さい。決して背筋を伸ばしたりしないで下さい。 現状を把握したいのでよろしくお願いいたします。」と伝える。

2 背面から撮影
 側面と同じで、足は軽く閉じ、手は膝の上に置いて頂き、目線を下げないで前方を見て もらう。
「先程と同じようにリラックスして力を抜いて座って下さい。」と伝える。
・立位
1 側面から撮影
 くるぶしの位置、耳がみえるように髪をかけてもらうことを指示。目線下げない。
 踵の内側をつけて、つま先を軽く開いた状態で立って頂く。
 「リラックスして力を抜いて立って下さい。決して背筋を伸ばしたり、身体の揺れを止 めないで下さい。現状を把握したいのでよろしくお願いいたします。」と伝える。

2 背面から撮影
側面と同じで、 踵の内側をつけて、つま先を軽く開いた状態で立って頂く。目線下げな い。「先程と同じようにリラックスして力を抜いて立って下さい。」と伝える。 

○撮影後の写真説明のポイント

1 座位及び立位の側面

 座位は赤の正中線を背中にあわせ、青の平行線を座面に合わせ、基準を作る。
 
お腹・腰・背中・首猫背のどれに当てはまるのかを「猫背の種類(下の資料)」を見せながら解説。

猫背の種類


「ボーリングの玉」を使った説明も効果的 →体重の約10%を占める頭の重さが仙腸関節の歪みがあることで、背骨の上にある頭の重さを支えきれない等の説明

 立位は、正中線が踝・膝・大転子・肩・耳に穴のライン上にない場合はバランスが崩れて いると説明して、「壁立ち」を参考に、壁に背中を付けた状態で正しい姿勢再現し、いかに姿勢が崩れているかを説明する。

2 座位の背面 
赤の正中線と青の平行線を座面に合わせ、基準を作る 赤のラインの左右のバランス、左右の肩の高さをチェックし説明
 
座位では、なぜ硬い椅子に座ってもらうのかを説明して、骨盤の歪みがあると座位での 姿勢のバランスが崩れるのでこのような結果になったと説明し、骨盤及び背骨の歪み改 善する必要性を認識して頂く事が目的 
 
3 立位の背面 
赤の正中線を踵の間に青の平行線を床面に合わせ、基準を作る 赤のラインの左右のバランス、左右の肩の高さをチェックし説明
 
最後に、「このデータは保存しておきますので、今後またタイミングをみて写真撮ります。」と説明する。

立位側面の分類

B.後弯ー前弯型(カイホロードシス)
このタイプは、頭部前突により、頚部の筋肉(とくに後頭下筋群)や胸鎖乳突筋が過剰に働くことで頚部から頭部へ走行する神経が圧迫され、その結果肩こり・頭痛やめまいを起こしやすくなります。
腰部は過前弯によって、腰椎椎間関節などの関節に負担がかかりやすくなり、椎間関節性腰痛の原因にもなります。

短縮しやすい筋肉:頚部伸筋群、大胸筋、小胸筋、前鋸筋、腰部脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋

弱化しやすい筋肉:頚部屈筋群(前頚筋)、僧帽筋中下部繊維、上部脊柱起立筋、腹筋群

C.平背型(フラットバック)
このタイプは、脊椎(脊柱)全体が平坦で、頸椎・胸椎・腰椎の生理的なS字湾曲がみられないフラットな状態を指します。

生理的な弯曲がないことで、脊柱にかかる衝撃をうまく逃がすことができずに、脊柱椎間関節や椎間板に損傷をきたしやすくなり、結果として椎間板ヘルニアなどの症状が現れることもあります。

全体的に脊柱は平坦になっていますが、下部腰椎は過伸展気味になっていることもあり、椎間関節症や脊柱管狭窄症の原因になることも考えられます。
短縮しやすい筋肉:腹直筋・ハムストリングス

弱化しやすい筋肉:腸腰筋

D.後弯ー平坦型(スウェイバック)
このタイプは、骨盤後傾の状態であるということです。
頭部は先ほどの後弯前弯型姿勢と同様に前方変位しており、胸椎も長い後弯姿勢になっています。骨盤後弯にともなって腰部は平坦になり、壁に背を向けて立った場合、壁と腰の隙間に手がほとんど入らないくらいになります。
頭部前突位による肩こり、頭痛、めまい、顎関節にも影響を及ぼすこともあります。
骨盤後傾に伴って、ハムストリングスなどの下肢後面筋群が過剰に働き、股関節痛、膝窩部痛、腰痛の原因にもなります。

短縮しやすい筋肉:頚部伸筋群、大胸筋、小胸筋、前鋸筋、ハムストリングス

弱化しやすい筋肉:頚部屈筋群(前頚筋)、僧帽筋中下部繊維、上部脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋

E.軍人型(ロードシス)
一般的にはあまりみられない。
骨盤の前傾と腰椎前弯の増強、膝関節の過伸展、足関節軽度底屈

短縮しやすい筋肉:腰部脊柱起立筋、腸腰筋

弱化しやすい筋肉:上部脊柱起立筋、腹筋群、大腿直筋


◯姿勢の悪化と問題がある筋肉の関係

◎耳の高さが違う・首が歪んでいる
→頚部屈筋及び伸展筋群、菱形筋、僧帽筋、脊柱起立筋、大腰筋、中殿筋

◎肩の高さが違う
→頚部屈筋及び伸展筋群、僧帽筋、肩甲挙筋、三角筋、広背筋、中殿筋

◎腸骨稜の位置が違う・骨盤が歪んでいる
→大腰筋、内転筋、中殿筋、大腿筋膜張筋、縫工筋、
腹筋

◎お腹が出ているまたは背中が丸くなっている
→腹筋、梨状筋、大腰筋

◎反り腰
→脊柱起立筋、大腰筋

◎背骨が歪んでいる
→腹筋、脊柱起立筋、広背筋

そして、姿勢の説明が終わったら、検査を以下の手順で行う。

座位での首の検査
問診表の<Motion Pain.> <R.O.M>を検査する

立位での腰部の検査
問診表の<Motion Pain.> <R.O.M>を検査する

※患者さんにわかりやすい言葉で。自分で動作をやってみせる。
(注意点)対面ではなく、後ろから動きをみて、うまくできない方はこちらへと体を動かしてあげる。
 首の動きの時、体も動いてないか、腰の動きの時、首も一緒に動いてないかチェック。

骨盤の状態確認
立位での腸骨陵の左右の高さ、PSIS位置を触診

カテゴリー分けのOリングテスト
(触ってOリングが離れたら+の反応)

腹臥位でPSIS、腸骨稜、大転子の位置の触診

短足の確認およびヒールテンションの確認、ふくらはぎの横圧
確認

次に「施術」に入ります。


骨盤矯正重要5筋テスト
最初に股関節の動きを確認
股関節の内・外旋を2回転ずつくらい回す。痛みや違和感がないか確認

ブロック骨盤矯正(基本的にカテゴリー1)

術後説明

・骨盤の歪みの状態を説明
*骨格模型を使って視覚的にイメージさせる
○説明の例
・「土台の骨盤がぐらぐらしていると、いくら背骨や首を矯正しても戻ってしまうので、まずはこの骨盤の矯正をしっかりやっていきます。」

・「原因がはっきりわかったので、そこを改善していけば大丈夫です。今日は骨盤中心に矯正しましたが、次回から身体の反応をみて、股関節や背骨の矯正などもいれていきますね。」

・「骨盤の安定をさせるために、次回以降必要なエクササイズも指導していきます。」

術後の注意(初回)


「それでは、術後の注意をお話します。」
インフォメーション(別紙)見せながら確認してもらう
「術後ですが、一時的にだるくなったり、痛みがでる場合があります。
これは心配しなくて大丈夫です。施術の効果が身体に反応としてでているということですので、次回はどこにそれがでたかを教えてほしいんです。それによって次回以降の施術をどうするか参考にさせて頂きます。
それから今日はお水を多めにとっていただいて、お風呂にはあまり長くはいらないでください。」

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