見出し画像

#15ぶどう山椒の夜明け「希少な有機山椒を世界へ」

産地唯一の若手農家であり、山椒栽培から加工・販売を一貫して行う、きとら農園 新田 清信(しんだ きよのぶ)さんが年間20kgしかとれない有機栽培の「粉山椒」を3月にリリースしました。

有機栽培をスタートされたのは7年前のこと。
「パリで開催された食品商談会に出展した際、有機栽培に対する関心の高さを肌で感じ、また、成長する国内のオーガニック市場に対し、有機山椒が流通していないことに可能性を感じた」と新田さん。
一部の園地を有機栽培に切り替えられましたが、予想を上回る栽培の難しさに直面します。


使用できる肥料や農薬が限られていることから、樹が生育不良を起こし、実りが悪かったり、害虫の発生を思うように防ぐことができずに枯死してしまったりして、通常栽培に比べて収穫量は30%に留まるのだとか。
新田さんは、栽培ノウハウが蓄積された今でも頭を抱えることがあると話します。

 

生産面の不安から商品を販売することに二の足を踏む新田さんでしたが、環境負荷が少なく、また、他に例を見ない有機山椒へのチャレンジが評価され、和歌山県主催の「わかやま環境賞」において、2022年に大賞を受賞されました(同賞は環境保全の実践活動が模範となる個人・団体を表彰するもの)。これを機に自信を持った新田さんは、商品販売を決意されたそうです。


「まずは小売や業販で国内の販売基盤を固め、ゆくゆくは香り文化が花開くヨーロッパ圏で自社ブランドの販売を目指す」と迷いのない自信にあふれた表情を覗かせました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?