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#23 ぶどう山椒の夜明け「町の視点で語る産地」


山椒生産量の全国シェア1位を誇る和歌山県。なかでも江戸時代に同県有田川町に発祥した「ぶどう山椒」は優良品種であり、同町は全国屈指の産地です。本コーナーでも紹介のとおり、生産者の平均年齢80歳と高齢であり、産地消滅の危機に晒されて久しいなか、若手農家の活躍や栽培技術を向上させようとする動きなど産地継続に向けた動きが生まれ始めています。

この度、有田川町役場の川口 雄大さんに行政視点で、産地を語ってもらいました。



「比べものにならないほど、民間の動きが活発になった」と川口さん。

行政が旗振り役となり、産地振興の取り組みを始めた6年前、産地から聞こえてくるのは離農などの暗いニュースばかり。それが、若手農家がミシュラン3つ星などの高級販路を開拓するなど、ぶどう山椒ブランドの認知が向上するにつれ、明るいニュースが聞こえるようになったそうです。

上述の若手農家に続けとばかりに、川口さんが仕掛けたのが大型就農フェアの出展や就農希望者を産地に呼び込むイベントの開催など、草の根レベルで次世代の山椒農家を増やす取り組みです。

近年、それらをきっかけに、就農を目指した移住者が徐々に現れ始めました。また、同町内でも、みかん農家が山椒栽培に着手するなど、町内外で山椒に対する関心が高まり、今後、町全体の山椒生産量の向上も期待できるのだとか。

行政主導ではじまった産地振興は、民間プレーヤーの動きを活発にしました。川口さんは「今後、民間の動きを積極的に見守り、必要に応じてプレーヤー同士のつなぎあわせや、新規事業へのサポートを行い、官民それぞれの立場から強かな産地を創っていければ」と展望を語ってくれました。

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