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かきク会 ZINEvol.1 制作のおはなし

岡山でライターをしているハルカです。今回はかきク会のZINE制作のきっかけや裏話などをお届けします。かきク会のZINEを眺めながら読んでいただけると、より一層嬉しいです!



ZINE制作のきっかけ

今回のZINEは「おかやまZINEスタジアム」の開催をきっかけに制作がスタート。岡山市が「文学による心豊かな街づくりに力を入れる」とのことで、文学フェスティバルが開催されていて、その一環として今年はじめてZINEのイベントが開かれました。

また今年の1月、私が住む岡山県玉野市にクリエイターが集うコワーキング・ZINEスタジオ「宇野港編集室」がオープン。オーナーである橋本さん自身も編集・ライターをされていて、さらに全国各地でZINEのワークショップも開かれています。

そんな宇野港編集室が今回のイベントに合わせて「ZINE制作プログラム」をやると聞きつけ(サポート付き&リソグラフでの印刷もOK)、玉野でできるうれしさとZINE制作への不安もあったので申し込みをしました。結果的にこれに参加してよかった!と思っています。


作ったZINEのあれこれ

《テーマ》
テーマは個人的なことも含めて色々と考えたのですが、句はZINEとの親和性も高そうだな~と思ったのと、ク会が1年続いたタイミングでもあったので、何か形にしたいと思い、”かきク会2023の集大成”をイメージしたZINEを作ることにしました。


《構成》
最初はこれまでのクとそれにまつわるエッセイというシンプルな構成しようと思っていたのですが、サイミさんとカタヤマさんにも相談をして、今回は「かきク会の紹介」を軸にコンテツを練り直しました。

改めて「なんで1年間続いたのか」「ク会の楽しさ」を話して、その魅力を伝えるZINEにすることに。

かきク会はとにかくハードルが低いから自由に楽しめる。うまくなろうとしている節もあるけれど、基本的には好きによみたい。月に一回、集まって話すという時間もいいよね。クにまつわるエピソードトークや、クをどうやって考えたかを聞くのもおもしろい。

ざっくりとこんなことを表現したいと思っていました。


《仕様》
私はとにかく不器用なのでできれば切り貼り作業をしたくなくて(ZINEの醍醐味を無視…!)、折るだけでいい仕様を選びました。ただ、あとから中身を詰めていくと意外とやりたいことが多く、結局ギューギュー詰めに…。初歩的なことですが、先にコンテンツを考えてから仕様を決めるべきだったと思いつつ、そんな試行錯誤や失敗もまた楽しさのひとつだなと感じています。

それから、ほかの方のZINEを見ると、本当に細部にまでこだわっていて感動。「ほぉ~これがZINEか~!!」と楽しくなるほど。今後はそういう”仕掛け”みたいなものにも挑戦してみたいです。

《デザイン》
最初はラフを引く(=レイアウトを考える)感覚で、keynoteを使ってなんとなくのデザインを考えていました。ただ、写真もなく文字だけの構成だったので、どうしてもシンプルになりすぎて納得がいかない…。

リソグラフという印刷機で2色刷りにする予定だったこともあり、橋本さんにも「イラレ(イラストレーター)がいいかもね」と言われて納品の3日前にイラレソフトを購入。家に眠っていた入門書とにらめっこしながら制作しました。

デザインに関しては、イラレ歴3日にはみえなーい!いう温かな目線で見て頂ければ幸いです。テーマは”ハードルの低いク会”ということで、親しみやすさとポップさを意識しました。

表紙のギンガムチェックは宇野港編集室のサポートをされているデザイナーさんにやり方を教わりました。デザイナーさんってやっぱりすごいですね。私が数時間かけてやろうとしていたことを、サクサクッと秒でやり遂げていました。

手慣れたショートカット操作で教えてくれるので、「左手でコマンド押したまま、右手でスライド!左手離す!」と、まるで旗揚げみたいになってなんだか面白い時間でした。


イラレ3日目でここまでできたのすごくない?!と見せて回った日


《印刷》
宇野港編集室に導入された「リソグラフ」という印刷機を使用。色ごとに原稿をわけて用意して、黒を印刷したあとに赤を重ねるように2段階で印刷するというものです。インクのかすれ感や黒と赤の絶妙なズレ感などを楽しんでいただければと思います。

夜の23時くらいに印刷を始めたので、頭がほぼ回っていない状態でしたが…。黒と赤をピッタリと合わせるのに0.5mm単位で微調整を繰り返したり、赤色の濃さも絶妙に全部変えていたりします。なんともアナログで気まぐれな印刷機でしたが、なかなか面白かったです。橋本さんは私が印刷機と格闘しているのを後ろから監督のように見守ってくれていました。写真に収めておくんだった。


《製本》
納品の当日に朝から宇野港編集室にお邪魔して、余白を裁断して折る作業をしていました。

途中からゾロゾロとお手伝いに人が集まり、初めましての方や小1の女の子も一緒になって製本作業。100部すべて製本できると思っていなかったのですが、おかげ様で完成。親戚の家に集まってワイワイしている感じで、とても楽しい時間でした。


皆の隣にちょこんと座ってはお手伝いを楽しんでくれた女の子
カッターが大の苦手なので裁断機に救われた


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当日のようす

私は当日現地に行くことができず、ZINEを置かせてもらった「ハレマ」というコミュニティのおふたりが写真を撮ってくれました。

これください、の手元かなぁ
ハレマブースでご一緒していた日本酒のZINEも気になる
読んでくれてる…!
うれしい…
重ねてるってことは買ってくれるってこと?!とドキドキ
やっぱりギンガムチェックかわいい
今にもクルッてしそうな手元


「わ~~~買ってくれてる~~~~」「わ~~~~手に取って読んでくれてる~~~~」と写真を眺めながら、ドキドキしてしまいました。

当日は13人の方が買ってくださいました。この13人の皆さんが何を思いながら読んだんだろう。だれのクが好きかな。自由律俳句、読みたくなったかな。かきク会の楽しさ、伝わったかな。なんて、想像するだけでニヤニヤ、ソワソワしてしまう。

ハレマの皆さん、ZINEを手に取ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。

ちなみに表紙の文字を書いてくれたのはハレマのかなえさんです。ありがとうございました!

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終わってから思ったこと

今回ZINEを制作してみて、まず編集的な目線でもっと詰められることはあったな~という反省はモリモリ。でも、やってみたからこそ分かったことで、作り続けることでしか成長しないぞ!と思えました。うまくいかないことも含めて楽しいと思えるのは幸せなことです。

それから、制作の過程がとにかく楽しかった。それは宇野港編集室に集う人たちが皆、作ることを楽しんでいたから。自分の表現したいものを、素直に純粋に楽しみながら作る姿を見て、すごくすごくすごく!いいなと思いました。

また、私は正直途中で「全然できない!」と思ったので、自分のなかでうんとハードルを下げました。ライターなのにとか、編集経験あるのにとか一旦横において、周りに相談して、できないかもしれないけれどイラレにも挑戦してみました。そして一個でもうまくいくと「褒めて!」と褒められにも行きました(大事)。

そうやってちょっと挑戦してみたり、思う存分自分の自由に作れたりできるのがZINEの魅力だと思いました。自分の小さなこだわりや大切なものを誰かの元に届けるという経験を積み重ねていくと、何かいいことが起きそうだな~と今は思っています。

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カタヤマさんやサイミさん、ク会参加者のみなさん、宇野港編集室で出会ったみなさん、ハレマのみなさん、直接買ってくれた方、会えなかったけれど当日買ってくれた方。

ただ1冊のZINEを作っただけなのに、こんなにもたくさんの顔が思い浮かぶことに驚いています。作ることでつながる関係ってなんかいいなぁ。

残ったZINEは、これから神保町の共同書店と岐阜に送る予定です。私のところにも何冊か残るはずなので、もし興味があれば下記のインスタまでご連絡ください!


あーー楽しかった!!!

photo:masato/kanae by ハレマ


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