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リクルート流 事業を成長させるKPI / 最高の結果を出すKPIマネジメント

・リクルートで磨かれた「KPIマネジメント」
・KPIとは、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの
・KPIマネジメントの正しいステップ

上記は、「最高の結果を出すKPIマネジメント(著)中尾隆一郎」に書かれている内容です。本書で言われるKPIマネジメントは、単に事業数値を見ながら事業運営する「なんちゃってKPI」とは一線を画す、「徹底した現場主義の使えるKPIマネジメント手法」とあります。

著者は、リクルートで約30年間活躍され、新規事業の立ち上げや事業責任者を経験しながら、同時に11年間「KPI」と「数字の読み方」という社内講師をされていました。そのため、実際のリクルートにおける事業責任者のKPIマネジメント方法がわかる実践的な内容になっています。


リクルートで磨かれた「KPIマネジメント」

KPIマネジメントとは、どういうイメージでしょうか。
前述したような単に事業数値を見ながら事業運営するものとは異なります。KPIマネジメントとは、下記を関係者全員で共有・実行・改善し続けることとあります。

1. 現在の事業にとっての最重要プロセスを明確にし(=CSF)
2. それをどの程度実行すると(=KPI)
3. 事業計画が達成できるのか(=KGI)

一般的な会社でも、KPIや数値管理を実際にやられているケースはあると思います。しかし、たくさんの事業数値をみてあれこれ議論したりするだけになっていないでしょうか。

本書では、正しいKPIの設定方法から、様々な具体的なKPIの活用したケースを紹介されています。

KPIとは、「事業成功」の「鍵」を「数値目標」で表したもの

はじめに、KPIマネジメントにおける主要な3つの登場人物について紹介されています。

1) KGI:最終的な目標数値
2) CSF:最重要プロセス
3) KPI:最重要プロセスの目標数値

1、3 については、よく使われいるのでイメージできると思いますが、2のCSF(Critical Sucess Factor の略)は議論されることが少ないのではないでしょうか。CSFは、1 のKGI 達成のために 最も重要なプロセス としています。

よくあるKPIマネジメントは、このCSFを決定しないまま、多くのプロセスの数値をKPIとし、どの数字もモニタリングし、まんべんなく改善努力をするために、どの改善も中途半端になっているというのが現状ではないでしょうか。

また中途半端になるという以外にも、「最も重要なプロセス」という部分には、「ザ・ゴール」で取り上げられている「制約条件の理論」の考え方がベースになっているということでした。つまり、ゴールを達成するためのボトルネックを解決することが重要という考え方あるということを記事に掲載されていました。

KPIマネジメントをやっていますという人は世の中にたくさんいますが、ただ数字で管理しているだけの場合が多いです。自著『最高の結果を出すKPIマネジメント』では、制約条件理論の考え方をベースに、「取り組むべき問題を1つに絞って取り組んでいこう」と伝えています。

安宅和人さんの『イシューからはじめよ』も同じです。最も重要な1つに取り組んでいこう、と。ただ、だらだらと1つに取り組むのではなくて、その速度を上げていこうということです。

引用:https://times.readhub.jp/library-nakao/2/


KPIマネジメントの正しいステップ

本書では、標準的なKPIマネジメントの正しいステップを紹介してくれています。

下記ステップの流れで進んでいくとあります。

1. KGIの確認
2. ギャップの確認
3. プロセスの確認
4. 絞り込み(CSFの設定)
5. 目標設定(KPIの設定)
6. 運用性の確認
7. 対策の事前検討
8. コンセンサス
9. 運用
10. 継続的に改善

この中で、ステップ4の絞り込み(CSFの設定)ができていないと感じる事が多いので、取り上げたいと思います。

ステップ4を実施するために、下記の2つを実施するとあります。

・ステップ4-1. 定数と変数を分ける
・ステップ4-2. 残ったものからCSFを選択する

まず前段階のステップ1〜3で、事業の目標と現状、ギャップを明確にし、事業モデルを数式で表せる状態になります。

たとえば、アフィリエイト報酬の発生する広告を掲載するWebメディアを運営していたとします。その際の売上は、「売上 = PV数 x CTR x CVR x 平均広告単価」となります。

次に、ステップ4-1にあるように、定数と変数を分けていきます。定数とは、自分たちでコントロール(努力で変化)できない数値になります。変数は、定数の逆で自分たちでコントロール(努力で変化)できる数値になります。

たとえば、メディアの特性上掲載できる業種が限られる場合は、平均単価は自分たちでコントロールすることが難しいため、定数となります。またCVRは、クライアントページに遷移した後の成約率になるため、同じく自分たちでコントロールすることが難しいため、定数となります。

変数となるのは、自分たちでコントロールできるPV数とCTRになりますが、ステップ4-2のであるように、残ったものからCSFを選択するために、それぞれをさらに具体的なプロセスに落とし込みます。

そうするなかで、実際に大きく指標に効果がでるものをCSFとして選択することになります。

まとめ

KPIマネジメントとは、CSF・KPIを明確にし、それを突き詰めてPDDSサイクル(本書内に登場するPlan、Desice、Do、See のサイクル)を回し切ることに強さがあると感じました。

そして、重要になるのは、CSFを見つけること、そして、全員が行動できるようなシンプルなものにしておくことだと感じました。

事業を成長させる方法や強い組織を作る方法の参考になるので、ぜひ読んでみてください。




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