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#6ぶどう山椒の夜明け「ぶどう山椒(実山椒)の収穫がはじまる」

5月下旬、有田川町では、実山椒の収穫が最盛期を迎えました。収穫期は約10日間と短く、作業量は天候に大きく左右されるため農家にとって苦労の絶えない期間となります。

日を追って強くなる日差しを浴びながら収穫が行われる同町境川区を訪れ、山椒農家 中尾 あやこさんにお話しを聞きました。中尾家は先代から山椒栽培を小規模で営まれていましたが、中尾さんご夫妻が約15年前から本腰を入れて栽培に取り組みはじめたそうです。

中尾さんは刃のついた金具を人差し指にはめ、山椒を次々に収穫していき、その手の動きに合わせ山椒の香りがふわりと広がりました。
生産状況を聞いたところ「今年も不作だと思う」と中尾さん。原因の一つとして、産地全域で山椒が老木化していることが考えられるそうです。

収穫量減少は農家の所得に直結します。その課題に対して、中尾さんは収穫量の維持と作業効率を高めるため、オフシーズンに徹底した剪定を実施したことが、収穫量減少を緩やかにしたそうです。また、従来の方法ではなく、新たに取り入れた剪定技術で臨まれ、「効果が出るか不安だったが、うまくいった。古いものに固執し過ぎず、技術は更新しないといけない」と語ってくれました。

ぶどう山椒の産地は高齢農家が大半を占め、中尾さんのように先人から引き継いだ現役農家が日々畑を守っています。そして、嬉しいことに、未来の産地を担う農家も少し現れはじめました。多くの問題を抱えながらも、未来へのバトンがつながろうとしています。

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